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新米経理のための年末調整入門
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給与計算/年末調整 2017/02/23

多忙な年末を乗り切る!
新米経理のための年末調整入門

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経理担当にとって、年末調整は1年を締めくくる大事な業務。
大人数を抱える会社の経理ともなれば、業務は煩雑さを極めよりスムーズな対応が求められます。
新米経理担当にとっては、一人前への登竜門。そこで、多忙な年末を無事に乗り切るための年末調整入門をお届します。

年末調整とは

年末調整とは
年末調整について説明する上で、さけて通ることのできないのが源泉徴収です。
源泉徴収とは、会社が窓口となって社員全員の所得税を計算して給与から天引きし、まとめて納税するシステムです。
なぜ、会社が窓口となって一括納税するのでしょう。
仮に会社に勤めている人も全員が確定申告するとどうでしょう。
とうてい税務署で処理しきれなくなる上、個人が行うことによるミスや記入漏れも多発。正確な税収も見込めなくなることが想定されます。
源泉徴収は正確で効率的な所得税額算出のための納税システムなのです。

しかし、その反面で問題もあります。それは、源泉徴収によって天引きされる納付額と実際の所得税額ではズレが生じるということ。
所得税は、その年の1月1日から12月31日までの所得に対して課税される税金です。
これに対して、源泉徴収は毎月の給与から天引きされて納付します。
つまり、今年の所得が確定されていない段階で、先に納税していることになります。

所得が確定していないのに、毎月の源泉徴収税額はどうやって決めるのでしょうか。
これは、国税庁によって定められた「源泉徴収税額表」という一覧表をもとに税額を算出するのです。
これはあくまで、今年はこれくらいの税額になるという想定の概算です。
ある程度の精度はありますが、やはり実際の額とのズレが生じます。
このズレを調整するタイミングが年末、つまり年末調整となります。

(平成28年給与所得の源泉聴取税額表/国税庁)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2015/data/01-08.pdf

年末調整の計算式

年末調整を行うには、社員の所得を計算する必要があります。
所得税には、様々な所得控除があり、社員一人ひとりによって控除額は違ってきます。
およそ計算式はこのようになります。

支払金額—(①給与所得控除+②基礎控除+③扶養親族などによる控除+④保険料控除)×税率
※住宅ローン控除等は省略しています。

支払金額とは、会社がその社員に支払った金額で今年の年収となります。
電車・バスなどの交通機関の利用による通勤費は月10万円以内であれば非課税なので、ここには含みません。
この支払金額から様々な控除を行い税額を計算していきます。

では、控除の内容をひとつひとつみていきましょう。
まず、①給与所得控除です。これは、会社に勤める人もいろいろ経費がかかることを想定して定められた控除。支払金額に応じて下記のように控除額が変わります。
支払金額
給与所得控除額
180万円以下
支払金額×40%(65万円未満の場合は65万円)
180万円超〜360万円以下
支払金額×30%+18万円
360万円超〜660万円以下
支払金額×20%+54万円
660万円超〜1000万円以下
支払金額×10%+120万円
1000万円超〜1200万円以下
支払金額×5%+170万円
1200万円超
230万円(上限)

(平成28年分給与所得控除とは/国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm

社員から各種申告書を回収

社員から各種申告書を回収
まずは、②基礎控除。誰もが一律38万円控除することができます。
③扶養親族などによる控除は、扶養親族の有無や人数、本人またはその家族に障害者がいるかなどによって控除額が定められています。
すべての社員に「扶養控除申告書」や「配偶者特別控除申告書」を渡し、必要事項を記入してもらうことで各種データを収集します。
④保険料控除は、生命保険料、社会保険料、厚生年金保険料、健康保険料などの各種保険料の控除。やはり保険料控除申告書を通じて、社員からデータを集めます。

こうして控除額を差し引き、課税所得金額を算出します。この課税所得金額に下記の所得税の速算表を参照して税額を導き出します。

課税される所得金額 税率 税率にプラスして控除される額
195万円以下 5% 0円
195万円超〜330万円以下 10% 97,500円
330万円超〜695万円以下 20% 427,500円
695万円超〜900万円以下 23% 636,000円
900万円超〜1800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円超〜4000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円
(所得税の速算表/国税庁)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm

さらに、東日本大震災からの復興施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法、「復興特別所得税」を所得税に上乗せする形で徴収するため、102.1%をかけ算します。
こうして、「計算された税額」と「源泉徴収により天引きした税額」の差額を調整します。
源泉徴収により天引きした税額が多ければ、その分の金額を12月または1月の給与支給時に社員に還付。少ない場合は追加で天引きして調整します。
**********
新米経理にとって年末調整は何としてもノーミスで乗り切りたいもの。
そのために最も注意したいのが書類の不備です。
扶養控除申告書や配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書など、社員に依頼する申告書類がなかなか回収できないと、作業できる時間も少なくなり焦ってしまいがちです。
できるだけ前倒しのスケジュール策定と、申告書の提出期日の周知を徹底させることが大事です。年末調整の対象期間に中途入社した社員の場合は、前職の源泉徴収票が必要になるので忘れずに依頼しましょう。
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