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税金/節税 2022/05/10

e-TaxとeLTAXはどう違う?電子申告のメリットを知って手続きを簡単に

税務手続きの電子化が進む中で、誰もが利用するサービスがe-Tax(イータックス)とeLTAX(エルタックス)です。
まだ利用したことのない方は、e-TaxとeLTAXがどう違うかもわからないかもしれませんが、利用目的はまったく異なります。
今回は、e-TaxとeLTAXの違いを紹介したうえで、電子申告を利用するメリットを解説します。

税務手続きの電子化とオンライン普及率向上を目指す税制

e-TaxやeLTAXは、これまで税務署への持ち込みや郵送が必要だった確定申告をオンラインで実施するために導入されたシステムです。
これらは、所得税、法人税、地方税などの申告・納税や法定調書などの各種申請・届出について、インターネットで電子的に手続きできるシステムとなります。
※出典:財務省「国税電子申告・納税システム(e-Tax)の概要

税務手続きの電子化・オンライン化は、納税者にとっては税金手続きの利便性が向上し、行政側にとっても作業効率が向上するという理由で普及が促進されています。
令和元年度の法人税申告は年間198万件のうち172万件がオンラインで実施され、オンライン利用率は87.1%と報告されています。
また、消費税申告についてもオンライン利用率は86.8%でした。

オンライン利用率について、政府は令和5年度末までに90%超にすることを目標としています。
そのために税制面でも、以下のような制度が導入されています。

  • (法人・個人)押印義務廃止
  • (法人)大法人の電子申告義務化
  • (個人)e-Taxで青色申告特別控除の控除額増加、キャッシュレス納付の導入

1.(法人・個人)押印義務廃止
法人税、消費税、所得税の確定申告書をはじめとした国税に関する提出書類について、押印義務が廃止されました。
これには、税務手続の負担軽減やデジタル化の促進といった目的があります。
ただし電子申告の場合は、押印のかわりとなる電子署名などの手続きが必要となるため、ご注意ください。


2.(法人)大法人の電子申告義務化
令和2年4月以後開始事業年度から大法人の電子申告が義務化されています。
これは、事業年度開始時の資本金などの額が1億円を超える法人について、法人税・地方税の申告書や添付書類を電子申告しなければならないとするものです。
大法人の電子申告義務化制度の詳細については、過去の記事でも解説していますので、併せて確認してみてください。

※関連記事:2020年度から義務化される電子申告で税務の効率化をはじめよう!


3.(個人)e-Taxで青色申告特別控除の控除額増加、キャッシュレス納付の導入
現時点で個人の確定申告に対する電子申告は義務化されていないものの、オンライン利用率を向上させるための対策は既に打たれています。
例えば、所得税の青色申告特別控除を受ける際の要件追加もそのうちの一つです。
以下の表のように、e-Taxで電子申告をしている場合、または電子帳簿保存を行っている場合には、青色申告特別控除額が55万円よりも10万円多い65万円になります。

適用要件 複式簿記 財務諸表の添付 期限内申告 e-Taxまたは
電子帳簿保存
65万円
55万円
10万円 簡易な記帳
申告手続きに限らず、納付方法についてもキャッシュレス納付などが認められるなど、今後もこうした施策が順次行われていくと考えられます。

※関連資料:財務省「特集 令和7年までに40%へ国税のキャッシュレス納付拡大に向けた国税庁の取組

e-TAXとeLTAXの違い、各システムでできる手続き

e-TAX とeLTAXでは、対応している税目と手続きが異なります。
システム名 対応している手続き
e-Tax 国税に関する申告、申請、届出、電子納税など
eLTAX 地方税に関する申告、申請、届出、共通納税など
e-Taxでは、所得税や法人税などの国税に関する確定申告や各種申請書の提出、申告後の納税手続きを行うことができます。
eLTAXでは、住民税や法人事業税などの地方税に関する確定申告や各種申請書の提出、各自治体への共通納税などの手続きを行うことができます。
実務上、特に気を付けたいのは申告漏れについてです。
例えば、期限内にe-TAXで法人税の電子申告を実施していても、eLTAXで法人事業税や法人住民税の電子申告を実施していない場合には、地方税の申告漏れになってしまいます。

※関連記事:電子申告(e-Tax)義務化へ!今、経理担当がやるべきこと


e-TAXでできる手続き
e-Taxでは、国税に関する次のような手続きが可能です。
電子申告 所得税、法人税、消費税、酒税、印紙税、贈与税、相続税などの申告(出資関係図や財務諸表などの添付書類のデータも電子で送信可能)
電子申請・
届出など
法定調書、納税証明書の交付請求/青色申告の承認申請/異動届の提出
電子納税 全税目の納税(電子納税証明書の交付手数料、加算税などの附帯税の納付も可能)
※出典:e-Tax「利用可能手続一覧

PCで利用する場合、e-Taxにはインストール不要なweb版とインストールが必要なソフト版があります。
さらに、個人の所得税の確定申告については、スマートフォンの専用アプリからも申告することができます。


eLTAXでできる手続き
eLTAXでは、地方税に関する次のような手続きが可能です。
電子申告 個人住民税、法人都道府県民税、法人事業税、特別法人事業税(地方法人特別税)、法人市町村民税、固定資産税(償却資産)、事業所税などの申告(出資関係図や財務諸表などの添付書類のデータも電子で送信可能)
電子申請・
届出など
申告書の提出期限の延長申請/法人設立届、異動届、事業所などの新設・廃止申告など
共通納税 上記で電子申告した税目の納税(延滞金、加算金などの納付も可能)
※出典:地方税共同機構「eLTAXで利用可能な手続き

PCで利用する場合、eLTAXにはインストール不要なweb版とインストールが必要なダウンロード版があり、それぞれ用途が分かれています。
web版では電子申請・届出や共通納税を行い、ダウンロード版では電子申告や共通納税を行います。
申告を受け付けた後のメッセージ確認には、スマートフォンの専用アプリを利用することもできます。
詳しくはeLTAXのホームページをご確認ください。

※参考資料:地方税共同機構「PCdeskの特徴と取得方法

e-Tax・eLTAX(電子申告)のメリット

では、e-Tax・eLTAXにはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で確認してみましょう。


直感的な操作で簡単に使える
e-Tax・eLTAXは、整理された画面で直感的な操作ができるので、各々で必要な書類を集めて1つずつ処理していくよりも簡単に申告を行うことができます。
また、画面上に申告書を表示しながら入力していくので、これまで手書きの作業をしていた方でも抵抗なく使えるでしょう。


自宅やオフィスから手続きが可能に
これまでの税金に関する手続きでは、税務署に申告書を持参したり、郵送したりする手間がかかっていました。
しかしe-TaxやeLTAXを利用した電子申告であれば、自宅やオフィスにいるままでPCからすぐに手続きが完了します。
現時点では対応できる税目は限られているものの、スマートフォンが利用できる手続きも増えています。


1度で複数の自治体の手続きが完了
eLTAXでは、システムで提出先を判断して、それぞれの地方公共団体へ送信してくれます。
そのため、1回の手続きで複数の自治体の手続きが可能になり、各自治体の申告先を調べるなどの手間も省けます。


1回の手続きで申告から納税まで対応可能
e-TaxやeLTAXで電子申告をした場合には、電子納税が可能です。
特に、eLTAXについては、共通納税という制度があるため、電子申告をしたすべての地方自治体について、1回の手続きで電子納税(ネットバンキングまたは登録銀行口座のダイレクト納付)も完了させることができます。
例えば、東京・大阪・名古屋に事業所がある法人は、毎年各自治体に地方税(法人住民税や法人事業税など)の確定申告をして税金を納付する必要があります。
このとき、これまでは自治体ごとに納付書を作成して納税する必要がありました。しかし共通納税システムを利用すればこの作業が1回の手続きで完了できるのです。
ただし、共通納税には利用の届出が必要ですので、ご注意ください。


個人事業主の場合は税金が安くなる場合がある
個人事業主の場合、e-Taxを利用して電子申告をすることで、青色申告特別控除額の増額など、税金が安くなるような要件もあります。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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e-TaxとeLTAXでは、対応している税目や手続きが異なります。
大法人以外はまだ電子申告義務化の対象ではありませんが、将来的には電子申告に対応することは必須と考えられます。
紹介したe-TaxとeLTAXのメリットも参考に、ぜひ一度、税務手続きの電子化を検討してみてくださいね。

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