対象となる法人は、内国法人のうち事業年度開始時において資本金の額等が1億円を超える法人、相互会社、投資法人及び特定目的会社です。確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書とそれらに添付すべき書類のすべてが対象書類となります。
適用日は、2020年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から。電子申告義務化の対象企業となった場合、所轄税務署長に対して対象法人である旨の届出書を提出する必要があります。対象法人でありながら電子申告を行わずに書面で提出した場合、その申告書は無効となり、無申告加算税の対象となります。
ただし、災害などの理由でインターネット回線が使えず、法定申告期限までに申告書の提出が困難な場合は、所轄税務署長の承認を得た上で、書面での申告が認められます。なお、所轄税務署長の承認を得るには事前に申請書を提出する必要があります。
※詳細は国税庁の案内資料を参照してください
業務全般制度改正 2018/10/09
2020年「大法人の電子申告義務化」のポイントとは
2018年の税制改正において、2020年4月より大企業の法人税、地方法人税、消費税、地方消費税の電子申告が義務化されることになりました。電子申告は中小企業で導入が進む一方、大企業では今ひとつ進んでいないという実態があります。今回の義務化によって何が変わるのか。どんなメリットがあるのか。電子申告導入のポイントについて解説します。
電子申告義務化の概要
電子申告の負担を軽減
今回の電子申告義務化は提出書類の簡素化やデータ形式の柔軟化も見られ、対象企業への配慮がうかがわれます。例えば、勘定科目の記載件数が100件を越える場合は記載内容が簡素化され、PDFで送信された添付書類の紙原本の保存も不要になります。分量が多く提出の必要性が疑問視されていた土地収用証明書の添付も同様に不要となりました。
データ形式に関しても、法人税申告書別表、財務諸表、勘定科目内明細書については、エクセルベースのCSVが認められます。また、電子申告の送信容量も拡大、容量を超えた場合は光ディスクなどによる提出も可能となり、利便性が向上しました。
また、これまで電子申告の障壁となっていた認証手続きも簡略化されています。法人税及び地方法人税の申告書における経理責任者の電子署名が不要になり、法人の代表者から委任を受けた当該法人の役員や社員による電子署名も認められるなど、簡易化が進んでいます。
データ形式に関しても、法人税申告書別表、財務諸表、勘定科目内明細書については、エクセルベースのCSVが認められます。また、電子申告の送信容量も拡大、容量を超えた場合は光ディスクなどによる提出も可能となり、利便性が向上しました。
また、これまで電子申告の障壁となっていた認証手続きも簡略化されています。法人税及び地方法人税の申告書における経理責任者の電子署名が不要になり、法人の代表者から委任を受けた当該法人の役員や社員による電子署名も認められるなど、簡易化が進んでいます。
なぜ、大法人を対象に義務化されたのか
今回の改正の対象は、先述したように資本金1億円を超える企業です。日本経済新聞の記事によると、電子申告の利用は2016年度のデータで79%となっていますが、大法人に限ると59%にとどまっています。同紙によると、大法人の電子申告が進まない理由は、大きな会社ほど独自の経理・会計システムを構築しているためとしています。
さらに、社内の承認プロセスを変更するのが困難な点もあげられるのではないでしょうか。例えば、電子申告では電子証明書の署名が必要となります。これまで捺印によって承認を得ていた手続きの流れを変更しなくてはなりません。さらに、電子署名のルールや社内規定づくりが発生し、これをどこの部が先導するのか、電子証明書の管理はどうするのか。承認プロセスの再構築は、大法人にとって大きな壁となっているようです。
こうした大法人の事情を配慮し、電子申告の負担を軽減する様々な措置がとられたのは先述した通りです。国としては、電子申告推進の足枷になっている大法人の電子化を義務化することで、一気に普及を促進する狙いがあります。そこには、粉飾決算などの不正や間違いを防ぎ、申告の透明化を図りたいという思惑が透けて見えます。
さらに、社内の承認プロセスを変更するのが困難な点もあげられるのではないでしょうか。例えば、電子申告では電子証明書の署名が必要となります。これまで捺印によって承認を得ていた手続きの流れを変更しなくてはなりません。さらに、電子署名のルールや社内規定づくりが発生し、これをどこの部が先導するのか、電子証明書の管理はどうするのか。承認プロセスの再構築は、大法人にとって大きな壁となっているようです。
こうした大法人の事情を配慮し、電子申告の負担を軽減する様々な措置がとられたのは先述した通りです。国としては、電子申告推進の足枷になっている大法人の電子化を義務化することで、一気に普及を促進する狙いがあります。そこには、粉飾決算などの不正や間違いを防ぎ、申告の透明化を図りたいという思惑が透けて見えます。
電子申告のメリット
電子申告が定着すると、企業にもたらされるメリットも多数あります。特に、全国に多数の支店がある会社や多店舗を展開するチェーン店などは、大幅な効率化の実現が予想されます。このような企業は、自治体ごとに地方法人税の申告が必要なため、膨大な数の印刷、押印、自署押印など、実務担当者に大きな負担を与えていました。しかし電子申告にすれば提出先が一元化できる上、税務署に行く必要もなく、郵送の手間も省けます。新規出店が相次ぐ成長企業にとっても、煩雑を極める店舗ごとの集計を電子化して申告書へ連動することで、さらなる効率化が期待できます。
また、デザイナー、カメラマン、ライターなど個人事業主に多くの仕事を発注している出版社や広告代理店なども電子申告のメリットを実感しやすい業種といえます。これらの業種は、毎月、細かな発注と支払い業務が重なり、毎年支払調書の発行が不可欠です。売上が伸び業務が拡大するほどに発注先が増え、細かな処理の負荷も増大していきますが、電子申告はこのような課題を一気に解消してくれる可能性を秘めているのです。
※関連リンク:電子申告もMJS!「電子申告対応」全力サポート宣言!
また、デザイナー、カメラマン、ライターなど個人事業主に多くの仕事を発注している出版社や広告代理店なども電子申告のメリットを実感しやすい業種といえます。これらの業種は、毎月、細かな発注と支払い業務が重なり、毎年支払調書の発行が不可欠です。売上が伸び業務が拡大するほどに発注先が増え、細かな処理の負荷も増大していきますが、電子申告はこのような課題を一気に解消してくれる可能性を秘めているのです。
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