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業務全般制度改正 最終更新日:2026/04/23

マイナンバーカードは廃止ではない!“廃止”の誤解に要注意。更新・次期カードの扱い方を間違えないために

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アイコンこの記事のポイント
  • マイナンバーカード廃止とは誤解であり、実態は有効期限満了による更新と次期カードへの段階的切り替えである。
  • マイナンバー制度とはカードとは別の仕組みであり、12桁番号は継続利用され企業の管理運用も変更不要である。
  • 企業対応としては、有効期限に応じた更新周知とマイナ保険証の利用フォローに加え、2028年度予定の次期カード仕様変更を見据えた運用見直しが必要である。

「マイナンバーカードが2026年に廃止される」という情報がSNSやニュースで広まり、従業員から「自分のカードはどうなるのか」と問い合わせを受けた人事労務担当者もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、マイナンバーカード自体が廃止されるわけではありません。
実際には、「有効期限の到来による更新」と「将来的な次期カードへの切り替え」が混同され、誤解が生じていると考えられます。
こうした誤解が社内に広がると、カード更新の放置やマイナ保険証の利用トラブルなど、実務上の支障につながるおそれがあります。
本記事では、マイナンバーカード廃止といわれる背景と制度の正しい整理に加え、人事労務担当者として押さえておくべき対応ポイントを解説します。

マイナンバーカードは「廃止」ではなく、「切り替え」と「有効期限満了」

まずは、なぜマイナンバーカードが「廃止」といわれているのかについて整理します。


なぜマイナンバーカードが「廃止」といわれているのか
SNSを中心に、「期限切れ」が「廃止」と誤解されるケースがあります。
その主な理由は、次の2点と考えられます。

次期マイナンバーカードへの「切り替え」
デジタル庁は、現行のマイナンバーカードのセキュリティや利便性を見直すため、次世代版のカードの導入を検討しています。
当初は2026年ごろの導入が想定されていましたが、暗号方式の刷新や関連システムの整備に時間を要するため、2025年6月の閣議決定では、2028年度中の導入を目指す方針が示されています。
こうした新しいカードへの切り替えに関する情報から、現在のマイナンバーカードが廃止されると受け取られ、カードそのものが「廃止」されるという誤解につながっていると考えられます。

初期カードの「有効期限満了」
マイナンバーカードには有効期限があります。
18歳以上の場合は発行から10回目の誕生日までが有効期限となるため、2016年1月の交付開始時に取得した人は、2026年に有効期限を迎えます。
その結果、2026年には期限切れとなる人が集中します。
この状況が、「廃止」という印象を強めている要因の一つといえるでしょう。


マイナンバー制度が廃止されるわけではない
マイナンバーカードと混同して、マイナンバー制度自体が廃止されるという誤解も見られますが、これは事実ではありません。
そもそも、マイナンバー(12桁の番号)とマイナンバーカード(物理媒体)は別物です。
番号はカードの有無にかかわらずすべての住民に付与されており、税務・社会保障・災害対策の分野での情報連携に利用されています。
マイナンバーカードは、その番号を安全かつ効率的に利用するための手段に位置づけられています。


マイナンバーカードの更新について
マイナンバーカードは、運転免許証と同様に、有効期限が到来すれば更新が必要となります。
有効期限が近づくと自治体から通知書が送付され、スマートフォンやパソコン、郵送などで更新申請を行うことになります。

また、次期マイナンバーカードの導入後も、現行カードが直ちに無効になることはありません。
現行カードは有効期限に応じて、段階的に次期カードへ切り替わる方針です。

なお、カードが更新・切り替えされても12桁のマイナンバー自体は変更されず、健康保険や年金などの情報連携は引き続き維持されます。
企業においては、入社時に収集したマイナンバーを再取得する必要はなく、番号の収集・管理については従来どおりの運用で問題ありません。


マイナンバーカードの更新を怠ったら
「廃止」と誤解して更新を怠った場合、ペナルティはありませんが、有効期限が切れたカードはマイナ保険証や本人確認書類として利用できなくなります。
企業の担当者は従業員に対し、有効期限が来た際には確実に更新するよう周知しておくことが重要です。

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次期マイナンバーカードの変更点

2028年度ごろの導入が目指されている次期マイナンバーカードでは、どのような変更が予定されているのでしょうか。
デジタル庁の「次期個人番号カードタスクフォース」最終取りまとめ(案)を基に、主なポイントを整理します。


1. 券面の性別表記削除と氏名のローマ字併記
次期マイナンバーカードでは、券面から性別の表記が削除される方向で検討されています。
性別情報はICチップ内に記録され、必要な行政手続きの際にのみ参照される仕組みへと見直される予定です。
この変更は、プライバシー保護や性的マイノリティへの配慮といった観点を背景としています。

また、氏名のフリガナやローマ字表記の追加に加え、「日本国 JAPAN」の表記も検討されており、在留外国人を含めた利便性の向上が期待されています。

企業においては、採用時の本人確認で性別を券面から目視確認している場合、運用の見直しが必要になる可能性があります。


2. 暗証番号が4種類から2種類へ簡素化
現行カードでは、署名用電子証明書(6〜16桁の英数字)に加え、4桁の暗証番号が3種類あり、計4種類の暗証番号を管理する必要があります。
次期カードでは、これらを見直し、6桁以上の暗証番号と4桁の暗証番号の2種類に整理する案が検討されています。

これにより利用者の負担軽減が期待される一方、e-Taxなど暗証番号入力を伴う業務では、社内手順書や運用ルールの見直しが必要になる可能性があります。


3. 最新の暗号技術導入によるセキュリティ強化
現行カードの電子証明書はRSA 2048という暗号方式を採用していますが、将来的な計算能力の向上を踏まえ、より安全性の高い暗号方式への移行が検討されています。
次期カードでは、楕円曲線暗号などの導入が想定されており、セキュリティの強化が図られる見込みです。

また、この見直しにより、電子証明書の有効期限をカード本体と同様に長期化する方向も検討されています。
現行カードでは電子証明書が5年で更新が必要ですが、将来的には更新手続きの簡素化が期待されています。


4. スマホ搭載機能の拡大とカードレス化の推進
現在、スマートフォンを活用した本人確認や行政手続きの普及が進んでおり、物理カードを持ち歩く必要性は徐々に低下しています。
現在はAndroid端末で電子証明書の搭載が可能となっており、今後はiPhoneへの対応拡大や、運転免許証・在留カードとの一体化なども検討されています。
これにより、将来的には民間手続きや社内手続きにおいても、スマートフォンを活用した本人確認の利用範囲が広がる可能性があります。

※参考資料:デジタル庁「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス
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次期マイナンバーカード導入に伴い企業担当者が行うべき対応

ここまでの内容を踏まえ、人事労務担当者が今対応しておくべきポイントを3つに絞って整理します。


1. 従業員への正しい情報周知
最優先は、「マイナンバー制度は廃止されないこと」と「有効期限が来たら更新が必要であること」の2点を、社内メールや社内報などで伝えることです。
2026年以降に有効期限を迎える従業員には、「カード表面の有効期限を確認してください」と個別に案内すると効果的です。
また、電子証明書はカード本体とは別に5年ごとの更新が必要であるため、その期限にも注意するよう周知しておきましょう。


2. マイナ保険証未対応の従業員へのフォロー
2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新たに発行されなくなり、マイナンバーカードの保険証利用登録を前提とした「マイナ保険証」を基本とする仕組みへ移行しています。
既存の健康保険証には経過措置が設けられており、有効期限は最長で2025年12月1日までとされています。
マイナ保険証を利用していない従業員には資格確認書が交付されます。
資格確認書には有効期限があるため、必要に応じて更新状況を確認するよう周知しておくと安心です。

「どうせ廃止されるなら、マイナンバーカードを作る必要はない」と考えている従業員がいる場合には、制度の正しい内容を説明したうえで、カードの取得や利用登録を案内してください。
マイナ保険証を利用することで、過去の薬剤情報や健診結果を医療機関と共有できるなど、より適切な医療を受けられるメリットがあります。
また、スマートフォンでのマイナ保険証利用も進められているため、物理カードの携帯に抵抗がある従業員には、スマホ搭載という選択肢もあわせて案内すると効果的です。

※既存の健康保険証については、法定の経過措置は2025年12月1日で終了しています。なお、その後の運用については、保険者や医療機関ごとの取り扱いにより異なる場合があるため、最新の案内を確認することが重要です。


3. 次期カード導入(2028年度ごろ)に向けた本人確認マニュアルの準備
現時点ですぐに対応が必要なわけではありませんが、改定が必要となるポイントを把握しておくことで、切り替え時の対応を円滑に進めることができます。
押さえておくべき主な変更点は、次の2つです。

  • 券面から性別表記が削除される方向で検討されていること
  • 暗証番号が4種類から2種類へ整理される見込みであること
特に性別表記の削除は、採用時の本人確認フローに影響を及ぼす可能性があります。
性別確認が必要な場面では、住民票の写しなど他の公的書類を併用するなど、代替手段の検討を進めておくとよいでしょう。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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「廃止」という言葉だけが先行すると、従業員の間で誤解が広がり、更新の放置やカード取得の見送りといった実務上の支障につながる可能性があります。
人事労務担当者としては、有効期限に応じた更新の必要性やマイナ保険証の仕組み、次期カード導入の位置づけを正しく整理したうえで、従業員への適切な周知を行うことが重要です。
制度の正確な理解に基づき、日常の運用と将来の変更対応の双方を見据えた準備を進めていきましょう。

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