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経理/財務決算 2026/02/03

月次決算の早期化で差がつく!決算公告を見据えて「1週間締め」を実現する実務ステップ

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「月次決算に毎回10日以上かかってしまう」「経営陣への報告が遅れてしまう」という悩みを抱える経理担当者は少なくありません。
残業続きにもかかわらず経営陣からさらなるスピードを求められるなど、決算早期化への対応に困っている方も多いのではないでしょうか。
月次決算の遅れは、経営判断のスピード低下だけでなく、四半期・年次決算や決算公告といった法令対応の負担増につながるおそれもあります。
今回の記事では、こうした課題を解消するために、月次決算を1週間以内に完了させる具体的なステップと、決算早期化を実現するためのコツを解説します。

月次決算を早期化すべき理由

月次決算の早期化が求められる理由にはいくつかありますが、まず意識しておきたいのが決算公告への対応です。


決算公告への対応
決算公告とは、株式会社が会社法第440条にもとづき、毎事業年度の決算内容を広く一般に開示するために行う公告のことを指します。
具体的には、前年度の決算内容が株主総会で承認された後、その要旨を官報や日刊新聞、または自社のウェブサイトなどに掲載します。

決算公告を怠った場合、代表取締役や取締役などは最大100万円の過料に処される可能性があります。
さらに、法令違反にとどまらず、企業の透明性が低下することで、取引先からのリスク指摘や取引停止、信用力の低下、株主・顧客の離反といった重大な影響を招きかねません。

月次決算と決算公告の関係
月次決算は基本的に社内利用を目的としたものであり、法的義務はありません。
しかし、月次決算の精度とスピードを高めておくことは、年次決算の早期化に直結します。
年次決算が早まれば、株主総会の準備や決算公告の手続きにも余裕が生まれるため、月次決算の早期化は、決算公告を円滑に行うための重要な土台となるのです。

決算公告への対応以外にも、月次決算を早期化すべき理由には以下のようなものがあります。


経営判断のスピード向上
経営計画の際、月次決算の手続きが遅れると、既に状況が変わった過去のデータを基に経営判断をすることになり、タイムリーな対応ができません。
前月の業績をできるだけ早く把握できれば、問題の発見や次の打ち手の検討を素早く行えます。


経理部門の働き方改革
月初に業務が集中しがちな経理部門の負担を軽減し、残業時間の削減や業務の平準化を実現するうえでも、決算早期化への取り組みは重要な課題といえるでしょう。
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1週間で月次決算を完了させる7つのステップ

ここからは、月次決算を1週間で完了させる流れを7つのステップで解説します。
早期化のポイントは「待たずに、進められるものを先行して進める」という意識です。
各ステップの流れとポイントを押さえ、自社の業務改善に役立てましょう。


1. 預金残高の照合を前倒しで進める(月末〜1営業日目)
月次決算を早期に完了させるには、月末時点から動き始めることが重要です。
まず、月末最終日の段階で把握できている入出金を入力し、預金残高との照合を始めます。

多くの銀行では、15時以降の取引が翌営業日の反映となるため、翌営業日の午前中に最終確認を行い、残高を確定させます。
また、在庫を持つ業種では、このタイミングで実地棚卸を行います。
数量の確定は、月末最終日または翌朝一番に行うことで、月次の在庫数を正確に把握できます。


2. 当月分の売上を確定させる(1〜2営業日目)
預金残高の確認と並行して、当月分の売上を確定させます。
販売管理システムや社内資料から売上実績を集計し、当月分として計上する範囲を明確にします。
売上の計上漏れや重複がないかを確認したうえで、必要に応じて取引先への請求書発行を進めます。


3. 立替経費の精算処理を行う(2〜3営業日目)
2営業日目を目安に立替経費の提出締切日として設定し、届いた領収書を基に2〜3営業日目までに精算処理を進めます。
立替経費は社内で完結するため、請求書のように外部からの到着を待つ必要がありません。
未提出者への催促で比較的早く回収できることが多いため、締切日の事前周知とリマインドを徹底し、スムーズに処理できる体制を整えましょう。


4. 受取請求書の仕訳入力を行う(3〜4営業日目)
立替経費の処理と並行して、取引先からの請求書が適切に仕訳に反映されているかを確認します。
3営業日目を社内提出締切日とし、届いた請求書は4営業日目までに仕訳入力を完了させましょう。

ただし、取引先からの請求書送付が遅れることは珍しくありません。
届くのを待っていると決算スケジュール全体が後ろ倒しになる可能性もあるため、未着の場合は見積書や契約書の金額で仮計上をしておくことも検討しましょう。
請求書が届いたら金額を照合し、差異がなければ確定します。


5. 月次決算整理仕訳を行う(4〜5営業日目)
期中の取引入力を終えたら、月次決算整理仕訳を行います。
減価償却費・引当金・前払費用など、毎月発生する項目と計算方法をあらかじめリスト化・テンプレート化しておくと、仕訳の抜け漏れを防ぎ決算手続きをスムーズに進めることができます。
在庫を持つ業種では、ステップ1の棚卸結果を基に、このタイミングで売上原価も確定させましょう。


6. 残高チェックと法人税等の概算計上を実施する(5営業日目)
月次決算整理仕訳まで完了したら、各勘定科目の残高に誤りや漏れがないかをチェックし、必要に応じて法人税等の概算計上を行います。

作業の早期化を進めることができても、内容にミスがあれば修正に時間を取られ、スケジュール遅延の原因となってしまいます。
日頃から正確な入力を心がけ、月次の段階で精度を高めておくことが、四半期・年次決算の負担軽減にもつながります。


7. 報告資料を作成し経営層へ速報を共有する(5営業日目以降)
数値が固まったら、報告資料を作成して経営層へ共有します。
報告資料の内容や形式は企業によって異なりますが、「粗くてもいいから早く知りたい」というニーズを持つ経営層は少なくありません。

そこでおすすめなのが、速報版と正式版の2段階で報告する体制です。
まずは売上高や営業利益などの主要数値を速報として共有し、その後に詳細な分析を加えた正式版を提出します。
経営層が求める粒度を事前に確認しておくと、資料作成もスムーズに進むでしょう。
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月次決算の早期化を成功させるポイント

月次決算を早期化するためには、他部署との連携やツールの活用も欠かせません。
ここでは、月次決算を迅速に行うために押さえておきたいポイントを紹介します。


業務フローを定期的に見直す
経理業務は一度フローが決まるとそのまま続きがちですが、定期的な見直しが欠かせません。
システム導入や組織変更によって、過去のルールが現状に合わなくなっているケースも多いためです。

以下のような視点で、業務フローを見直してみましょう。

  • システム化によって不要になった手作業やダブルチェックを廃止する
  • 承認フローの階層が多すぎないか確認し、簡略化を検討する
  • 使われなくなった帳票や報告資料の作成をやめる
見直しは年度末や四半期ごとなど、区切りのよい時期に行うことが効果的です。
現場の担当者に「時間がかかっている作業」、「やりにくいと感じている作業」をヒアリングすると、改善すべきポイントが見えてきます。


経費精算・請求書の社内締切日を早めに設定する
月次決算のスピードは、経理部門の作業効率だけで決まるものではありません。
営業部門からの経費精算書や請求書の提出待ちがボトルネックになっているケースが多いため、社内の締切日を早めに設定し、期日を守る体制を作りましょう。

ただし、締切日を設定・早くする際は、なぜその日までに提出が必要なのかを現場に説明して理解を得るようにすることも大切です。
決算スケジュール全体の中での位置づけを理解してもらえれば、協力を得やすくなります。


会計システム・連携ツールを活用する
決算早期化を実現するには、会計システムや経費精算システムなどのツールを積極的に活用することが効果的です。
以下のような機能を活用することで手入力の手間を削減し、作業時間を大幅に短縮できます。

  • 経費精算システムから会計ソフトへデータを自動連携する
  • 販売管理システムの売上データをCSVで一括取込する
  • 銀行口座の入出金データをAPI連携で自動取得する
  • 請求書受領サービスと連携し、仕訳入力を自動化する
手作業によるミスも減らせるため、スピードと精度の両面で効果が期待できます。

※関連記事:プロが教える会計システム導入の3つのポイント

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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決算早期化を実現するポイントは、前倒しできる作業を先に進めることです。
現状の業務フローを可視化し、ボトルネックを一つずつ解消していくことで、確実に成果につなげることができます。
本記事で紹介したステップとポイントを参考に、経理部門の業務効率化と働き方改革に取り組んでみてください。

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