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業務全般制度改正 2026/01/20

【令和8年(2026年)度税制改正対応】これで安心!少額減価償却資産・インボイスほか、法人実務に影響する主要改正を整理

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2025年12月19日、令和8年(2026年)度税制改正大綱が公表されました。
少額減価償却資産やインボイス制度、年収の壁など、経理実務に直結する改正も多く盛り込まれています。
本記事では、令和8年度税制改正大綱の内容のうち、経理担当者が特に押さえておきたいポイントを、法人税・消費税・個人課税を中心にわかりやすく解説します。

令和8年度税制改正大綱について

税制改正大綱とは、各省庁の要望を踏まえ、翌年度以降に予定される税制改正の方向性を取りまとめたもので、例年12月中旬に公表されます。
公表された大綱については、その後、通常国会で関連法案が審議され、成立した改正法については、項目ごとに定められた施行日から順次適用されます。
そのため、改正内容によって適用開始時期は異なります。

ここからは、令和8年度税制改正大綱のうち、企業実務の担当者が特に押さえておきたい主要項目の概要を解説します。
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法人関連の重要改正ポイント

法人関連の改正項目で注目すべきなのは以下の通りです。


賃上げ促進税制の大幅な見直し
賃上げ促進税制については、企業規模に応じて制度の見直しが行われ、今後は段階的に整理・廃止される方向が示されています。
主な改正内容は以下の通りです。

企業規模 改正内容
大企業(全法人)向け 2026年3月31日をもって廃止。
中堅企業向け 2027年3月31日をもって廃止予定。
2026年4月1日から2027年3月31日までに開始する事業年度については、賃上げ率要件を4%以上にするなどの措置を講じる予定。
中小企業向け 後述の教育訓練費に係る上乗せ措置の廃止を除き、現行制度を基本的に維持。
全企業共通 教育訓練費に係る上乗せ措置は、企業規模を問わず廃止。
このように、大企業および中堅企業向けの賃上げ促進税制は、一定期間の経過措置を経たうえで廃止される方向となっています。
また、企業規模にかかわらず、教育訓練費に係る上乗せ措置については廃止される点に注意が必要です。


【新設】特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
企業による大胆な設備投資を後押しするため、新たに「特定生産性向上設備等投資促進税制」が創設される予定です。
本制度は、原則としてすべての業種の青色申告法人を対象とし、経済産業大臣の確認を受けた一定規模以上の特定生産性向上設備等について、即時償却(取得年度に全額を減価償却)または税額控除(原則7%、建物等は4%)のいずれかを選択して適用できる仕組みとされています。
税額控除を選択した場合の控除限度額は法人税額の20%とされており、一定の要件を満たす場合には、控除限度超過額を3年間繰り越すことができる予定です。

適用対象となる投資規模の下限は、原則として35億円以上とされており、中小企業者等については5億円以上とされています。
対象資産は、一定規模以上の機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウェアなど、幅広い設備が想定されています。

なお、本制度は産業競争力強化法の改正を前提とした新たな税制のため、今後の法整備における確認が必須となります。


【一部新設】研究開発税制の拡充・見直し
研究開発税制については、現行の一般型とは別枠として、新たに重点産業技術試験研究費に係る枠が創設される予定です。
AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙などの分野に係る試験研究費については、重点産業技術試験研究費の40%(特別重点産業技術試験研究費の場合は50%)の税額控除が認められるとされています。
この税額控除額は法人税額の10%を上限とし、控除限度超過額については、一定の要件のもとで3年間の繰越しが認められる見込みです。
ただし従来の一般型研究開発税制などとの重複適用はできない点に留意が必要です。

一方、一般型の研究開発税制についても見直しが行われ、控除率のカーブや控除上限が調整される予定です。
併せて、海外での委託研究に係る試験研究費については、税額控除の対象となる金額を試験研究費の50%までとするなど、一定の制限が設けられます。


少額減価償却資産の償却特例の基準額引き上げ
中小企業者が取得した少額減価償却資産について、取得年度に全額を損金算入できる特例の対象範囲が拡大されます。
具体的には、対象となる減価償却資産の取得価額の基準が、現行の30万円未満から40万円未満へ引き上げられる予定です。
ただし、常時使用する従業員の数が400人を超える法人は、引き続きこの特例の適用対象から除外されます。

同様に、中小企業投資促進税制および中小企業経営強化税制における取得価額要件についても、40万円以上を要件とする基準へ引き上げられる予定です。


外国子会社合算税制(CFC税制)の見直し
外国子会社合算税制(いわゆるCFC税制)について、国際課税の実態に即した見直しが行われます。

解散した部分対象外国関係会社等に係る特例の創設
外国関係会社が解散手続きに入ると、事業活動が停止し、形式的に経済活動基準を満たさなくなるケースがあります。
その結果、清算前後のタイミングによっては、従来は外国子会社合算税制の対象外であったにもかかわらず、特定外国関係会社に該当することとなり、外国子会社の所得全額を日本親会社の所得として合算する必要が生じる場合がありました。
今回の改正では、このような不合理な課税を防止するため、一定の要件を満たす解散中の外国関係会社については、特例清算事業年度に限り、部分対象外国関係会社等として取り扱う特例が創設されます。
これにより、要件を満たす場合には、合算対象となる所得は受動的所得に限定される見込みです。

なお、清算部分対象外国関係会社等とは、解散の日を含む事業年度開始日前2年以内に開始した事業年度のいずれにおいても、部分対象外国関係会社等に該当していた外国関係会社を指します。
また、特例清算事業年度とは、解散により最初に部分対象外国関係会社等に該当しなくなった事業年度終了日から、3年を経過する日までの期間内の日を含む事業年度をいいます。

ペーパーカンパニー特例の資産割合要件の見直し
ペーパーカンパニー特例に係る資産割合要件について、外国関係会社の事業年度終了時における貸借対照表の総資産額がゼロである場合、その事業年度に係る資産割合要件の判定は不要とされます。

最高税率を用いた租税負担割合判定の制限
外国関係会社の所在地国が累進課税制度を採用している場合には、一定の要件のもとで最高税率を用いて租税負担割合を算定できる特例があります。
しかし、実際には最高税率が適用されることが通常見込まれない場合や、最高税率が適用される所得区分が極めて限定されている場合には、この特例の適用が著しく不適当となるケースがあります。

今回の改正では、このような場合には最高税率を用いた租税負担割合の算定は認められないこととされます。
実態以上に租税負担割合を高く見せることでCFC税制の適用を回避する行為を防止することが目的です。


【新設】企業グループ間取引の書類保存の特例の創設
内国法人が関連者との間で特定取引を行った場合には、取引対価の算定根拠を明らかにするための取引関係書類などを取得・作成し、保存することが義務付けられます。
ここでいう関連者とは、移転価格税制における関連者と同様の基準により判定されます。
また、特定取引には、関連者が行う内国法人に対する工業所有権の譲渡・貸付けのほか、研究開発、広告宣伝、経営指導、情報提供などの役務提供取引が含まれるとされています。
特にグループ法人間取引が多い企業では、自社の取引が対象となるかを早期に洗い出し、必要な書類の整備や保存体制の構築を検討することが重要です。


【新設】防衛特別所得税の創設
防衛力強化のための財源確保として、所得税額に対して1%の防衛特別所得税が創設される予定です。
一方で、現在課されている復興特別所得税については、税率が現行の2.1%から1.1%へ引き下げられます。
このため、防衛特別所得税の導入と併せた所得税の付加税率は当面の間、実質的に変更されないことになります。
ただし、復興特別所得税の課税期間は、従来の2037年までから2047年まで延長される予定です。
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消費税・個人課税関連の重要改正ポイント

続いて、消費税やその他の改正点のうち、特に重要なものや企業実務に密接する項目を中心に解説します。


インボイス制度の経過措置の見直し
インボイス制度に関する経過措置について、売り手側・買い手側の双方について見直しが行われる予定です。

売り手側
消費税の仕入税額控除の計算に関する2割特例は、2026年9月30日をもって終了予定です。
ただし、要件を満たす個人事業主については、2026年10月1日から2028年9月30日までの2年間に限り、売上に係る消費税額の3割を納付税額とする特例(いわゆる3割特例)が設けられ、特例計算が可能とされています。
法人については3割特例の適用はありません。

買い手側
免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除の経過措置については、控除可能割合を段階的に引き下げる形で、適用期間が延長されます。

期間 改正案の控除可能割合
2023年10月1日~2026年9月30日 80%(変更なし)
2026年10月1日~2028年9月30日 70%
2028年10月1日~2030年9月30日 50%
2030年10月1日~2031年9月30日 30%
2031年10月1日以降 0%
また、一の免税事業者ごとの仕入れに係る年間適用上限額については、2026年10月1日以後に開始する課税期間から、現行の10億円から1億円へ引き下げられる予定です。


年収の壁の引き上げ
物価上昇を踏まえ、基礎控除および給与所得控除の見直しが行われます。
これにより、所得税が課されない年収水準、いわゆる「年収の壁」が引き上げられる予定です。

【基礎控除の見直し(現行の2025年分と改正案の2026年・2027年分の比較)】
合計所得金額 現行 改正後(本則) 特例加算 改正後
(特例加算)
合計控除額
(2025年分)
合計控除額
(2026年・2027年分)
132万円以下 58万円 62万円 37万円 42万円 95万円 104万円
132万円超336万円以下 58万円 62万円 30万円 42万円 88万円 104万円
336万円超489万円以下 58万円 62万円 10万円 42万円 68万円 104万円
489万円超655万円以下 58万円 62万円 5万円 5万円 63万円 67万円
655万円超2,350万円以下 58万円 62万円 なし なし 58万円 62万円
【給与所得控除の最低保障額】
区分 現行 改正後
(本則)
特例加算 合計
最低保障額 65万円 69万円 5万円 74万円
これにより、2026年・2027年分の所得税がかからない年収の壁は、178万円(特例加算額を含む基礎控除104万円+給与所得控除の最低保障額74万円)に引き上げられる予定です。

なお、今後この控除額の引き上げは、消費者物価指数の動向に合わせて2年ごとに見直されます。
また、基礎控除と給与所得控除の見直しに合わせて、配偶者や扶養控除などの人的控除の対象者の所得要件も見直される予定です。
ただし、社会保険料の負担が生じるいわゆる「社会保険の壁」については引き続き残る点には注意が必要です。


食事補助・通勤手当の非課税枠拡大
企業が従業員に提供する食事補助について、非課税限度額の見直しが行われます。
具体的には、企業が従業員に支給する食事補助の非課税限度額が、月額3,500円から7,500円へ引き上げられる予定です。
併せて、深夜勤務時の夜食の代わりとして現金で支給する補助についても、非課税限度額が1回300円から650円へ引き上げられます。

また、通勤手当についても非課税枠が拡充されます。
マイカーや自転車で通勤する従業員のうち、片道55km以上の遠距離通勤者については、通勤距離に応じた非課税限度額が見直され、最大で月額6万6,400円まで拡大される予定です。
さらに、駐車場代についても、新たに月額5,000円までの非課税枠が設けられます。

※参考資料:AGS税理士法人「マイカー通勤手当・食事支給に係る非課税限度額の見直し


NISA制度の口座開設年齢の撤廃
NISA制度については、18歳未満であっても口座開設が可能となり、積立投資枠を0歳から利用できるようにする改正が行われる予定です。
新たに設けられる未成年向けのNISAでは、年間の非課税投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円とされ、非課税での運用が認められるのは積立投資枠に限られる見込みです。

払い出しは原則として18歳になるまで制限されますが、災害や教育資金などの特定の事情がある場合には、12歳以降は例外的な取り扱いが設けられる方向で検討されています。

なお、18歳に到達した時点で、通常のNISA制度へ自動的に移行する仕組みとされており、これらの改正は2027年からの適用が予定されています。


住宅ローン控除の延長・拡充
住宅ローン控除については、制度の適用期限が5年間延長されるとともに、中古住宅の購入に対する支援が拡充される予定です。

  • 中古の認定住宅等について、借入限度額が新築住宅と同水準程度まで引き上げ
  • 床面積要件については、合計所得金額が1,000万円以下の場合に40m²以上へ緩和
  • 控除期間について、13年へ延長
一方で、省エネ基準適合住宅に係る優遇措置については、新築・中古を問わず縮小される予定です。
さらに、2028年1月以降に取得する災害危険区域等に所在する新築住宅については、適用対象外となる点に注意が必要です。


【新設】暗号資産の分離課税化
暗号資産を譲渡した場合の譲渡所得等については、金融商品取引法の改正を前提として、他の所得と区分した申告分離課税へ移行する見込みです。
一定の要件を満たす暗号資産の譲渡所得については税率20%(所得税15%、個人住民税5%)で課税する仕組みが検討されています。
併せて、暗号資産の譲渡により損失が生じた場合には、その年に控除しきれない金額について、翌年以後3年間にわたり譲渡所得から繰越控除できる措置が設けられる予定です。
本制度の対象は、特定暗号資産を暗号資産交換業者等を通じて譲渡・交換した場合とされており、適用開始時期は、金融商品取引法の改正施行日の翌年1月1日以後とされています。
早ければ2027年からの適用となる想定です。

これにより、これまで雑所得として最大55%の総合課税の対象となっていた暗号資産の譲渡所得が20%の分離課税となります。


青色申告特別控除の抜本的見直し
青色申告特別控除については、2027年分以後の所得税から抜本的な見直しが行われる予定です。
具体的には、現行の65万円の青色申告特別控除の適用要件を満たす者のうち、仕訳帳などの帳簿書類を電子帳簿保存法の要件に沿って電子データで保存している場合には、控除額を75万円に引き上げる措置が講じられる見込みです。
また、現行の55万円控除も一定の要件のもとで65万円控除に引き上げられる予定ですが、その場合にはe-Taxによる電子申告が必須となり、紙での申告の場合は10万円控除しか受けられなくなるとされています。


【廃止】教育資金一括贈与の廃止
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合に適用されている贈与税の非課税措置については、利用が低迷している状況を踏まえ、2026年3月31日の適用期限をもって廃止される予定です。

※参考資料:自由民主党「令和8年度税制改正大綱

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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令和8年度税制改正大綱には、少額減価償却資産の基準額引き上げやインボイス制度の経過措置の見直し、年収の壁の引き上げなど、実務上の影響が大きい改正が盛り込まれています。
自社に関係する項目を整理したうえで、顧問税理士とも相談し、早めに今後の税務対応を検討しておくことが重要です。
なお、今後の国会における改正法案審議の過程において、一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性があります。
詳細については審議の結果や成立後の法律の原文をご確認ください。

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