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決算/確定申告 2017/04/20

新米経理のための基本講座「決算書」第3弾 賃借対照表(B/S)編

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賃借対照表は、決算書が作成された時点で会社の所有する財産と借入金をわかりやすくまとめた、いわば財産一覧表です。
左側に記載される資産合計と右側に記載される負債と純資産合計金額は必ず一致します。
左右の金額が同じになることから、英語でBalance Sheet(バランスシート)と言います。この頭文字をとってB/S(ビーエス)と呼ばれることもあります。

賃借対照表に記載されていること

賃借対照表は、大きく資産の部、負債の部、純資産の部に分けられます。
資産の部は会社が持っている財産のリストで、表の左半分に記載されます。
負債の部は会社が負っている借入金のリストで、右半分の上側に記載されます。
純資産の部は自社で貯めてきた資金と会社設立時に準備した資金のリストで、右半分の下側に記載されます。

資産の部に記載される財産リストとは、現金や在庫として抱えている商品や会社で所有している設備機器類、営業用の自動車、さらに売掛金などこれから現金を受け取る権利も含まれます。
右側に記載される負債の部と資産の部は、決算日時点で会社が保有している資産を手にいれるために行われた資金調達方法が示されています。

資金の調達方法のひとつ、負債(右半分の上側に記載)は、借入金で調達した資金のことで他人資本と言います。
もうひとつの資金調達方法である純資産は、会社設立時に用意した資金と自社の本来業務を通じて貯めてきた資金の合計で、これを自己資本と言います。

(賃借対照表の略図)
○資産の部
会社が持っている財産リスト
○負債の部
会社が負っている借入金のリスト
○純資産の部
会社設立時に用意した資金と業務を通じて貯めてきた資金のリスト
資産総額 負債総額+純資産総額

資産と負債は流動と固定に分かれる

資産の部と負債の部に記載されている項目は、流動資産・流動負債と固定資産・固定負債に分けられます。
流動資産は、日々の業務を通じて形を変える資産のことを指します。
例えば、製造業などは現金で原材料を購入し、加工することで製品を製造します。製品は顧客に販売することで売掛金となり、時間をおいて現金になります。

つまり、現金→原材料→製品→売掛金→現金と、営業サイクルの中で自社の資産が変化していくわけです。同様に、買掛金や未払金など、日々の営業サイクルの中で形を変えていく負債を流動負債と言います。

このように日々の営業サイクルの中にある資産・負債を、流動資産・流動負債と分ける基準を正常営業循環基準と言います。

もうひとつの基準として1年基準(ワンイヤー・ルール)があります。これは、決算日の翌日から1年以内に決済される資産または負債を、流動資産・流動負債と分ける基準。それ以外を固定資産・固定負債と考えます。
例えば、銀行からの借入金を1年以内に返済するなら、流動負債(短期借入金)、1年を超えて返済するなら固定負債(長期借入金)となります。

経理の実務上では、まず、正常営業循環基準を適用し、この基準で判断できなかったものをさらに1年基準を適用し、流動と固定の項目に分けていきます。

賃借対照表から見えること

賃借対照表からは、会社の倒産危機など安全性を読み取ることができます。その安全性を見るための代表的な指標が会社の支払い能力を示す流動比率と自己資本比率です。
流動比率は、流動資産と流動負債の大きさを比較した指標です。
流動資産とは、現預金と1年以内に現預金に変わる資産の合計金額。流動負債は1年以内に支払う負債の金額。
つまり、1年以内に入ってくるお金と出ていくお金のどちらが多いかを表す指標と言えます。
流動比率=流動資産÷流動負債×100%

当然、入ってくるお金が多い場合、流動比率は100%を超えます。数値が高いほど、支払能力が高い会社と判断されます。その平均値は、業種によって様々ですが、日本の会社の平均は120~130%と言われています。

もうひとつの指標が自己資本比率。これは会社の総資産に占める純資産金額の割合です。純資産は、会社設立時に用意した資金とこれまでの企業活動で貯めてきた資金ですから、この比率が多いと負債が少なく安定した経営が可能と判断されます。

自己資本比率が高い
資産 負債
純資産

自己資本比率が低い
資産 負債
純資産

この数値も業種によって変わりますが、日本の会社の平均値は約30%と言われています。銀行や仕入先などが取引を継続するか否かの重要な基準となりますので、自社の自己資本比率を確認してみましょう。
**********
賃借対照表は、会社の安全性を数値化したものと言えます。
損益計算書と同様、業界平均や競合他社と比較することで、それぞれの数値の意味するところを把握できるようになります。
会社の財産と借入金は適正なのか。日々の会計処理をまとめて決算書を作成することも経理の大事な業務ですが、そこから課題や問題点を発見する力こそ、これからの経理に求められる能力です。
各指標における様々な比較を繰り返し、経理としての土台を築いていきましょう。
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