客観的な評価基準に基づいて人事評価を行うために、Excelで人事評価シートを作って運用している企業が多い一方で、誤入力の多発や進捗の分かりにくさなど、その運用にはさまざまな問題があります。それらを解決するための人事評価業務のシステム化についてご紹介します。
ますます公平性が求められる人事評価
2020年4月1日から施行された「同一労働同一賃金制度」により、あらゆる企業が人事評価の抜本的な見直しを迫られています。「同じ仕事をしているのなら同じ賃金が支払われるべきである」という考え方に基づくこの制度を実現するためには、雇用形態の違いに関わらず、能力や成果などによって従業員一人ひとりの価値を正しく評価できる仕組みが必要です。
このような状況の中で、ただでさえ時間と手間のかかる人事評価業務を効率的に行うためには、人事評価システムの導入が不可欠と言えるでしょう。
しかし実際には、多くの企業が人事評価のシステム化をあきらめてしまっています。大きな理由としては、
- 企業ごとに独自性のある評価制度に合ったシステムがない
- 組織改編や人事異動などの変化に柔軟に対応できない
などを挙げることができます。
そのため、各社独自の評価基準や理念を柔軟に反映させやすいExcelなどの表計算ソフトで人事評価シートを作成・運用するケースが一般的となっているのです。
Excelによる評価シート運用の問題点とは?
とは言え、Excelによる人事評価シートの運用は、その自由度や柔軟性と引き換えにさまざまな問題を抱えていることも事実です。
例えば、下記のような問題に悩まされたことはないでしょうか?
- 関数の設定ミスや改変、誤入力の頻発で業務に支障が出る
- 人事評価の進捗が把握できない
- 評価データを人事給与システムに再入力しなければならない
- レポートや集計表の作成に時間がかかる
- 担当者によって人事評価の基準にバラつきが出てしまう
このような問題や悩みを解消するため、Excelと業務システム、それぞれの長所を掛け合わせた人事評価システムも登場しています。それでは、人事評価システムの選定にあたって、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。
人事評価システムの導入で押さえておきたい4つのポイント
【1】Excelのような機能とインターフェース
長年、Excelで評価シートを運用していたのに、まったく新しいユーザーインターフェースに切り替わるのは混乱の元。表計算ソフトと同様の機能とインターフェースを備えていることが重要です。見た目や操作性はもちろんのこと、企業ごとに独自性のある評価基準を柔軟に盛り込めるテーブル設計や関数設定の自由度も重要です。
【2】評価の進捗状況を一元管理できること
評価担当者とExcelファイルをやりとりする運用では、評価の進捗状況が把握しづらいという難点があります。評価シートの配布から、目標・評価の入力、承認、回収まで、人事評価のワークフローを容易に設定できること、そして人事評価の進捗状況を一元管理して速やかに確認できることが重要です。
【3】人事・給与システムとのデータ連携
人事評価システムを人事・給与システムなどとデータ連携させることで、人事評価のデータを再入力することによる業務負荷を最小化し、誤入力のリスクを減らすことができます。
【4】人事評価データの蓄積・共有・分析ができること
人事評価のデータを蓄積・共有し、データ分析できるようになっていることが重要です。これによって、査定会議や経営会議で使用するレポートや集計表の作成が容易になるほか、客観的なデータ分析を踏まえて人事評価を行うことで、評価のバラつきを解消することにも役立ちます。
Excelを使って人事評価を運用してきた企業であれば、その評価シートや過去のデータをシステムに取り込んで有効活用できるかどうかも、チェックしておきましょう。
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人事評価業務をシステム化することは、単なる業務効率化ではありません。ノンコア業務を減らして人事部門のコア業務に注力することで、人事評価を通していかに従業員のモチベーションを上げていくかを策定し、経営部門の意思決定に役立つレポートを作成・提出することが可能になります。同一労働同一賃金にともなって人事評価の見直しが求められる今こそ、システム化の好機と言えるでしょう。MJSでは、Excelライクなユーザーインターフェースで人事評価・目標管理を統合管理できるシステムをラインナップしています。この機会にぜひともご検討ください。