HOME 会計処理 経理担当が知っておくべき賞与支払いの基礎知識
会計処理 2018/11/20

経理担当が知っておくべき賞与支払いの基礎知識

いよいよ年末が近づいてきました。経理担当にとっては、通常業務に加え様々なイレギュラー業務が重なり、多忙な日々が続いていきます。年末調整と並んで重要な業務と言えるのが賞与の支払いです。賞与は、単に支払えば良いというわけではなく、支払い後に社会保険の手続きとして「賞与支払届」を提出しなければなりません。今回は、知っているようで知らない賞与支払いの基礎知識についてご紹介します。

賞与とは

賞与とは、会社が社員に対して支払う特別な給料のこと。一般的にはボーナスと呼ばれています。毎月の給料のように法律上の支給義務はなく、支給されるか否かは会社の裁量ひとつです。

また、支給する時期も会社が自由に決められます。一般的なのは6月頃と12月頃の年2回の支給でしょう。特別な給料と言われるだけあって、賞与の支給は年3回以下と定められています。それ以上の支給は給与とみなされてしまうので注意が必要です。

賞与を年3回支給する会社の多くは、夏(6月頃)と冬(12月頃)に加えて決算賞与を支給する制度をとっています。決算賞与とは、会社の業績が良い年の決算月に支給される賞与のことです。利益を社員に還元することで、モチベーションを喚起します。

なお、賞与を支給する会社は、雇用の際などにその旨をきちんと明記する義務があります。これは、労働基準法第15条で定められている義務ですので、賞与を支給する会社は忘れずに明記してください。

賞与支払届の提出

賞与を支給した場合、支給日より5日以内に賞与支払届を提出しなければなりません。賞与支払届に必要な書類は、支給した社員それぞれの支払額を記載した「被保険者賞与支払届」と支払合計人数と支払合計額を記載した「被保険者賞与支払届総括表」の二つ。これらを管轄の年金事務所または事務センターに提出します。

提出する用紙は、管轄の年金事務所に資料請求することで郵送されてきます。あるいは、直接窓口に出向いて請求することも可能です。賞与支払届を提出すると、年金事務所から保険料決定通知書が送られてきますので、それを確認したうえで社員の保険料を計算します。保険料は会社と従業員で折半して負担。納付は、賞与支払月の翌月末までに通常の保険料と共に行います。

被保険者賞与支払届と被保険者賞与支払届総括表の記入方法に関しては、下記の日本年金機構のサイトが参考になります。CDやDVDなどの電子媒体で提出することも可能です。提出方法は、同様に日本年金機構のサイトを参考にしてください。

被保険者賞与支払届の記入方法(日本年金機構)
被保険者賞与支払届総括表の記入方法(日本年金機構)
電子媒体の提出方法(日本年金機構)

注意したいこと

まず、注意したいのが標準賞与額には上限があること。標準賞与額とは、税引き前の賞与の総支給額から1,000円未満を切り捨てた額のことを言います。この標準賞与額から健康保険と厚生年金の保険料率をかけた金額が、賞与にかかる保険料となります。

標準賞与額の上限は、健康保険の場合、年度の累計額が573万円。これを超えると健康保険標準賞与額累計申出書を提出する必要が生じます。厚生年金は、月当たり150万円が上限。月に2回以上支給する場合は合算した額で上限額が適用されます。

なお、賞与の支払予定月に支給が行われなかったときでも、被保険者賞与支払届総括表の提出は必要になります。その場合は、不支給という名目での提出となります。賞与支払届を未提出でいると、年金事務所から督促状が送られ、場合によっては遅れた理由を報告書として提出する必要が生じますので、賞与支払届は毎回きちんと提出しましょう。
**********

賞与支払届は、社員である被保険者にとって後の年金受給額にも関わる重要な書類であり、怠ると大きな損害となってしまいます。社員にはうれしい賞与制度でも、経理にとっては慎重な対応が必要な作業です。経理担当として、基礎知識や提出方法、注意点などをしっかり把握して、間違いのないよう任務を完遂することが重要です。

人気記事ランキング - Popular Posts -
記事カテゴリー一覧 - Categories -
タグクラウド - Tag Cloud -
セミナー情報 - Seminar Information -
関連サイト - Related Sites -