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給与/人事労務 2020/11/10

あなたは知ってた?賞与計算は給与計算とはちょっと違う!

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人事労務や給与計算を担っている場合、年末は賞与計算業務にあたるという経理担当者もいるのではないでしょうか。賞与支給の有無や支給時期は企業によって異なるものの、年末を支給のタイミングとする企業は少なくありません。賞与計算はつい、通常の給与計算と混同してしまいがちですが、適用される保険料率などが異なります。今回は、賞与計算のポイントを実際の例を挙げながら解説します。

賞与計算の手順

賞与は以下の手順で計算します。

1.賞与の支給額を決定する
まずは賞与の支給額を決定します。支給額の算定基準は各企業の就業規則に定められていることが一般的ですが、経理担当者が決定するというケースはほぼありません。ほとんどの場合、経営者や各部署の上長が決定することになります。

2.健康保険料・雇用保険料・源泉所得税の計算
賞与からは、社会保険料(健康保険・介護保険)、厚生年金保険料、雇用保険料、源泉所得税が差し引かれます。経理担当者はこれらの項目に対する会社負担分と個人負担分を計算のうえ、最終的な賞与の「手取り額」を算出します。

健康保険料・雇用保険料・源泉所得税の計算のポイント

賞与計算業務の大半を占めるのが、健康保険料、雇用保険料、源泉所得税の計算です。
例として、東京都にある事業所が、従業員のAさん(30歳、扶養家族なし)に月給30万円、賞与2カ月分として額面60万円を支給するケースについて、計算のポイントを紹介します。

■健康保険料
賞与に適用される健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の金額は、各都道府県が定める「保険料額表」をもとに算出します。まずは賞与支給額(1,000円未満切り捨て)に健康保険料と厚生年金保険料の率を掛けて保険料を出し、さらに企業が負担する半額分を計算します。

<計算例>
各保険料率を明らかにする
東京都の健康保険料率…9.87%
厚生年金保険料率…18.3%
介護保険料…無し(40歳未満のため)

支払うべき保険料を算出する
60万円×(9.87%+18.3%)=16万9,020円

被保険者が支払う金額を算出する
16万9,020円÷2=8万4,510円

被保険者が支払うべき社会保険料は8万4,510円と算出されました。残りの8万4,510円は企業が負担します。

※出典:協会けんぽ「令和2年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」

■雇用保険料
雇用保険料の計算は毎月の給与と同じです。一部業種によって例外はありますが、一般企業は賞与額に3/1000を掛けた値となります。

<計算例>
支払うべき雇用保険料を算出する
60万円×3/1000=1,800円

被保険者が支払うべき雇用保険料は1,800円と算出されました。

※出典:国税庁「令和2年度の雇用保険料率について」

■源泉所得税
源泉所得税の税率は、賞与を支払う「前月」の給与から、前月の健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料を差し引いた額で決定します。この額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」と照らし合わせることで税率を導き出すことができます。賞与支給額から先述した「健康保険料・雇用保険料」を差し引いた金額に、この税率を掛けることで源泉所得税額を算出します。

<計算例>
対象となる前月の給与額を明らかにする
前月の額面上の給与…30万円
前月の健康保険料の個人負担額…1万4,805円
前月の厚生年金保険料の個人負担額…2万7,450円
前月の雇用保険料…900円
30万円-(1万4,805円+2万7,450円+900円)=25万6,845円

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表をもとに、税率を確認する
前月の給与額が25万6,845円、扶養親族が0人のときの税率=6.126%

支払うべき源泉徴収税額を算出する
(60万円―8万4,510円―1,800円)×6.126%=3万1,468円

なお、ここまで算出した健康保険料、雇用保険料、源泉所得税を差し引くと、手取りの金額は以下のようになります。

60万円-(8万4,510円+1,800円+3万1,468円)=48万2,222円

この結果、賞与から控除すべき税額は11万7,778円。Aさんの手取り額は、48万2,222円であることが明らかになりました。

※出典:国税庁「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表(令和2年分)」

賞与計算をクラウドシステムで対応

賞与計算は順を追って行えばそこまで複雑なものではありません。しかし、多くの従業員を抱える企業の場合、ひとりずつ手作業で計算していくのは相当な労力がかかります。そこで活用すべきなのが賞与計算機能を備えたクラウドシステムです。ほとんどの場合、賞与計算機能は給与計算機能とセットになっており、賞与は給与データから二カ月分の給与金額を取得したうえで、自動的に算出されます。保険料率もリアルタイムで反映されるため、改定時に手を入れる必要もありません。ミロク情報サービスの「かんたんクラウド」でもこのような機能を使うことができます。

さらに、賞与計算後の明細作成と従業員への配布についてもシステムを使って効率化することができます。例えば、ミロク情報サービスが提供する「Edge Tracker」では、従業員が各自の端末を使ってオンライン上の明細を確認できるので、明細をわざわざ印刷して、手渡しする必要はありません。「かんたんクラウド」と「Edge Tracker」は連携できるため、「かんたんクラウド」側で計算された賞与を、「Edge Tracker」を使って確認するという流れもスムーズです。
「Edge Tracker」では、登録した給与、賞与の明細をデータとして管理しておけるので、急に確認が必要になったときでも簡単にアクセス可能です。パソコンのフォルダや書庫から該当のデータや書類を探すよりも、システムを使って管理した方が、かかる時間を大幅に減らすことができます。

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賞与計算は手順さえ覚えてしまえばそこまで難しい作業ではありません。それでも、参照するデータが多々あるなど、繁忙期の年末に対応するには、悩ましい業務なのではないでしょうか。計算作業から従業員への配布まで、一連の作業をスムーズにこなすには、システムを使うのも一つの選択です。テレワークも増えてきている昨今、どのようなやり方で対応するのが効率的か、システムの導入も含めて検討してみてください。ただし、すべてをシステムに頼りすぎると思わぬ落とし穴がある場合もあります。トラブルに見舞われた際も冷静に対処できるよう、計算の手順はしっかり覚えておくことが重要です。

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