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決算/確定申告 2019/04/09

勝負の2カ月間!中小企業の決算業務のフローとその内容とは!

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国税庁の調査によると、2017年度時点で3月を決算期に設定している企業は511,904社となっており、全企業数の20%を占めています。該当の企業は決算から2カ月以内に決算書を作成しなければならないので、4月、5月はついピリピリしてしまう経理担当者も多いのではないでしょうか。特に中小企業の経理担当者は、普段の業務量も多く、内容も幅広いのでなおさらのことでしょう。できるだけ業務効率化を図ってスムーズに決算期を乗り越えるためには、業務そのものの全体像を把握し直すのが効果的です。そこで今回は決算から2カ月間で行う決算業務のフローと内容について解説していきます。

なぜ決算書は2カ月以内に作成しなければならないのか

そもそもなぜ、決算書は2カ月以内に作成しなければならないのでしょうか。その理由は、法人税の申告期限と深く関わっています。
法人税とは会社の利益に対して課される税金のことで、納税の際には決算書とともに、それを元に作成する決算申告書などの資料を提出しなければなりません。また、法人税の申告期限は「決算日の2カ月後」と定められており、申告書一式の提出が遅れてしまうと「無申告加算税(罰金)」と「延滞税」を支払わなければならなくなってしまうのです。
つまり3月31日を決算日に設定している企業は、遅くとも5月31日までには申告書一式を作成し、提出する必要があります。

法人税の申告期限の延長
法人税の申告期限の原則は決算日から2カ月ですが、特例として3カ月以内ならば申告期限を延長させることが可能な場合があります。適用される条件は以下の通りです。

  • 会計監査人(会計士や監査法人)による監査を実施している
  • 株主総会を期末から3カ月以内に開催する定めがある
  • 災害などにより、申告できない状況にある

会計監査が義務化されている上場企業は1、中小企業は2の理由で申告期限を遅らせることが多々あります。ただし、特例で申告期限を遅らせることはできても、法人税の納付期限は「決算日から2カ月後」で変わりません。延長する場合は、申告に先立って法人税を納める「見込納付」を行う必要があり、仮に不足した場合は利子税を支払わなければならないので注意が必要です。

中小企業の決算業務と作成する書類

中小企業では、大手上場企業の決算業務と違い、給与計算や人事総務の業務など幅広い範囲の内容を網羅する必要があります。その一方で「監査法人の対応」や「年次報告書、有価証券報告書の作成」といった、より専門的な分野の対応は必要ないというケースも多くあります。
こういったことを踏まえながら、中小企業の決算業務のフローと作成書類についてご紹介します。

資料作成の準備

3月決算の企業の場合、4月は5月に行う資料作成の準備期間になります。この準備が早く終われば終わるほど、本格的な書類の作成に充てられる時間も増えるので、なるべく早めに取り掛かるのがよいでしょう。

受取領収書綴りの作成と確認
仕入先からの領収書やその他経費で使った領収書を「仕入先・月ごと」にそれぞれひとつにまとめたものを「受取領収書綴り」といいます。ファイルやノートなど、まとめ方に規定はありませんが、7年間の保管義務があり、税務調査時の調査対象にもなるので必ず確認しやすいように作成しましょう。
1年分のバラバラの領収書をまとめるのは非常に時間がかかるため、普段からこまめに整理しておくことをおすすめします。

棚卸資産の確認など、必要な情報の取りまとめ
棚卸資産や未払い・未収金の確認など、決算書の作成に必要な情報を取りまとめます。いずれも商品数や取引先が多い会社ほど時間と労力がかかるので、あらかじめ管理ソフトを導入するなどの対策をしておく必要があるでしょう。
また、決算報告書を提出するときに入出金の証拠として「通帳のコピー」を求められるケースもあるので、こちらも4月中に行っておくと安心です。

決算書、税務申告書の作成

準備が終わったら、いよいよ決算報告書に必要な書類の作成を始めましょう。
まずは決算整理仕訳を行い、見越し処理や繰り延べ処理、減価償却費の計上などを行います。
その後、決算書である「損益計算書(P/L)」、「貸借対照表(B/S)」、「個別注記表」、「勘定科目内訳明細書」を作成します。 それぞれの決算書を確認したのち、各税務申告書の作成に取り掛かりましょう。

税務申告書一覧
  • 法人税申告書
  • 消費税申告書
  • 地方税申告書(法人住民税・法人事業税)

税金を納付した後、決算書と申告書を決算報告書としてまとめれば、決算業務は完了となります。 再度流れを確認してみましょう。

4~5月の決算報告書作成までの流れ
  • 受取領収書綴りの作成・確認
  • 必要な情報の取りまとめ
  • 通帳のコピーの作成
  • 決算仕訳の実施
  • 決算書の作成
    • 損益計算書
    • 貸借対照表
    • 個別注記表
    • 勘定科目内訳明細書
  • 各申告書の作成
    • 法人税申告書
    • 消費税申告書
    • 地方税申告書(法人住民税・法人事業税)
  • 税金を納付
  • 5、6をまとめて決算報告書を作成

決算業務で作成する書類は大変多いことがお分かりいただけたかと思います。経理担当者は、全体を把握して、いつ、なにを、どのようにして取り掛かるのか理解しておくことで決算業務を効率化することが可能となるでしょう。
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中小企業の決算業務は1~2人程度で行うことが多く、他の業務も並行して行うとなると非常に大変です。その一方で、これらをきっちりとこなすことで、オンリーワンの経理として社内で高く評価してもらえるチャンスでもあります。このチャンスを確実に活かすために、まずは自社の書類作成フローや業務内容などを再度見直してみてはいかがでしょうか。うまく効率化できれば、幅広い業務を同時に行うことも難しくなくなるでしょう。

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