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会計処理 2019/09/03

ざっくり分かる会計用語!簡単解説「繰延資産」

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本来、支出した際に処理すべき費用でありながら、一定期間にわたる償却が認められている資産のことを繰延資産といいます。この繰延資産は「会社法」、「税法」という二つの法律で定められているのを知っていますか?
今回は繰延資産の概要と処理について解説します。できる経理には必須の知識ですので、覚えておきましょう。

繰延資産の活用法

長期的に収益を生むと予想される費用を資産として計上し、一定の期間をかけて償却するのが繰延資産です。これによって費用が発生した時点での支出を減らすことができるため、開発費や開業費を繰延資産とした場合、多くの企業が直面する資金繰りのハードルを下げることができます。
では、どのような資産が繰延資産と認められるのでしょうか。これについては「会社法」と「税法」でそれぞれ定義されています。

会社法での繰延資産

会社法では、新規事業の立ち上げや会社設立にかかる費用を繰越資産として計上し、各償却期間内に均等償却することが一般的です。ただし一部の費用については、均等償却だけでなく、償却期間内に各事業者が自由に決めた金額を償却できる「任意償却」が認められています。例えば開発費を繰延資産とした場合、経営が安定し、利益が出た際に任意で処理する、ということも可能なのです。
会社法上では、以下の5つの費用が「繰延資産」として認められています。

■創立費
会社の設立に必要な諸費用
  • 事務所の賃借料
  • 登録免許税
  • 金融機関への取引手数料
  • 定款や諸規則など作成費 など
償却期間:5年以内

■開業費
会社設立から事業開始までに必要な諸費用
  • 打ち合わせに使った会議室のレンタル料
  • 名刺、チラシなどの広告費 など
償却期間:5年以内

■社債発行費
社債を発行するために必要な費用
  • 金融機関への取引手数料
  • 社債券などの印刷費
  • 社債の登記の登録税 など
償却期間:社債の償還期限内

■株式交付費
株式発行に関わる費用
  • 証券会社の取扱手数料
  • 株式募集にかかる広告費
  • 株券などの印刷費 など
償却期間:3年以内

■開発費
市場の開拓や技術革新に必要な費用
※「研究費開発費に係る会計基準」が適用される研究開発費は非対象
  • 企画調査費
  • 市場調査費
  • コンサルタント料 など
償却期間:5年以内

税法での繰延資産

税法上の繰延資産は、費用のうち「支出の効果が1年以上に及ぶもの」とされています。具体例は以下の通りです。

■役務提供にかかる権利金
役務提供を受けた際に発生する費用
  • フランチャイズの加盟金
  • ノウハウの提供料 など
償却期間:5年以内

■広告宣伝のための資産贈与費
メーカーが小売店や特約店などの店頭で自社商品をPRしてもらうために提供するものの費用
  • のぼり
  • ショーケース
  • 看板 など
償却期間:贈与した資産の耐用年数×10分の1(ただし、耐用年数が5年を超える場合は、償却期間も5年)

■建物の賃借にかかる権利金
事務所やオフィスを借りる際に発生する礼金(「保証金」や「敷金」は含まれない)
償却期間:基本的に5年(例外もあり)
※資産の貸借にかかる権利金の例外のケース
  • 建物の耐用年数の10分の7に相当する年数
    新築の建物に支払った権利金が建物の貸借部分の建設費の大部分を占めていること。加えてその建物が存続する間は、貸借できる状況であると認められた場合。
  • 建物の貸借後の見積残存耐用年数の10分の7に相当する年数
    中古の建物など(1)以外の権利金などで、契約や慣習により明渡しに際して借地権として転売できることになっている場合

■公共物に支出する費用
改修、設置の費用を負担することで、自社に便益が生まれる公共設備に支出する費用
  • 自社に面する道路
  • アーケードの看板の補修 など
償却期間:


税法上の繰延資産は均等償却のみ認められています。各月に償却すべき金額は以下のように計算します。

繰延資産の額 × 当期の月数 ÷ 償却期間の月数

なお、支出額が20万円の場合は全額を損金として計上し、一括で支払うことができます。
**********

会社法と税法上の繰越資産について解説しました。一般的な中小企業では、各月の利益の増減にあわせて償却可能な会社法の繰越資産を使うことが多いでしょう。一方で税法上の繰越資産は適用される範囲や償却期間の上限、損金算入などの複雑な項目があるので、うまく活用するには税理士などの専門家への相談が必要です。それぞれの特徴をうまく捉えて、自社の利益に繋げられるよう検討してみてください。

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