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税金/節税 2022/02/22

「優良な電子帳簿」とは?改正電子帳簿保存法で過少申告加算税や青色申告特別控除額が優遇される要件を解説!

電子帳簿保存法の改正で、帳簿や書類などを電子保存する際の要件が2022年から緩和されました。さらに、「優良な電子帳簿」の要件を満たす場合には、過少申告加算税や青色申告特別控除額について優遇措置が認められています。
では、「優良な電子帳簿」とは一体なにを指すのでしょうか?この記事で確認していきましょう!

国税関係の帳簿書類を電子データで保存する

経理業務に関する多くの書類が電子化されている中、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売上帳などの帳簿書類も会計ソフトなどでデータとして作成されるケースが増えています。

■帳簿書類を電子データで保存するメリット
帳簿書類の電子データ保存には、以下のようなメリットがあります。
  • ファイリングの手間・保存場所の確保が不要
  • データをPC上で簡単に検索できるので必要な書類がすぐに見つかる
  • テレワークでの業務がスムーズになる
  • 優良な電子帳簿の場合、青色申告特別控除などに優遇措置がある

■帳簿書類を電子データで保存する場合に満たしておくべき要件
帳簿書類を電子データで保存する場合には、以下の要件を満たす必要があります。
  • 通常の業務処理期間を経過した後に入力を行った場合には、その事実を確認できる電子計算機処理システムを使用すること
  • システム関係書類などを備え付けること
  • 保存場所に、PC、プログラム、ディスプレイやマニュアルなどを備え付け、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
  • 税務調査の際、調査官の求めがあればデータのダウンロードに応じることができるようにしておくこと(後述の優良な電子帳簿の要件を満たしている場合は不要)

優良な電子帳簿の要件

ここからは、「優良な電子帳簿」について説明していきます。
令和3年税制改正により、「優良な電子帳簿」を備え付けて電子データで保存している事業者は、過少申告加算税や青色申告特別控除額について優遇措置が認められるようになりました。
「優良な電子帳簿」に必要な要件は以下の通りです。
要件 優良な電子帳簿 その他の電子帳簿
訂正・削除履歴の確保要件 ¯
相互関連性要件 ¯
関係書類等の備付け
見読可能性の確保
検索要件(検索機能の確保) ¯
税務調査強力* ¯

*国税庁等の当該職員の質問検査に基づくその国税関係帳簿に係る電磁的記録のダウンロードの求めがあるときは、これに応じる。

■優良な電子帳簿に追加される保存要件
1.訂正・削除履歴の確保要件
  • 電子データの記録事項について訂正または削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認できること
  • 電子データへの入力を、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後に行った場合には、その事実を確認できること

2.相互関連性要件
  • 電磁的記録の記録事項が、関連する他の帳簿の記録事項との間で、相互にその関連性を確認できるようにしておくこと

3.検索要件
  • 取引年月日、取引金額、取引先を条件として検索できること
  • 日付又は金額については、範囲指定して検索できること
  • 2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できること

■改正電子帳簿保存法の適用時期
上記の電子データで作成した帳簿書類をデータのまま保存する要件は、2022年1月1日から改正されています。改正後の要件を満たしているかどうか、確認するようにしましょう。

※参考資料:国税庁「優良な電子帳簿の要件チェックシート

優良な電子帳簿を適用した場合のインセンティブ

■過少申告加算税の軽減措置について
では、「優良な電子帳簿」の備付け・保存を行っている事業者についてはどのような恩恵があるのでしょうか。

その1つ目が過少申告加算税の軽減措置です。
これは、所得税・法人税または消費税に係る修正申告などがあった場合、申告漏れに課される過少申告加算税が軽減される措置です。通常は10%~15%で課される過少申告加算税の税率が5%に軽減されます。

税金の計算は複雑で、正しく計算したつもりでも、税務調査などで思わぬ申告漏れを指摘されるケースは多くあります。この場合に、本来払うべき税額に加えて課されるペナルティが過少申告加算税ですが、この利率が5%に軽減されることは、申告漏れとなった税額によっては大きなメリットといえます。

例:法人税の税務調査で申告漏れが発覚。20万円の税額を追加で納付することになった場合
電子帳簿以外の帳簿、優良な電子帳簿の要件を満たさない電子帳簿
20万円 × 10% = 2万円

優良な電子帳簿
20万円 × 5% = 1万円

ただし、隠蔽仮装行為などがあった場合には、この軽減措置の適用はありません。
また、適用を受けるためには届出書を事前に税務署へ提出する必要があります。

■青色申告特別控除額の増額
個人事業主が、「優良な電子帳簿」の備付け・保存を⾏っている場合には、所得税の⻘⾊申告特別控除額が優遇されます。
青色申告特別控除は、青色申告の承認を受けて一定の要件を満たしている場合に、所得税の控除を受けられる制度です。優良な電子帳簿で帳簿書類を保存している場合には、この控除額が通常の55万円から65万円になるため、10万円多く控除を受けることができます。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。

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電子帳簿保存法の改正で、帳簿を電子データで保存する要件も緩和されています。日々のやりとりを電子化するだけでも管理上のメリットがありますが、そのうえで、「優良な電子帳簿」の要件も満たすことができれば、万が一の場合の過少申告加算税の軽減や、青色申告特別控除額の増額など税務上のメリットもあります。今回の記事を参考に、一歩進んだ、電子帳簿の管理を実践してみてくださいね。

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