HOME 会計処理 年末年始に増える交際費の仕訳を解説。経費で落とすポイントとは
会計処理 2019/01/22

年末年始に増える交際費の仕訳を解説。経費で落とすポイントとは

忘年会に新年会、お歳暮、年賀状。年末年始のシーズンは、1年の中で特に交際費の支出が増える時期ではないでしょうか。交際費は税務調査の重要な調査対象項目の1つなので、特に仕訳ミスには注意しないといけません。ただ、交際費の基準は一見すると分かりにくく、経験のある経理担当者でも間違って仕訳してしまうケースもあります。そこで今回は、年末年始のシーズンにありがちな事例とともに交際費として計上するポイントを解説します。

交際費の原則

税務上の交際費とは、「交際費、接待費、その他の費用で得意先・仕入れ先その他事業に関係ある者に対して、接待、供応、慰安、贈答その他これに類する行為のために支出するもの」と定められています。
つまり、取引先相手に飲み会を催すほか、お歳暮を贈り親睦を深めることで「受注につなげられる」と説明できるのであれば、交際費として経費計上できるという原則があるのです。
ただ、これにはいくつかの条件があります。以下でご紹介しましょう。

交際費の上限
中小企業は年間800万円までを交際費として、全額経費で落とすことが可能です。それ以上は経費として認められません。例えば、年間で交際費を1000万円負担した場合、差額の200万円は経費で落とせなくなってしまいます。
また、大企業の場合は中小企業よりも厳しい条件が設定されており、経費として計上されるのは「社外関係者との飲食代のうち50%」のみとなっています。

ケース別、交際費に計上される費用、されない費用

実際に年末年始にありがちなシーンを例に、交際費に計上される費用、されない費用について解説していきましょう。

取引先との忘年会、新年会の飲食代
前述した通り、基本的に取引先との忘年会や新年会は交際費と認められます。取引先とは受発注先の相手だけではありません。グループ会社間の新年会で、親会社、子会社などの役員も接待する相手は取引先とみなされます。
そのような場合は、年間で交際費が800万円を超えない限り、経理担当者は交際費として処理しても問題ないでしょう。
また、交際費が年間800万円を超す場合でも忘年会・新年会の参加者1人当たりの飲食代を5000円以下とすることで、会議費として計上し、経費で落とせるケースもあります。

経理担当のポイント
忘年会や新年会を主催する際は、事前にこれまでの交際費を計算しておきましょう。また、会議費として計上する場合は、「業務をおこなう上で必要な場だったか」ということを証明するために「飲食費があった年月日」、「参加した得意先の氏名・名称と関係、参加した者の数」、「費用の金額、飲食店の名前・所在地」、「その他参考事項」を記載した議事録を作成することおすすめします。

社内の新年会
社員同士で忘年会・新年会を開く会社も多いでしょう。社内などの飲み会は、交際費として認められていませんが、条件によっては「福利厚生費」として経費で落とすことができる場合もあります。福利厚生費は全社員に公平に支給するのが原則のため、必ず関係者全員に告知するようにしましょう。営業所などの拠点や部署ごとの忘年会・新年会でも構いません。

経理担当のポイント
忘年会・新年会の案内書類を残すなど、平等に案内した証拠を残しておきましょう。

取引先主催の忘年会・新年会に出席するための交通費
取引先を接待する目的で催した忘年会・新年会のお店に行くまでのタクシー代は、交際費に含まれます。また、お店から帰るときのタクシー代も同じように交際費になります。取引先の出席者も同様です。
ただし、取引先主催の忘年会に出席するために会場まで乗り付けたタクシー代は、交際費として仕訳ることはできません。交通費として処理されます。

経理担当のポイント
自社の出席者には、必ずタクシー代の領収書をもらっておくことと、取引先の出席者にタクシー代として現金を手渡さないように事前に伝えておきましょう。いずれも交際費に計上できないリスクを下げる目的があります。

お歳暮の費用
取引先や得意先にお歳暮を贈る会社はたくさんあるでしょう。お歳暮やお中元は、交際費として計上することが可能です。そのほか、新年の挨拶に持参することも多い手土産も交際費として落とすことができます。

経理担当のポイント
総務の担当者からお歳暮のリストなどを入手しておき、税務調査時に領収書と合わせて提示できるようにしておきましょう。

社名・ロゴが入ったカレンダーなど
社名やロゴ、各拠点などが印字されたカレンダーを配布する会社もあるかと思いますが、この場合は交際費としては認められていません。自社手帳や年賀タオルも同様に、取引先に一斉に配布するようなものは「広告宣伝費」として仕訳すべきです。

経理担当のポイント
取引先への年末年始のご挨拶として、カレンダーなどの配布物を渡すことが恒例となっている会社も多いと思います。事前に何を配るかをチェックし、広告宣伝費なのか、交際費なのかを明確にしておきましょう。

年賀状
一般的な年賀状は「ハガキ」扱いのため、交際費ではなく通信費に仕訳られます。大量に印刷して配布する場合でも、極端に金額が大きくなるケースを除き、通信費として計上して問題ありません。ただし、年始セールの告知など広告色の強い年賀状は、広告宣伝費として計上されるので注意が必要です。

経理担当のポイント
前述のカレンダーと同様、自社が配る毎年の年賀状の大まかなレイアウトを把握しておきましょう。
**********

経営者や営業などから「交際費で落として」と言われるままに処理してしまうと、税務調査時に十分に説明できないケースもあります。領収書を残すだけでは、十分な証拠となり得ない場合もあるので、稟議書を残すなど確実な会計処理ができるよう経理担当者は気を付ける必要があるでしょう。
それを防ぐには、経理担当者として「会社の業務のために忘年会・新年会を開くこと」、「プライベート費用でないことを示すメモを残す」などを出席者に徹底するよう意識させることが重要です。

人気記事ランキング - Popular Posts -
記事カテゴリー一覧 - Categories -
タグクラウド - Tag Cloud -
セミナー情報 - Seminar Information -
関連サイト - Related Sites -