HOME 人事/労務給与 テレワーク時代だからこそ給与明細の電子化で配布の手間とコストを削減!
人事/労務給与 2020/07/21

テレワーク時代だからこそ給与明細の電子化で配布の手間とコストを削減!

テレワークを本格導入する企業が増えるとともに、給与明細の電子化に注目が集まっています。今回は給与明細の電子化にともなう課題やメリットをご紹介します。

感染拡大防止で給与明細の配布が困難に?

東京23区内に本社を構えるB社は、北関東に3つの工場を持つ食品メーカー。本業に加えて、不動産投資や飲食店経営などにも柔軟にビジネスを広げ、堅実に業績を維持しています。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、社内の雰囲気が落ち着いてきたある日、人事課に勤めるK島さんが人事課長U田さんのところにやってきました。

K島さん「U田課長~、相談なんですけど・・・」
U田課長「どうしたの?」
K島さん「今月の給与明細、どうします?」
U田課長「あ~、そうか、そんな時期か。1カ月が速いなあ」

緊急事態宣言の発令中、B社の管理部門と営業部門ではテレワークを導入し、宣言が解除された後も交代制や輪番制でオフィスに出勤しています。

当初、テレワーク中の従業員には給与明細を郵送する予定でしたが・・・、
U田課長「当面、密な空間で人が集まる作業は控えた方が良いだろうし、今月も手渡しかな」
K島さん「わかりました。とは言え、郵送できるようになったとしても、給与明細はどうにかしたいですね。配布の準備に手間がかかりすぎますよ」
U田課長「だよね」
U田課長「そうそれ。調べたけど、明細を見るだけじゃなくて、いろいろ便利な機能があるみたいだよ」
K島さん「おおう、やっと紙の給与明細から解放されるんですね!」

手間とコストがかかり、重大なミスが起こりやすい紙の給与明細

これまでB社では、東京本社の人事課が全従業員の給与明細を印刷し、各部署や営業所、工場、店舗などに定期便で配送、各拠点の担当者が内容をチェックした上で封入し、従業員に配布していました。
U田課長「人手と、時間と、それに案外コストもかかるよな」
K島さん「印刷コストや人件費、真面目に計算すると結構かかってますよ」
U田課長「だろ?」
K島さん「それに、テレワーク導入で従業員の自宅に郵送ということになると、送料もかなりな金額になります」

U田課長「あとは、ミスの発生だな」
K島さん「あああ、その話は耳が痛いです」
U田課長「まあ、君たちがしっかりチェックしても、配布の時に担当者が間違えちゃったり、受け取った従業員本人が紛失しちゃったりね」
K島さん「紙文書からの情報漏えいって、思っている以上に多いんですよね」

U田課長「そこでだ。ウチの会社も工場や店舗以外はテレワークを導入するみたいだし、いっそ給与明細をいつでもどこでもスマートフォンで参照できるようにしようってわけ」
K島さん「なるほど」

給与明細の電子化で従業員向けサービスの利便性を高めて効率化

日本におけるスマートフォンの所有率は80%を超えると言われています。その動向を踏まえて、経費精算や勤怠管理など、従業員向けサービスをスマートフォンで提供することを検討する企業も増えてきました。

K島さん「それにしても、給与明細をスマートフォンで提供とは、ウチの会社にしては思い切りましたね」
U田課長「だって、社長や専務から工場や店舗のアルバイトまで、みんなスマートフォンを使ってるんだもの。この状況を活用しない手はないでしょう」
K島さん「たしかに、そう言われると、当然の成り行きという感じがしてきました」
U田課長「でしょ?」
K島さん「プライバシーもしっかり守れるのは、配布する側としてはホントに安心です」

U田課長「それに、給与明細以外もいろいろ電子化できるみたいなんだよね」
K島さん「賞与明細とかですか?」
U田課長「そうそう。あとは、年末調整の明細や通知書、源泉徴収票、社会保険通知書とか」
K島さん「さらっと言いましたけど、それ、トータルで見たらかなりの業務効率化とコスト削減になりますよね」
U田課長「だから、社長も総務部長も乗り気なんだよね」

紙と同じように手間やリスクのある電子メールでの給与明細配付

テレワークの導入が進むとともに注目度が高まっている給与明細の電子化。その配付方法としては、スマートフォンアプリで参照できるクラウドサービスを利用している企業が多いようです。

K島さん「給与明細書を電子データで配布するなら、電子メールに添付するんじゃダメなんですか?」
U田課長「それも考えたんだけどね、給与明細のPDFデータを作成したり、それを送信先ごとに整理して管理したり、実際にデータを添付して送信したり、思った以上に手間がかかるんだよね」
K島さん「あ~、なるほど。しかも分業とか自動化とか難しそう」
K島さん「そう考えると、手間やリスクは紙とあまり変わらないですね」

U田課長「あとは管理のしやすさかな。給与システムから明細データや従業員データを読み込んで、スマホアプリ経由で明細書を配布して、原本の請求もアプリ経由で受け付けて、利用状況をチェックする、この一連の業務を一つのシステムで運用管理できた方が効率的でしょう」
K島さん「たしかに」
K島さん「良いですね」
U田課長「クラウドサービスなら、導入もラクだしね」

平成18年の税制改正で認められた給与明細の電子化

現在、国の行政手続きを電子化・オンライン化する取り組みが促進されており、企業においても、請求書、見積書、契約書などの各種文書を電子化するケースが増え始めています。

K島さん「給与明細って税務にも関わる文書ですよね。請求書を電子化する場合はかなり厳しい要件が定められていますけど、給与明細は問題ないんですか?」
U田課長「平成18年度の税制改正で給与明細を電子データとして交付することが認められているから、基本的には問題ないよ。ただし、所得税法では、
と定められているから、この辺りはきっちり守る必要があるね」
K島さん「従業員の同意は一人一人からもらう必要があるんですか?」
U田課長「そうだね。だから、スマホアプリで給与明細を提供する場合は、アプリを使い始める前に従業員の同意を確認できる仕組みになっていることが多いみたい」
K島さん「もし同意しない人がいたら、どうします?」
U田課長「そういう人には紙で配付することになる」
U田課長「ウチの会社は、クラウドサービスを使って給与明細を電子化しようとしているからね。部分的な導入もしやすいわけ」
K島さん「ああ、なるほど。例えば、テレワークの定着している営業部門から導入するとか・・・」
U田課長「いつも従業員が現場に出ている工場や店舗では手渡しにするとか・・・」
K島さん「店舗の場合、給与明細を渡すついでに従業員と話をしたいとか、ありそうです」
U田課長「必要な分だけ柔軟に導入できるのが、クラウドサービスの良さだよね」
人気記事ランキング - Popular Posts -
記事カテゴリー一覧 - Categories -
関連サイト - Related Sites -

経理ドリブンの無料メルマガに登録