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経理/財務税務(税金・節税) 2024/01/10

NISA制度が生まれ変わる!2024年1月から開始する新NISAのポイントとは?

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NISAは日本の多くの個人投資家が証券投資を始めるきっかけとなった制度といわれています。
さらに2024年からより使いやすい制度として新たに生まれ変わることで、個人投資家に限らず多くの人に注目されています。
新しいNISAはこれまでの制度と比較してどのような変更点があるのか、この記事で確認していきましょう。

NISAとは

NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、NISA口座内において決められた範囲内で購入した金融商品から得た利益が非課税になる制度です。
通常、株や投資信託などの金融商品に投資した際、売却時に得た利益や受け取った配当には約20%の税金がかかります。
例えば、3年前に100万円で購入し、現在時価が200万円となった投資商品を売却すると、譲渡益の100万円については約20万円の税金がかかり、手取りは約80万円になります。
ただし、NISA口座の場合は20万円の税金が非課税となるため、譲渡益100万円を全額受け取ることができます。

NISAのモデルとなったのは、イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)であり、NISAの語源は「日本版ISA」から来ています。
NISAは、個人財産の貯蓄から投資を促す政策の中で導入され、多くの個人投資家に株式投資を始めるきっかけを与えました。
さらに令和5年度税制改正によって、2024年以降のNISAの抜本的拡充・恒久化が図られています。


2023年までのNISA(旧NISA)
これまでのNISAには、18歳以上が利用できる一般NISA、つみたてNISA、18歳未満が利用できるジュニアNISAの3種類がありました。

一般NISA
上場株式や投資信託などを口座内で年間120万円まで購入でき、最大で5年間非課税で保有できるものです。
一般NISAとつみたてNISAは、NISA口座内で1年単位での変更が可能です。

つみたてNISA
長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大で20年間非課税で保有できるものです。

ジュニアNISA
一般NISAと同様の上場株式や投資信託などを年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できるものです。
なお、ジュニアNISAについては、制度の改正にあたって新規の口座開設は2023年までとなっています。

2024年からのNISA(新NISA)

2024年からの新しいNISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの制度が用意されており、併用可能となっています。
制度の概要は以下の通りです。
つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有期間 無期限化
非課税保有限度額の総枠 1,800万円
※簿価残高方式で管理(枠の再利用が可能)
※成長投資枠の上限額は1,200万円
口座開設期間 恒久化
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式・投資信託など
対象年齢 18歳以上
旧制度との関係 2023年末までに旧制度の一般NISA及びつみたてNISA制度において投資した商品は、新制度の外枠で、旧制度における非課税措置を適用
※新制度へのロールオーバーは不可
※出典:金融庁「新しいNISA

主なポイントは以下の通りです。

  • 非課税保有期間の無期限化
  • 年間投資枠の拡大
  • 旧NISAとの併用、つみたて投資枠と成長投資枠の併用の実現
  • 非課税保有限度額の拡大と投資枠の再利用の実現

非課税保有期間の無期限化
旧NISAでは、長いものでも非課税期間は20年となっていましたが、新NISAでの非課税保有期間は無期限になります。
そのため、投資の開始や資金の回収が投資家個人のタイミングで行いやすくなったと考えられます。


年間投資枠の拡大
新NISAでは、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円の年間投資枠が認められており、これらを併用することで最大360万円を年間投資枠として非課税とすることができます。
つみたて投資枠は主に旧NISAのつみたてNISA対象ファンドが投資の対象となっており、長期投資に適したものとなっています。
成長投資枠は上場株式や投資信託など様々な銘柄の金融商品が投資対象となっており、より自由でアクティブな投資活動が可能と考えられます。


旧NISAとの併用、つみたて投資枠と成長投資枠の併用の実現
新NISAは、旧NISAとの併用が可能です。
2024年以降は旧NISAを用いた投資はできませんが、これまで旧NISAで投資をしてきた分については残り期間の利益が非課税になります。
また、旧NISAでは、一般NISAとつみたてNISAを併用することはできませんでしたが、新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用することが可能です。
つみたて投資枠だけで非課税保有限度額(1,800万円)を使いきることや、つみたて投資枠を使わず、成長投資枠だけを利用するなど、様々な使い方をすることもできます。
ただし、成長投資枠の非課税保有限度額は1,200万円となるため、注意が必要です。


非課税保有限度額の拡大と投資枠の再利用の実現
新NISAでは、生涯の非課税保有限度額として1,800万円の投資枠が設定されています。
ただし年間での投資枠の上限も定められていますので、1年間に1,000万円などの投資は認められません。
これはNISAを活用したギャンブル的な投機を抑制するためと考えられます。
つまり、年間60万円ずつ投資した場合で30年、年間360万円ずつ投資した場合は、5年で1,800万円の投資を行えることになります。
また、非課税保有限度額の総枠1,800万円は、投資簿価の残高で管理されるため投資枠の再利用が可能となっています。
例えば、投資商品を100万円で購入した場合、投資可能枠は総枠1,800万円から投資簿価100万円を差し引いた1,700万円となります。
数年後、投資商品の時価が上がり売却に至ると、簿価の100万円が戻り、投資枠の総額は1,800万円となります。
このように、売却などによって非課税保有額の枠が再利用できるようになることも、新NISAの大きなポイントといえます。

新NISAに関する注意点

ここからは新NISAに関する注意点を質問形式で解説していきます。


旧NISAから新NISAに移行する際の手続きは難しくないか?
旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)の利用者は、新NISA開始時に新しいNISA口座が自動的に設定されることになっているため、新たに手続きを行う必要はありません。


新NISAを始める際の旧NISAの取り扱いはどうなるのか?
旧NISAと新NISAは併用可能であるため、既に旧NISAで保有している商品については、新NISAを始める場合も売却する必要はありません。
また、旧NISAでは一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間、非課税で保有可能な点について特段変更はありません。
ただし、非課税期間終了後、旧NISAの商品を新NISAに移管することはできません。


つみたて投資枠と成長投資枠を併用する場合、別々の金融機関を使ってもよいか?
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能ですが、別々の金融機関の口座を使って利用することはできません。
つみたて投資枠と成長投資枠を併用する場合は、同一の金融機関の口座を使用することになります。
なお、年単位で金融機関を変更することは可能です。


NISAをする際は確定申告が必要か?
NISAで取引した株式などから売却益や配当が出ても、これらには所得税や住民税はかからないため、原則として確定申告は不要です。
ただし、旧NISAの場合は、非課税期間終了後、NISA口座から一般口座に払い出されるため、払出時の時価をその口座での取得価額として株式譲渡損益や配当金に課税されることになり、確定申告が必要になる場合があります。
新NISAは非課税期間が無期限なので、NISA口座から一般口座への払い出しも生じず、基本的には確定申告の必要はないということになります。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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2024年から導入される新しいNISAは、本記事でも解説した通り、これまでと比較して使いやすい制度になっていることがわかります。
これまでも個人投資家が投資を始めるきっかけとなっていたNISAですが、今後はさらに利用する人が増えるのではないでしょうか。
現在、投資を検討している方は、ぜひ新しいNISAについてチェックしてみてくださいね。

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