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経営事業計画/経営計画 2017/02/23

経理部門は、会社に利益を生み出せないのか?

経理部門などのバックオフィス業務は、会社に直接的な利益をもたらすことのない間接部門とされてきました。でも、本当にそう言い切れるのでしょうか。
たとえ、間接部門の経理であっても「利益」を生み出すことはできます。
今回は、その具体的な方法をレクチャーしましょう。

経理は適切に評価するのが難しい部門

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会社組織には、大きく分けると直接部門と間接部門があります。直接部門は、利益を直接生み出す部門。
例えば、開発部は市場にマッチした売れる商品を開発する。宣伝部は、売るためのプロモーション企画を考案する。営業部は商品を売る。というようにそれぞれのミッションが直接利益につながっていきます。

一方、間接部門は直接部門がより効率的に仕事ができるようサポートしたり環境を整えたりする部門をいいます。例えば、経理、総務、人事など、バックオフィス的な業務となります。間接部門は数字で貢献度を提示できないこともあり、適切に評価するのが難しい部門となっています。

経理は本当に利益を生み出せないのでしょうか。決してそんなことはありません。経理は、組織内の各部門に働きかけることで、会社の利益に大きく貢献することができます。
会社の経営全般を見渡し、行動力を発揮できる経理こそ、社長が右腕として信頼を寄せる新しい時代の経理担当と言えます。

経理が利益を生み出す具体例を紹介

(1)低金利の資金調達
金融機関から借入れを行う場合に金利を少しでも低くすることは、経理担当の重要な役割。
資料作成を含め経理としてのスキルが問われます。調達資金をもとにビジネスを展開する際、支払い利息の軽減は利益に相当する要素と言えます。

(2)余剰金の効果的な運用
企業活動において余剰資金が発生した場合、それをいかに効率よく運用していくかも経理の手腕にかかります。
効率運用によって増やした営業外収支は利益と同じ意味を持ちます。

(3)節税
法人税・消費税などの税務負担の軽減は、経理の知見と経験によって大きな差を生みます。
経理がもたらす直接的な利益と言えるでしょう。

(4)業務効率化
IT・システムの導入などによる経理業務の効率化が進んでいます。
請求書や給与計算など、会計処理の迅速化と正確さの向上は、会社に大きな利益をもたらします。

各部門に働きかけることで利益に貢献することも

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さらに、社内の各部門に働きかけることで利益向上に貢献することもできます。
日頃から各部門と積極的にコミュニケーションを図り、気軽に提案できる関係性を構築しておくことが大切となります。

A.営業部門に売掛金回収状況を提示
営業部門は売上と粗利益を優先するあまり、売掛金の回収を見落としがちです。
得意先からの手形ジャンプで慌てて売掛金残高を調べたら大きく膨らんでいた、ということのないよう日頃から回収状況を営業部にフィードバックするようにしましょう。
売上と粗利益に売掛金回収を営業マンの評価項目に加えるよう会社に進言するのもいいでしょう。

B.製造部門のコストダウンを支援
製品の低コストを維持するには原価管理が欠かせません。
しかし、損益計算書上の売上原価の売上対比だけでは、思わぬ原価率上昇の原因がつかめないケースがあります。
経費率や外注費の前年比を明確に提示するなど、原価率上昇の原因究明をサポートすることで利益改善に貢献できます。

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このように、間接部門といえども経理が利益を生み出す方法は数多くあるものです。
大切なのは、間接部門と割り切るのではなく、利益を生み出すという意識をもって日々の業務にあたること。
それが企業内の経理部門の存在価値を高める近道です。会社に求められる経理マンになるために、今日から始めましょう。
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