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業務全般業務効率化 2022/10/25

振込と振替の違いって?送金業務の注意点と効率化の秘策とは

仕入代金、オフィス家賃、そして社員の給与など、経理担当者は日々発生する経費を正しく処理する必要があります。仕訳や現預金管理はもちろん、これらに関する送金作業も経理の大切な仕事のひとつです。
今回は企業の代表的な送金作業である振込業務を振り返り、より効率化するための進め方や改善案をご紹介します。

  • 投稿日:2019/07/09
  • 更新日:2022/10/25

振込、振替の違い

基本的なことではありますが、改めて送金作業について確認してみましょう。
送金とは、支払いの際に現金を手渡しするのではなく、銀行や郵便局を通じて相手に代金を送ることです。
代表的な送金方法として、銀行口座を通じる「振込」や「振替」があります。そのほかにも現金を専用の封筒に入れて送る「現金書留」、小切手などが挙げられます。
振込と振替の違いは以下の通りです。

振込とは
振込とは「相手先の口座に送金する」ことであり、簡単にいえば他の銀行口座に資金を移動することを指します。
企業では、取引先が利用している金融機関の口座への送金や、自社の別支店の口座への送金の際に振込が用いられます。
振込の方法には、現金で振り込む「現金振込」、口座から振り込む「口座振込」があります。
利用できるサービスも、金融機関などの窓口、ATM、Webブラウザやアプリなどを使用したインターネットバンキングからファームバンキング(FB)まで様々です。
なお、ファームバンキングとは、企業内で銀行と同等のサービスを受けられる機能を持ったもので、銀行取引が頻繫にある企業で活用されています。従来は社内で独自の回線を通すのが一般的でしたが、電子証明書を使ってインターネットでの認証を行うサービスも増えてきました。
また、振込はコンビニの店内に設置されているATMでも対応可能ですが、基本的には現金や通帳は使用できないため、キャッシュカードのみでの振込となります。


振替とは
振替とは「同一名義の別の口座に送金する」ことであり、名義が同じである別の口座に資金を移動することを指します。
例えば普通口座から当座口座に資金を移動させたい場合などは、振替を行うことで手数料やタイムラグなしで対応することができます。
同じような言葉に「口座振替」がありますが、振替とは意味が異なります。口座振替は、主に公共料金や通信料、会費などの継続的に発生する費用について、口座振替依頼書を提出したあとで、指定した口座から自動で引き落とす決済サービスのことを指します。

手間も手数料もかかる振込業務

企業でよく使われる送金作業が振込です。仕入代金や従業員の給与など、様々な支払いの場面で振込業務が発生します。
しかし、ATMや窓口で振込を行う場合には、以下のようなデメリットがあります。

  • 担当者が銀行やATM設置場所まで直接足を運ぶ必要があるため、移動に時間がかかる
  • 時期によっては長い行列に並ぶことがある
  • 1件ごとに振込手数料がかかる
  • 振込時に以下のような点に注意する必要がある
    • ATMを利用する際は1回あたりの振込限度額を超えていないか確認する
    • 振込先を間違わないように1件1件慎重に情報を入力する
    • 印鑑や書類など、必要な持ち物が揃っているか確認する
これらは気長に行えば問題ない作業ではあるものの、他にもいろいろな業務を抱えている経理担当者が振込業務だけにそこまで時間をかけている余裕はないのではないでしょうか。
特に月末などの繁忙期は、早急に作業を終わらせたい反面、銀行も混み合います。

また、振込手数料については金融機関によって差がありますが、例えば窓口で3万円以上の振込をした場合、同一銀行の他支店宛で1件540円、他銀行宛であれば1件864円などがかかってきます。
これは1件ごとに見れば少額ではあるものの、振込件数が多くなると年間数十万円単位で差が出てきてしまいます。

振込業務効率化のためのチェックポイント

では、振込業務を効率的に行うにはどのような対応をしたらよいのでしょうか。
以下にチェックポイントをまとめてみました。

チェックポイント 確認方法
手間の見直し 振込業務にどれぐらいの作業時間がかかっているか? 担当者の勤務時間から集計する
振込業務を効率化できる部分がないか? 作業全体を洗い出し、業務の流れを整理する
コストの見直し 自社は振込手数料をいくら支払っているのか? 「振込手数料」の会計科目を分析する(月単位、取引先ごとに比較分析してみる)
振込手数料の負担を減らす余地のある取引はないか? 支払件数の多い取引先、手数料負担が多い取引先などを確認する
振込業務の手間の見直し
振込業務を見直すにあたって一番重要なのは、振込業務にどれぐらいの作業時間がかかっているのかを把握することです。
例えば、個別で担当者がいる場合にはその担当者の勤務時間を集計してみましょう。その際、他の作業と併せて振込業務対応をしている場合は、担当者に1件あたりや1カ月あたりなど、可能な範囲内で作業時間を集計してもらうとよいでしょう。
続いて、振込業務全体の流れを整理したうえで、非効率な部分がないか確認します。
例えば、窓口での振込の回数を減らすことはできないか、毎月同額の振込には自動振込サービスを利用できる余地がないか、など自社の取り組みやすいところから確認してみるとよいでしょう。


振込手数料の見直し
企業が振込を行う場合、ある程度振込手数料を支払うことは避けられません。
ただし、少しでも負担を減らすために、まずは振込手数料の金額をざっくりと確認してみましょう。
基本的には、振込手数料の会計科目を集計することで金額が出てくるはずです。
そのうえで、振込手数料の支払いが多い取引先を中心に、負担を減らす余地のある取引はないか確認します。
例えば、ある程度の支払いをまとめて行うことはできないか、状況によって先方負担にしてもらうことはできないかなど、交渉できる可能性のある対策を検討します。

とはいえ、目に見えて効果が期待できる対策を行うのは一苦労です。
そこで、次章では手間もコストも軽減できる、振込代行クラウドサービスについて紹介します。

振込代行クラウドサービスで振込業務を効率化

振込代行クラウドサービスとは、振込を一括で代行し、コストの削減や業務の効率化を促進するサービスです。
サービスの機能や内容は提供する各社によって異なりますが、ミロク情報サービスが提供している「楽たす振込」の場合は、主に以下のようなメリットがあります。

  • クラウドで場所や時間を選ばず利用できるので、担当者の手間が削減できる
  • エクセルなどの外部ファイルを活用できるため、振込情報入力の手間が削減できる
  • 振込実行前に口座情報の事前確認が行われるため、振込エラーを防止できる
  • 振込担当者の権限設定などが可能なので、セキュリティ面でも安心して利用できる
  • 利用料が振込手数料より少額で設定されているものもあるため、コストを削減できる
振込代行クラウドサービスにおける手続き面でのメリットは、言うまでもなく工数の削減です。
これまで行っていた、銀行などの窓口に足を運んだり、1件1件の口座情報を入力・確認したりするような作業はほとんど不要になります。

通常では削減しにくい振込手数料についても、利用料が振込手数料より少額で設定されているサービスを利用すれば、結果的に振込業務にかかるコストは削減されることになります。
振込代行サービスによってどれだけコスト削減できるのかイメージしにくい、という人には、振込手数料の削減見込額をシミュレーションできるサービスもあります。
楽たす振込」のサイトでも、毎月の振込件数を基準にシミュレーションを行うことができますので、確認してみてください。

なお、振込代行クラウドサービスには以下のような注意点もあります。

  • 扱いに慣れるまでにある程度の時間が必要となる
  • 情報漏洩などのリスクを考慮し、十分なセキュリティ機能が備わったサービスを利用する必要がある
  • 依頼から入金までタイムラグが生じるため、至急の振込は難しい場合がある
先述の通り、機能や内容は各サービスによって異なりますので、上記も意識したうえで使いやすいものを比較してみると安心です。
うまく活用できれば画期的な業務効率化を図れるツールの一つでもありますので、ぜひ導入を検討してみてください。
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振込業務について改めて振り返ってみると、一見単純に見える作業にも大きな手間がかかっていたことにお気づきいただけたかと思います。今一度、自社の振込業務事情を振り返り、効率が悪くないか、管理が煩雑になっていないかをチェックしてみてください。振込業務は直接金額を扱う大切な業務です。問題なくスムーズに行えるよう、積極的に改善提案をしてみてください。

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