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消費税 2019/09/30

軽減税率、未対策は4割以上。会計の独自調査から見えるもの(会計事務所白書2019)

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財務・会計システムをはじめとする経営情報サービスの開発・販売を手掛けるミロク情報サービスでは、毎年、事業主と税理士・公認会計士を対象に「経理や経営のIT化」について独自に調査を行っています。2019年は調査対象を昨年から200人以上増やし、「消費増税における軽減税率」と「キャッシュレス」をメインテーマとしました。その結果、双方ともに認識不足、対策不足が顕著になっています。この記事では、目前に迫った消費増税の軽減税率に焦点を当て、調査の要点をまとめました。

調査概要

調査名:
会計事務所白書
事業主と税理士・公認会計士のキャッシュレス推進に関する実態調査
(事業主/税理士・公認会計士編)
調査主:
株式会社ミロク情報サービス
調査対象:
合計832人
(事業主500人/税理士・公認会計士332人)
※調査対象は飲食・物販、サービス業(宿泊施設などの店舗型サービス)などのオーナーや事業責任者と自営業/税理士・公認会計士
調査期間:
2019年8月9日~2019年8月21日
調査エリア:
全国
調査手法:
インターネット調査

軽減税率対策を実施していない事業主は4割以上

Q あなたのお店(お勤め先)では、軽減税率対策はどの程度進んでいますか
1位 なにもしていない 39.4%
2位 進行中で、増税前(9月末)までに完了予定 21.0%
3位 検討中 14.4%
4位 まだ進んでいないが、近日対応の予定 13.0%
5位 すでに対応済み 10.4%


消費増税・軽減税率の導入が近づいているにも関わらず、「なにもしていない」と回答した企業は約4割もありました。3位の「検討中」と合計すると対策未実施の企業は過半数となります。

この大きな理由の一つは、下記の質問の回答から見えてきます。


Q あなたは、軽減税率についてどの程度ご存じですか
1位 少し知っている 48.0%
2位 実務レベルで理解している 33.0%
3位 聞いたことはあるが、あまり知らない 10.4%
4位 熟知している 8.2%
5位 全く知らない 0.4%


軽減税率そのものについて十分に理解していると答えた人は全体の約3割程度で、対策を講じる以前に自社や実務にどのような影響を及ぼすのか認識している人はそれほど多くないことが推測できます。
この傾向は他の結果からも明らかになっています。


Q 軽減税率に関して、あなたが感じている課題やリスクなどがあれば教えてください
1位 特にない 75.8%
2位 面倒・手間 7.0%
3位 複雑でわかりにくい 6.6%
4位 負担が大きい 2.6%


ここでは「特にない」という項目が大きな割合を占めています。実際にリスクがない事業主もいるとはいえ、その一方で前述の結果を含めて推測すると、認識不足のために「リスクや課題に気づいていない」事業主も少なくないのではないでしょうか。

業界や取り扱う商品によって対策の範囲や負担の大きさは異なるものの、軽減税率と全く関係のない企業はありません。特に多くの企業が関わってくるであろう福利厚生費や会議の飲食代などは少し複雑な項目でもあります。事前に確認しておかなければ、後から混乱する恐れもあります。

※関連記事:飲食業界だけじゃない!?迫りくる軽減税率・インボイス制度開始に、企業の対策待ったなし!(新米経理の会計奮闘記 第8回)

「軽減税率対策補助金」を把握している事業主は2割弱

Q あなたは軽減税率対策補助金をご存じですか
1位 概要のみで内容の細部までは知らない 43.6%
2位 聞いたことはあるが、内容は知らない 25.8%
3位 内容も大体把握している 20.6%
4位 まったく知らない 10.0%


国が推進する「軽減税率対策補助金」は、中小企業を対象に、軽減税率に対応する経理システムやレジなどの導入を補助する制度です。この制度を活用することで、企業は最小限の負担で軽減税率対策を実施できます。しかし、上記の調査で軽減税率対策補助金について「内容を理解している」と答えた事業主は、全体の2割程度にとどまりました。

この原因は、会計士・税理士からの説明不足とも考えられます。


Q 軽減税率対策について、顧問事務所(税理士・公認会計士)から補助金活用に関するアドバイスや説明はありましたか
1位 アドバイス・説明はなかった 57.0%
2位 アドバイス・説明があった 26.0%
3位 アドバイス・説明の打診はあったが断った 3.2%


さらに、会計士・税理士側のサポート状況を調査したところ、以下のような結果となりました。


Q あなたの事務所では、顧問先に軽減税率対策として補助金の活用をサポートしましたか
1位 案内やサポートはしていない 37.3%
2位 案内のみでサポートはしていない 22.6%
3位 要望がある顧問先のみサポートした 20.2%
4位 サポートした 19.0%



Q あなたの顧問先で、サポートや案内の結果、補助金を活用して導入した顧問先は何件ほどありますか
1位 0件 44.2%
2位 1~5件 40.4%
3位 11件以上 9.6%
4位 6件〜10件 5.8%


軽減税率対策補助金の説明、導入サポートを実施している割合は過半数を割っています。事業主側の調査結果を合わせて考えると、多くの事業主が経理関連の情報を会計士・税理士から入手しており、他からは情報が入りづらいということも考えられます。

今からでも間に合う軽減税率の対策とは

上記の結果を見て、何もしていなかったことに焦りを感じ始める事業主もいるのではないでしょうか。軽減税率制度の導入は幅広い業種に大きな影響があります。食品を扱う事業主以外でも、「リスクがない」ということはありません。予想していなかった部分に影響することもありますので、まずは情報収集してください。
経理ドリブンでもいろいろな角度から軽減税率の情報を発信していますので、チェックしてみてください。

軽減税率に関する記事一覧はこちらから

また、多くの事業主が、軽減税率対応のために業務が複雑化する懸念を抱えているかと思います。こちらに関しては経理システムなどのツールが有効です。

例えば、ミロク情報サービスが提供する「かんたんクラウド」は、レシートや請求書の写真を送るだけで、軽減税率を含めた仕訳を自動的に行います。こういったツールを利用すれば、特に手を煩わす必要もありません。 仕訳などの単純作業は可能な限り自動化することで、他の部分への影響や対策を考える余裕が生まれます。ぜひ検討してみてください。

※関連サイト:会計ソフトがはじめてでもわかりやすい!会計・給与のクラウドサービス

なお、前述した軽減税率対策補助金については、2019年9月30日までに導入または改修し、支払いが完了したものが対象となります。これから導入するとなると日にちがありませんが、申請は2019年12月16日まで可能ですので、既に導入済みのシステムについては申請を検討してみてください。
対象についてはこちらに詳しく掲載されていますので、確認してください。

※参考サイト:軽減税率対策補助金

※関連サイト:会計事務所白書
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今回は2019年の「会計事務所白書」の中から、軽減税率の認知度と対策状況についてピックアップしました。この記事を読んで軽減税率対策を始める人もいるかと思います。本文にもある通り、まずは自社の状況を含めて情報収集をしてください。担当の会計士・税理士にも改めて相談してみることで、新たな情報が得られる可能性もあります。
なお、会計事務白書についての第二弾の記事は「キャッシュレス化」の状況をまとめます。(2019年10月1日予定)

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