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税金/節税 2020/10/13

節税対策の超基本「会計」と「税務」の違いとは

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普段、何気なく使っている「収益」や「益金」などという言葉ですが、どのような違いがあるかはご存知でしょうか。どちらも似た意味合いを持っている単語ですが、実は「会計」と「税務」における違いと関連しています。この違いを混同してしまうと、決算書の作成や税金の申告時に思わぬミスをしてしまう可能性があります。 今回は、基本的な会計と税務の違いを整理し、注意すべきポイントを解説します。

会計とは

会計は、会社の経営成績や財政状況をまとめた「決算書」ならびに「財務諸表」の作成を目的とするものです。決算書や財務諸表は、会社の経営状況の実態を明らかにし、経営方針の判断材料にするものであり、実際の取引に応じて計算されます。会計上では、「収益」から「費用(経費)」を差し引いた分が「利益」になります。

収益-費用(損失)=会計上の利益

税務とは

会計が決算書、財務諸表の作成を目的にしているのに対し、税務は会社が納めるべき税金を算出した「法人税の申告書」を作成することを目的としています。 税務では、課税の対象になる収益は「益金」、費用は「損金」と称されます。会計上の利益は税務では「所得」となり、益金から損金を差し引くことで導き出すことができます。

益金-損金=税務上の所得(法人)

会計と税務の違い

会計上の利益と税務上の所得における算出方法は似ているものの、収益と益金、費用と損金に該当する項目は必ずしも一致するわけではありません。例えば、「費用に該当するが損金には含まれない」といったケースも珍しくなく、最終的に利益と所得にも差が生まれてしまう場合もあります。

分類 用語 内容
会計 利益 収益から費用・損失を差し引いた金額。営業利益など計5種類ある。
収益 売上高など、事業活動で生じた資産増加を指す金額。営業収益など計3種類ある。
費用・損失 生産活動などによって支払った金額。
税務 所得 利益のうち、課税対象となる「益金」から控除の対象となる「損金」を差し引いた金額。
益金 課税の基準となる会社の収益のうち、法人税法による「別段の定め」があるものを調整した金額。
損金 課税の基準となる会社の費用のうち、法人税法による「別段の定め」があるものを調整した金額。

一般的には「収益を減らす」もしくは「経費(費用)を増やす」ことが節税につながると考えられることも多いですが、正しい言い方は「益金を減らして損金を増やす」ということになります。このような認識の違いを明らかにすることが、会計と税務を正しく理解するうえで重要なポイントになります。

注意すべき費用と損金

では、どのような場合に費用と損金の扱いが異なるのでしょうか。以下にまとめました。

■役員報酬
取締役や監査役に支払われる役員報酬は、会計上は費用として計上できますが、税務においては原則、損金に加えることはできません。ただし、一定期間決まった額を支払う「定期同額給与」や、役員のボーナスとして事前に税務署に届け出をした「事前確定届出給与」などの場合は、損金算入することもできます。

■減価償却費
会計上の減価償却は原則、使用年数によって経費を計上するため、減価償却資産を取得した時点で会社が償却期間を決められます。一方、税務上での減価償却費は、償却資産の種類や用途などによって「法定耐用年数」が決められています。そのため、両者に差が出てしまうことがあるのです。

※参考リンク:藤枝市「減価償却資産の耐用年数表」

■引当金
引当金とは、いずれ発生するであろう費用や損失に備えてあらかじめ準備しておく金額のことで、以下の条件を満たしているものです。
  • 将来的に発生の可能性が高い費用・損失)
  • 計上の時点で、原因が発生している費用・損失
  • 金額が合理的に見積れる費用・損失

代表的な引当金
  • 賞与引当金
  • 売上割戻引当金
  • 退職給付引当金
  • 修繕引当金
  • 貸倒引当金
  • 損害補償損失引当金
  • 返品調整引当金

引当金には上記以外にも様々な種類があり、いずれも会計上は損失として計上できるのですが、税務上の損金として認められるものは「貸倒引当金」のみです。さらに、貸倒引当金についても会社の規模によって算入できる金額が変わるほか、場合によっては認められないということもあります。

関連記事:決算前に知っておきたい。引当金の仕訳ポイントは目的に合わせた計上
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会計と税務の違いについて解説しました。両者について、曖昧な認識だったという人もいたのではないでしょうか。今、扱っているものが「費用」なのか「損金」なのかなど、会計や税務での扱い方を明確にして業務を行うことで、経営や節税の計画が頭の中で組み立てやすくなります。似た性質を持つ単語だからこそ、日常的に意識して使用することが正確な処理をするためのポイントとなります。

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