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決算/確定申告 2018/01/09

2019年よりスマホで確定申告が可能に!

財務省・国税庁は2019年1月より、スマートフォンを使った確定申告ができるようにすると発表しました。すでに日本経済新聞や時事通信などの複数メディアが伝えており、ご存知の方も多いことでしょう。
実際にスマホを使ってどのように確定申告を行うのか。詳細はまだ未定ですが、行政手続きの電子化は今後ますます進むことが確実視されます。今回は、スマホでできる確定申告の現状とその背景について解説します。

スマホですべて完結できる

スマホで確定申告が可能になるというニュースは、2017年11月1日に政府税制調査会において出された方針を受け、各メディアでも報道されました。当初はふるさと納税や医療費の還付申告など、納付者のニーズの高い手続きから、段階的にスマホでの確定申告が可能になるようです。

現状確定している仕組みは、スマホ専用の申告書作成ページが開設され、そこにIDとパスワードを入力して確定申告を行うというものです。IDとパスワードは、税務署で本人確認を受けて発行してもらう必要があるようですが、将来的にはマイナンバーカードをスマホで読み取り、電子証明書を取得できるようになるなど、スマホ操作だけで確定申告ができるようになる見込みです。

これまでも、スマホから国税庁のホームページにアクセスすると、所得税などの申告書を作成することはできたのですが、そのデータを紙にプリントアウトして税務署に提出する必要がありました。今後、スマホ一台で確定申告が完結できるようになると、納付者にとっては大幅に手間が軽減されることでしょう。

背景に働き方改革の推進も

今回の”スマホで確定申告”は、政府による行政機構「E-Government(電子政府)」の一環と言われています。電子政府は、行政分野へのICT(Information and Communications Technology)の活用とこれに併せた業務などの見直しにより、行政の合理化、効率化および透明性の向上や国民の利便性向上を図ることを目的としています。

こうした行政分野のICT活用による合理化・効率化への取り組みは、2019年度から実現を目指す「働き方改革」と密接に結びついています。働き方改革の一分野にあげられている「柔軟な働き方」では、テレワークの拡大と兼業・副業を取り入れた「柔軟な働き方」を推進すると明示されています。その方針に呼応するかのように、今、日本でも副業・フリーランス人口が着実に増えています。

クラウドソーシングのランサーズが実施した「フリーランス実態調査2017」によると、副業に勤しむ人は2016年調査時の416万人から10%増の458万人に。副業・複業・自営業者を含む広義のフリーランスは、2016年より5%増の1,122万人。総人口の17%を占めるに至っています。アメリカの労働省のデータによると、米国における労働人口に占めるフリーランスの割合が36%を占め、2020年には43%に達するとされています。

副業やフリーランスの増加は、言うまでもなく確定申告を必要とする人の増加につながります。申告・納税しやすい環境作りは、政府が推進する「柔軟な働き方」の礎となるはずです。

iPhoneで確定申告はできない?

パソコンで行うe-Taxは、専用のカードリーダーが必要となりますが、スマホで確定申告する場合は不要です。スマホにはSuicaやEdyなどの非接触型電子マネーカードで知られる近距離無線通信規格のスタンダード「NFC」が内蔵されているためです。

iPhoneも、6/6 PlusとiOS 8からNFCチップ搭載モデルとなりましたが、機能は事実上Apple Payに限定されていました。その影響なのか現在のところスマホで確定申告の対応機種には含まれていないようです。しかし、国内で半数近いシェアを誇るだけに、技術的にクリアされればすぐに対応機種になることが予想されます。

もう一つ課題をあげるとすれば、セキュリティの問題でしょう。
スマホで確定申告をするためには、マイナンバーカードを利用することになるため、情報漏えいの懸念がつきまといます。パソコンと比べてスマホは、セキュリティに関する意識が低い傾向にある上、スマホをターゲットにしたマルウェアも増えています。セキュリティの課題にどう対処するか、今後注視したいポイントです。
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世界を見てみると、スウェーデンやエストニアではスマホで確定申告ができます。
スウェーデンでは、個人事業主だけでなく給与所得者、年金生活者も含めすべての国民が確定申告をするそうです。そのため、計算は国税庁がすべて行い、国民はそれを承諾するという形式が取られています。国民の負担をなるべく軽減し効率化のための仕組みづくりが徹底されています。
このような仕組みの背景には、国民全員が日本のマイナンバーに相当する個人番号を付与され、その番号によって資産から収入、個人情報まですべてが管理されていることという事実があります。
日本ではマイナンバーが思ったよりも定着せず、話題にのぼることも少なくなりました。しかし、スマホで確定申告をはじめ行政手続きのIT化が進めば確実にマイナンバーの存在が大きくなります。
簡便性や効率化と個人情報保護のどちらを優先するのか、今後も活発な議論がなされることでしょう。
技術発展の裏には、こうした社会情勢との密接な関係があります。今後も注目していきましょう。
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