掛け取引を行っている事業者にとって、売掛金の管理はとても重要な業務です。一般的には「得意先管理表」を作成し、得意先との日々の取引や振り込み状況を記録することが多いかと思いますが、当然、クラウド会計ソフトにもこの機能が備わっています。
今回はクラウド会計ソフトにおける「得意先管理表」の活用方法と操作について、会計ソフトのプロであるミロク情報サービスの南波彰宏課長に協力していただき、解説します。
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PROFILE
南波彰宏(なんばのりひろ)課長
株式会社ミロク情報サービス営業本部課長。その道20年のベテランで「かんたんクラウド」などのクラウド会計のプロフェッショナル。会計ソフトの販売員として店頭に立ち、数多くの顧客に対してそれぞれが抱える課題に最適なソフトを提案してきた経験から、会計ソフトに関するアドバイスを語ってもらいました。
クラウド会計ソフトの得意先管理表
得意先管理表とは、得意先ごとに売掛金の発生と回収状況、残高などを記した帳簿です。会社経営には欠かせない補助簿でもあり、ほとんどのクラウド会計ソフトがこの機能を搭載しています。では、クラウド会計ソフトでの得意先管理表とはどんなものか、ミロク情報サービスが提供している「
かんたんクラウド会計」を例に紹介していきましょう。
■得意先管理表の開き方
得意先管理表は、ホーム画面の「月次処理⇒得意先管理表」から開くことができます。月ごとに、発生した売掛金、前月の残高、回収方法別の金額などが記帳されるため、ほとんどのメーカーの会計ソフトで月次処理として分類されています。各月の記録は、上部の数字をクリックすることで確認できます。
■月別の得意先管理表の確認
仕訳から得意先管理表への記帳は全自動
手書きやMicrosoft Office Excel(以下エクセル)での売掛金管理を行う場合、取引発生時に記帳した仕訳帳などから売掛金を得意先管理表に転記するところから始まり、そこから残高などを計算していきます。当然、手間がかかるほか、ミスも発生しやすい作業です。
しかしクラウド会計ソフトの場合は、前回紹介した
仕訳入力機能と得意先管理表が連動しているので、処理した売掛金の取引先や金額が自動で得意先管理表に反映されます。そのため取引先の追加さえしてしまえば、得意先管理表を操作する必要はないのです。
新規の取引先も簡単に追加できます。
■取引先の登録方法
ステップ1:ホーム画面から「各種マスター登録・取引先登録」を選択
ステップ2:取引先コードを登録(取引先リストと被らないように注意)
ステップ3:正規名称を入力
ステップ4:採用区分の得意先をチェックし、簡略名称を入力後、更新ボタンをクリック
ステップ5:取引先リストに登録される
新しい得意先を登録できました。次に、仕訳入力を行った際、得意先管理表にどのように反映されるのか確認してみます。
■仕訳と得意先管理表の連動を確認
ステップ1:かんたん仕訳機能を使い、掛け取引の仕訳入力を行う
詳しい仕訳の入力方法はこちらの記事をご確認ください。
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ステップ2:仕訳後の画面の確認
ステップ3:得意先管理表の確認
新しい取引先と発生した売掛金が、得意先管理表に自動的に反映されました。取引が発生した4月では「当月発生」の欄に金額が記入されており、次月の5月では「前月残高」に移動しています。
得意先管理表を活用して会計を武器にする

南波課長によると、会計ソフトの利用には「申告などの義務を果たす」、「会計を武器にする」という2つの目的があると言います。得意先管理表の活用は後者に当たり、入金予定と支払予定を管理することで、経営に不可欠な資金繰りの計画を立てやすくなります。
企業の財務状況は、貸借対照表の資産と負債のバランスで判断されます。売掛金は資産勘定であるものの、現金が手元にあるわけではありません。売掛金を回収できなければ「不良債権」として、貸倒損失や貸倒引当金で処理しなければならないケースもあります。業態によっては、売掛金の回収が数カ月以上先になることもありますので、月ごとにきちんと資金余力を把握する必要があります。
こうした課題も、会計ソフトの得意先管理表を利用すれば、リアルタイムで「どこの取引先」に「どれくらいの売掛金」があるかを知ることができ、安定した経営を続けることにつながるのです。
※関連サイト:
会計ソフトがはじめてでもわかりやすい!「かんたんクラウド」
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正しく使えば有用な得意先管理表ですが、手書きやエクセルで管理するのは相当な労力がかかるものです。万が一ミスがあれば、作成自体が無意味なものになってしまいます。
簡潔な管理でリアルタイムの数字確認もできる会計ソフトの得意先管理表は、経営の大きな力になります。特に掛け取引の多い企業は、会計ソフトを利用するか否かで大きな差が出ますので、利用してみてください。
このシリーズでは、次回も会計ソフトの機能について紹介していきます。ソフト導入のきっかけ、活用のヒントに役立ててください。