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人事/労務社会保険 最終更新日:2026/07/07

賞与支払届は5日以内の提出が必須!書き方と標準賞与額の計算方法を確認【記入例あり】

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  • 賞与支払届とは、従業員に賞与を支給した事業主が日本年金機構へ提出する書類であり、賞与にかかる社会保険料を適正に算定し、年金記録へ正しく反映するために必要である。
  • 賞与支払届は賞与支払日から5日以内に提出する必要があり、標準賞与額は税引前の総支給額から1,000円未満を切り捨てて算出する。
  • 賞与は年3回以下の支給であれば届出対象となる一方、年4回以上支給されるものは報酬として扱われるため、退職者や70歳以上の従業員、育休中の従業員の取り扱いも含めて適切な判断が必要である。

従業員に賞与を支給した場合、事業主は「賞与支払届」を日本年金機構へ提出する必要があります。
ただし、賞与支払届は年に数回しか作成しないため、記入方法や標準賞与額の計算方法に迷う担当者も少なくありません。
提出期限も賞与支払日から5日以内と短く、提出漏れや記載誤りには注意が必要です。
この記事では、賞与支払届の基本から具体的な書き方、標準賞与額の計算方法、実務上の注意点までをわかりやすく解説します。

賞与支払届とは

賞与支払届(健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届)とは、従業員に支給した賞与額を届け出て、賞与にかかる社会保険料を適正に算定するための書類です。
健康保険法および厚生年金保険法により、被保険者に賞与を支払った事業主に対して、日本年金機構への届出が義務づけられています。
賞与は将来の厚生年金額の計算基礎にもなるため、提出を怠ると従業員の年金記録に反映されず、将来受け取る年金額が本来より少なくなるおそれがあります。
提出漏れや記載誤りがないよう、適切に手続きを行うことが重要です。

※関連記事:賞与支払届とは?提出先やスケジュールなど担当者が知っておくべき基礎知識
※参考資料:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き



対象となる「賞与」の定義
社会保険上の「賞与」とは、夏季賞与や冬季賞与、決算賞与など、名称を問わず労働の対償として年3回以下の回数で支給されるものを指します。
一方、同じ性質のものが年4回以上支給される場合は「賞与」ではなく「報酬」として扱われ、毎月の標準報酬月額の算定対象になります。
また、結婚祝金や災害見舞金など、労働の対償といえない恩恵的な給付は賞与支払届の対象外です。


提出期限は賞与支払日から5日以内
賞与支払届の提出期限は、賞与を支払った日から5日以内です。
例えば7月10日に賞与を支給した場合、7月15日までに提出を済ませる必要があります。
期限が土日祝日にあたるときは、翌営業日が提出期限です。
提出先は事業所を管轄する事務センターまたは年金事務所で、提出方法は郵送・窓口持参・電子申請の3つから選べます。
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賞与支払届の書き方と記入例

ここからは、賞与支払届の具体的な書き方を確認していきます。
記入そのものは難しくありませんが、保険料計算の基になる「標準賞与額」の考え方を押さえておくと、迷わず正確に作成できます。


標準賞与額とは
標準賞与額とは、健康保険料や厚生年金保険料を計算する基礎となる金額のことで、税引前の総支給額から1,000円未満を切り捨てた金額を指します。
例えば総支給額が351,500円であれば、標準賞与額は351,000円です。
この標準賞与額に健康保険料率や厚生年金保険料率を掛けて保険料を計算し、算出された保険料は事業主と従業員が折半して負担します。

標準賞与額の上限額
標準賞与額には上限があります。
健康保険の場合は、年度(4月1日〜翌年3月31日)の累計で573万円、厚生年金保険の場合は1カ月あたり150万円が上限です。
同じ月に2回以上支給したときは合算して上限を判定します。
高額な賞与を支給する場合は、これらの上限額を踏まえて標準賞与額を確認することが重要です。


賞与支払届の入手方法
あらかじめ賞与支払予定月を日本年金機構へ届け出ている事業所には、前月に、被保険者情報が印字された賞与支払届が送付されてきます。
手元にない場合や対象者を追加したい場合は、日本年金機構の公式サイトからエクセルまたはPDF形式の様式をダウンロードすることも可能です。

※参考資料:日本年金機構「賞与を支給したとき、賞与支払予定月に賞与が不支給のとき


賞与支払届の書き方
記入する主な項目は以下の通りです。

  • 賞与支払届の提出日を記入します。
  • 日本年金機構から付与された事業所整理記号を記入します。
  • 事業所情報を記入します。
  • 賞与を支払った年月日を記入します。
  • 日本年金機構が被保険者ごとに付与する被保険者整理番号を記入します。資格取得時の通知書や算定基礎届、賞与支払届などの社会保険関係書類で確認できます。
  • 賞与を支払った従業員の氏名を記入します。
  • 該当の従業員の生年月日を、和暦コード(5:昭和、7:平成、9:令和)と生年月日を組み合わせた形式で記入します。
  • 賞与支払額は税引前の総支給額を「通貨」と「現物」に分けて記入します。
    ここには通貨として支払われた額を記入します。
  • ここには現物として支給された額を記入します。
    現物とは、自社製品や食事など、金銭以外で支給したものを金額換算したものです。
  • 通貨と現物の合計から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額を記入します。
    例えばすべて通貨支給で、総支給額が1,234,500円であれば、⑧には1,234,500円、⑩には1,234,000円と記入します。
  • ④に記載した賞与支払日と異なる場合に、実際の支払日を記入します。
  • 70歳以上の従業員に賞与を支給した場合は、個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号を記入し、備考欄の「70歳以上被用者」にチェックを入れます。

記入後は、実際の支給額や賞与支払年月日に誤りがないか必ず確認しましょう。


賞与を支給しなかった人、0円の人がいる場合
賞与支払届には、実際に賞与を支給した従業員の情報のみを記入します。
もし、賞与の支払いがなかった従業員の氏名が印字されていた場合は、その該当者欄に斜線を引きましょう。

一方、賞与支払予定月として登録している月に、従業員の誰にも賞与を支給しなかった場合は、賞与支払届ではなく「賞与不支給報告書」を提出します。
提出がないと、年金事務所側で「出し忘れ」なのか「実際に不支給だった」のかを判断できません。
不支給の場合も報告書の提出を忘れないようにしましょう。
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賞与支払届の注意点と提出後の対処法

賞与支払届の作成は年に数回しか扱わない手続きのため、判断に迷う場面が少なくありません。
実務でつまずきやすい点と、ミスに気づいたときの対処法を押さえておきましょう。


「賞与」の範囲を正しく見極める
最も間違えやすいのが「賞与」の範囲です。
賞与やボーナスでも、同じ性質のものが年4回以上支給される場合は賞与支払届の対象外となり、毎月の報酬として標準報酬月額に含めて処理します。
逆に、名称が「ボーナス」でなくても、年3回以下で労働の対償として支給されるものは対象です。
結婚祝金や見舞金といった恩恵的な給付は対象外、という線引きも併せて注意しておきましょう。


退職者・70歳以上・休職中の従業員の取り扱い
退職者・70歳以上の従業員・休業中の従業員は、通常と異なる判断が必要です。

退職者
退職者は、賞与の支給月が社会保険の資格喪失月にあたるかどうかで、保険料控除と届出の要否が変わります。
資格喪失日は退職日の翌日にあたり、社会保険料は資格喪失月の前月分まで発生します。
例えば、賞与の支給月が資格喪失月にあたる場合、その賞与は原則として社会保険料の対象とならず、賞与支払届の対象にもなりません。
ただし、入社と退職が同じ月にあるケースなど例外もあり、退職日や支給日のタイミングによって判断が分かれることもあります。
迷う場合は管轄の年金事務所に確認すると確実です。

70歳以上の従業員
70歳以上の従業員は厚生年金保険の被保険者ではありませんが、70歳以上被用者として届出の対象となります。
該当する場合は、備考欄の「70歳以上被用者」に丸をつけて提出します。

産前産後休業・育児休業中の従業員
産前産後休業・育児休業中の従業員は、要件を満たせば保険料が免除されますが、賞与支払届の提出自体は必要です。
なお、賞与にかかる保険料の免除要件は毎月の給与分とは異なり、育児休業の場合は賞与支給月の末日を含む連続1カ月超の育休取得が必要です。
詳しい要件は日本年金機構のホームページで確認することができます。

※参考資料:日本年金機構「賞与を支給したとき、賞与支払予定月に賞与が不支給のとき
日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)



提出を忘れた・間違えた場合の対処
提出期限を過ぎた後でも、届出自体は可能です。
気づいた時点で、速やかに通常通りの賞与支払届を作成して提出しましょう。
ただし、提出を放置すると保険料の請求漏れや年金記録への反映漏れにつながり、年金事務所から催告状が届くこともあるため、早めの対応が重要です。
また、提出後に金額や賞与支払年月日の記入ミスに気づいた場合は、「賞与支払届訂正届」を提出することで、内容を修正できます。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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賞与支払届は、賞与を支払った日から5日以内に提出しなければならない重要な書類です。
対象となる賞与の範囲を正しく理解し、標準賞与額を正確に計算したうえで、期限内の提出を心がけましょう。
退職者や70歳以上の従業員、産休・育休中の従業員などイレギュラーなケースは判断基準が異なるため注意が必要です。
万が一、提出を忘れたり記入ミスに気づいたりした場合も、速やかに提出・訂正すれば対応できます。
出し忘れや手作業によるミスを防ぐには、クラウド給与計算ソフトと電子申請の活用も有効な選択肢です。

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