まずはデジタル化に対して抱えている課題と企業がどのように捉えているかについて見ていきましょう。
Q デジタル化を進めるために抱えている課題は何ですか?(※複数選択可)
「従業員のスキルアップ」が55%、「データの連携や統合」が51%、「予算の確保」が46%、「新しいソフトウェアの選定・導入」が42%となり、それぞれが重要な課題となっています。その他には「経営層のデジタル化に対する認識不足」「入力端末の配布」「従業員の意識と改善意欲の欠如」などがありました。
税務申告の分野では電子申告や電子納税の仕組みが整備され、企業においても税務関連業務のデジタル化が求められています。税務デジタル化のメリットを確認してできるところからデジタル化を進める企業も存在しています。
※参考記事:デジタル化で改善できる!煩雑な税務関連業務
Q 今後デジタル化(AI)で効率化できる業務は何ですか?(※複数選択可)
「経理処理」が49%、「データ分析」が38%、「給与・勤怠管理」が37%となり、定期的に発生する業務に回答が集まりました。「顧客管理」「在庫管理・受発注処理」の顧客対応の領域も注目されています。その他には「年末調整」「営業事務作業」「企画」「品質管理」など多岐に渡る回答が集まり、デジタル化に期待する業務は広範囲であることがわかりました。
Q インボイス制度への対応で課題となったことは何でしたか?(※複数選択可)
「制度に対する理解」が58%、「業務負担の拡大」が45%で大きな要因としてあがりました。「顧客や取引先との調整」「システムの導入やアップデート」が36%、「業務フローの見直し」が33%と課題が複数あったことが分かります。その他には「従業員への周知」「社内フローの増加」などがあがり、実際の業務以外にも影響があったことがわかりました。
請求処理は工程が多く日常業務でも負担が大きい業務です。デジタルインボイスを中心に技術も進歩していますので、活用しながら自社の業務を見直しや課題を解決できる場合もあるようです。
※参考記事:請求処理の課題、後回しにしていない?デジタルインボイスで効率化を!
Q あなたの会社では電子帳簿保存法の電子取引データ保存対応はどの程度進んでいますか。
「部分的に対応が完了している」が44%、「これから対応する」が30%、「完全に対応している」は15%となりました。対応のフェーズが企業により異なっていることがわかります。
電子帳簿保存法による電子取引データの保存義務化は、宥恕措置が2023(令和5)年いっぱいで終了します。今まで紙で管理していた請求書や領収書をデータで保管するとなると業務フローを大きく変更することになり、対応方法に悩んでいる事業者の皆様も少なくないようです。
※参考資料:電子帳簿保存法への対応はここがポイント!