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管理会計 2019/08/27

利益に直結!「原価管理」と「原価計算」がこれからの経理のキーワード

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近年、コスト削減や利益率の向上に取り組むための方法として「原価管理」に注目が集まっています。今後、バブル期のように大幅な好景気が訪れる気配のない現状が続くとなると、この傾向はますます強くなると考えられるでしょう。会社的には厳しい経営が求められますが、経理担当者にとってはスキルを活かすチャンスでもあります。今回はこれからの経理に役立つ原価管理に必須の原価計算の基礎知識について説明していきます。

原価の定義と計算方法

原価管理を理解するためには、まず原価そのものについて知っておく必要があります。そこで、はじめに原価の定義と計算方法について解説します。

原価とは「1つのサービスや製品を生産するために必要なコスト」のことです。
原価には業種・業界、製品やサービスによって原料費、光熱費、人件費など様々な種類があり、これは大きく材料費、労務費、経費という3要素と、直接費、間接費という2要素に分けることができます。
原価の要素 直接 間接
材料費 直接材料費 製造間接費
労務費 直接労務費
経費 直接経費

また、以下のように生産コスト(製造原価)と、該当商品を販売するまでにかかる「販売費」、会社全般の管理にかかる「一般管理費」を合わせた、通称「販管費」をサービスや製品の「総原価」として表すことが一般的です。

■原価の計算例
(材料費10万円+労務費5万円+経費2万円)+販管費5万円
=総原価22円

関連記事:なるほど!経理演習「原価計算にチャレンジしよう」

原価管理の全体像

続いて、原価管理の全体像について説明します。原価管理とは1962年に大蔵省(当時)が発表した「原価計算基準」により「目標とする利益率を達成・確保するための標準原価を設定し、それを元に各種計画を作成、原価低減に取り組むこと」と定められています。
それぞれの用語の意味や目的は以下の通りです。

標準原価
標準原価とは、実際に原価が発生する前に設定する「原価の目標値」です。後述する実際原価と比較するための基準値になります。

実際原価
製品やサービスなどを生産するためにかかる取得価格のことで、過去原価や事後原価と呼ばれることもあります。前述した材料費、労務費、経費の3要素などの合計を標準原価と比較し、その差異の理由を分析します。

原価低減
原価を下げることを原価低減と呼び、そのための施策を行うことを「原価低減活動(コストダウン)」といいます。会社が利益を上げるための代表的な方法である「販売数量の売上増」、「価格上昇による売上増」と比較しても、顧客や競合他社などの外部要因が少なく、比較的取り組みやすいとされています。

上記を踏まえて原価管理の流れを簡単にまとめると以下のようになります。

  • 標準原価の設定
  • 実際原価を計算
  • 標準原価と実際原価を比較して、差異を分析
  • 分析結果を経営層に報告し、対策として原価低減を実施

原価低減では前述した原価を構成する3要素のうち「材料費」と「労務費」の低減が中心になることが多くあります。それぞれの例を挙げてみます。

材料費の低減
  • 購買価格の引き下げ(集中・分散購買方式の見直しなど)
  • 材料の仕様見直し(VA/VE(価値分析)を行い、製品の価値を落とすことなく最低のコストで市場や顧客に求められている機能を実現)
  • 不要在庫の減少

労務費の低減
  • 人件費の削減(余剰社員の整理、雇用形態の見直しなど)
  • 労働生産性の向上(機械化、報償制度の導入、業務のマニュアル化、工程改善など)
  • 業務の見直し(仕事内容の改善、無駄な業務を削減することによる効率化など)

原価管理システムの活用が効果的

原価管理を行うに当たり、サービスや製品の製作過程のうち、どの部分でコストダウンできるのか、それが有効であるのかを検討していくには膨大な時間と手間がかかります。さらに、分析や対策は複数の部署に渡って行われるため、作業が煩雑になりがちです。
この作業をより確実に、効率的に進められるのが、原価管理システムです。原価管理システムではケースごとの予算対比や最終利益の試算を簡単に行うことができるため、より効果的なパターンを見つけることができます。
また、給与管理システムや生産管理システムなどの基幹システムと連携しやすいERPを活用することで、さらに精度を増すことができます。単純な計算作業などは自動化し、データから導き出した情報への適切な判断に時間をかけることで、最適な原価低減を行うことができます。

※関連リンク:原価管理も簡単!管理会計と制度会計を両立させた進化した会計システム
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原価管理は、業界、業種に関係なく、今後ますます重要になってくるスキルの一つです。主導することが多いのは開発、企画、製造部門などではあるものの、会社の数字を担う経理担当者も習得しておけば活用の機会は大いにあるでしょう。原価管理や原価計算についてもっと詳しく学びたいという経理担当者は、日商簿記検定試験2級の受験を検討してみてはいかがでしょうか。同検定の工業簿記の出題範囲に原価計算が含まれているため、基本的な知識を身に付けることができます。

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