■所得の種類
- 利子所得:銀行預金などの利子
- 配当所得:株の配当金
- 不動産所得:土地や建物を貸して得られる所得
- 事業所得:事業を通して得られる所得
- 給与所得:会社からもらう給与やボーナス
- 退職所得:退職金
- 山林所得:山や木を売った時の所得
- 譲渡所得:資産の譲渡による所得
- 一時所得:懸賞や競馬の払戻金
- 雑所得:上記以外の所得
多くの個人事業主の収入は「4.事業所得」に該当します。この事業所得は、事業で得た1年間の総収入から経費を引いて算出します。 所得税を算出するためには、これらの所得をすべて合算し、そこから所得控除を差し引き課税所得額を計算します。
■所得控除の種類
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
所得控除は各家庭の状況によって異なっており、扶養家族の人数や医療費が1年間でいくら必要になったかによって変動します。 上記所得控除に加えて、「基礎控除」と呼ばれる全員が適応される控除もあります。こちらは個人の所得額に応じて控除額が決まります。
■基礎控除額
個人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
※出典:国税庁「所得税のしくみ」
1年間の総所得から所得控除(基礎控除+その他の所得控除)を引いて算出された課税所得に所得税率をかけ、控除額を引いた金額が所得税額となります。所得税の税率は以下の通りです。
■所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
※出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
なお、2013年度から復興特別所得税と呼ばれる税金が所得税にプラスされています。復興特別所得税の計算式は所得税額×2.1%です。
所得税額を算出したら、そこから税額控除を引いていきます。税額控除には住宅ローン控除やふるさと納税などがあります。
さらに確定申告をする際に青色申告を行えば青色申告特別控除と呼ばれる65万円の税額控除もついてきます。個人事業主の所得税はこのようにして算出されます。
■処理の注意点
青色申告で65万円の税額控除を受けるためには、下記のうちどちらかの要件を満たしている必要があります。
- 電子帳簿保存法により帳簿書類を保存している
- e-Taxにより確定申告をしている
青色申告をすれば無条件に65万円の控除が受けられるわけではないので注意しましょう。
※参考:国税庁「No.2072 青色申告特別控除」