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経理/財務決算 2021/01/28

繁忙期に備えよう!3月決算企業の経理業務スケジュール

3月決算の会社では3月が年度末、4月が年度始まりであり、経理担当者にとっては1年で一番忙しくなる時期ともいえます。そんな繁忙期の業務をスムーズに進めるためには、事前にしっかり準備をしておくことが大切です。今回は、年度末の決算準備から5月の納税まで、どのようなスケジュールで行うかを確認します。

3月決算の企業のスケジュールと業務

3月決算の企業における3月から5月までの経理業務は以下のような流れを目安として進めていきます。

  • 3月下旬~末日:実地棚卸
  • 4月上旬~4月下旬:年次決算締め作業・決算整理仕訳の計上
  • 4月下旬~5月上旬:決算書の作成
  • 5月中旬:株主総会の開催
  • 5月中旬~5月末日:法人税、消費税、法人事業税、法人住民税の確定申告・納税

細かい期日や作業期間は、上場、非上場や企業の規模などによって異なりますので、自社に関する期日はしっかり調べるようにしてください。特に税金の納付期限については意識しておくようにし、そのタイミングから逆算して諸々の計画を立てます。
法人税、法人住民税、法人事業税、消費税の納付期限は「事業年度終了日の翌日から2か月以内」と定められているため、3月末決算の会社は5月末までに納付を行う必要があります。そこに間に合うよう決算作業や確定申告準備を行います。

2月、3月の業務内容

3月決算の企業では、3月末日までの売上を反映した財務諸表を用いて決算作業を行います。そのため、決算対応において3月中にできることは限られており、作業が本格化するのは4月からです。ただし、準備はする必要があります。3月分を待つ必要があっても、2月分までの資料はしっかり揃っているのかなどを確認しておきましょう。

実施棚卸
2月から3月にかけては「実施棚卸」作業も必要です。棚卸とは、3月末時点で残っている商品や材料の在庫を確認し、金銭的価値がどれだけあるのか計算する作業です。
会社内にある棚卸対象品の個数、金額をすべて洗い出す必要があるため、製造業や小売業といった業種では時間がかかります。そのため、在庫が多い会社では2月下旬から棚卸をスタートしているケースもあります。

※関連記事:決算準備期の重要業務、棚卸の基礎知識

4月、5月の業務内容

4月に入ると、いよいよ本格的な決算対応が始まります。ここからは特に期日がシビアになっていきます。ひとつの作業に遅れが出ると、その後の作業がどんどん遅れるので、スケジュールを区切っておくようにしましょう。

年次決算締め作業・決算整理仕訳の計上
期中に含むべき仕訳の再確認や、売掛金、買掛金の整理、減価償却費の算出などを行い、計上漏れがないよう決算整理仕訳をしていきます。また、3月末の実地棚卸結果と帳簿残高を確認し、差異がある場合はその調査も行います。この作業は4月末までに、遅くともゴールデンウィーク明けには完了しているようにしましょう。
この作業は事前に処理すべき事項と担当者をリストアップしておくとスムーズに進めることができます。手が足りなくなりそうな部分についてはITツールやアウトソーシングなどの活用も視野にいれ、早めに手配しておくことが重要です。

※関連記事:経理担当の責任重大!決算整理仕訳の基礎知識

決算書の作成
続いて財務諸表を作成していきます。年次決算締め作業で得られた数値を元に、貸借対照表や損益計算表、株主資本等変動計算書など決算書を1年分の数値で作成します。顧問税理士を利用している場合は、この時期のやりとりが円滑にできるよう前もって税理士と流れを確認しておきましょう。

株主総会の開催
株主総会は決算確定前の5月末までに行います。ただし、上場企業などでは6月に開催するなどの例外もあります。どちらにしても開催の1週間前までには株主に開催通知を送付する必要があるため、それに合わせて準備を進めていきます。
今年は新型コロナウイルスに関する感染対策についても考慮する必要があります。どのような対応になるかを早い段階で決定し、期日に間に合うようにしましょう。

※関連記事:決算の集大成、株主総会で経理担当はどう活躍する?

法人税、消費税、法人事業税、法人住民税の確定申告、納税
確定申告、納税時に気を付けたいのは税制改正などの変更点です。例年と同様に対応すればよいという考えで進めてしまうとミスの原因になるので、その年の状況をしっかりと把握しておきましょう。
また、これまで自社で起きたミスやトラブルに関わる事例をまとめておくことで、同じ失敗を繰り返さないということも重要です。

※関連記事:青色申告を簡単に!無料ツールの種類と選び方のポイント

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3月決算の企業は、3月中旬~5月が一番忙しい季節です。事前にスケジュールを把握し順序立てて作業を進めていかないと、確定申告の期限に間に合わなくなってしまいます。特に、「一月往ぬる二月逃げる三月去る」という言葉がある通り、1年の序盤は油断しているとあっという間に過ぎ去ってしまいます。繁忙期の作業を円滑に進めるためにも、年明けはいつまでに何をすべきかを意識しながら新年度を迎えるようにしてください。

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