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会計処理 2018/12/04

経理担当の常識!固定資産管理の基礎知識

経理担当にとって年末は賞与の支給や年末調整など、何かと忙しい時期。ここを乗り切って新しい年を迎えると、固定資産税の償却資産に関する申告が待ち受けています。この申告をスムーズに行うために不可欠なのが固定資産管理。そこで、今回は経理担当なら常識と言える固定資産管理の基礎知識をご紹介します。早めの準備で新しい年を軽快にスタートさせましょう。

固定資産管理とは

固定資産管理とは、文字通り固定資産を管理する業務です。では、そもそも固定資産とは何なのでしょうか。会社の“持ち物”を思い浮かべてみてください。文房具やコピー用紙といった事務用品などの、一時的に発生する費用がある一方で、社用車や、商品を製造するための機械、会計管理のためのソフトウェアなど、事業を運営するために長く使用する資産があると思います。これらを固定資産と言い、貸借対照表の資産の部にその内訳が計上されます。

固定資産として計上するものは、具体的に以下の3つの要件を満たすものとされています。

  • 販売する目的で保有していない
    固定資産はあくまで自社の事業を運営していくために自ら使用するもの。顧客に販売することを目的としたものは固定資産として計上しません。

  • 1年以上使用する予定の資産である
    自社の事業運営のために自ら使用するものであっても、1年未満の期間で使用するものは固定資産として計上せず、通常「消耗品費」などの項目で処理します。

  • 一定の金額以上の資産である
    通常10万円未満のものは費用として計上し、取得年度に損金額に算入されます。固定資産として計上するのは、10万円以上のものとなります。

償却資産は申告が必要

企業における固定資産は、土地や不動産など形のある「有形固定資産」と、ソフトウェアや営業権など形のない「無形固定資産」に分けられます。さらに、使用時間の経過によって次第に価値が減少する対象物は有形、無形に関わらず「償却資産」となります。

償却資産は、毎年その価値の減少分を費用として損失計上する必要があり、この経理処理のことを減価償却と言います。各資産の使用予定年数については、対象物の物理的劣化や陳腐化などを考慮して法的に定められており、これを耐用年数と言います。例えば建物は10〜50年、車両は5年前後、机は8〜15年など、耐用年数は固定資産の種類によって変わってきます。

また、償却資産に課せられる税金は償却資産税と言い、土地や建物に課せられる固定資産税とは区別されています。毎年、1月1日の時点で所有している償却資産については、1月31日までに償却資産税の申告を行う必要があります。スムーズな申告のためには、日頃から固定資産の管理をしっかり行うことが大切です。

固定資産管理にあたる主な業務

償却費の計上
社内規定に基づき固定資産の取得申請・取得が行われた際、償却資産に関しては取得資産の耐用年数に応じて減価償却費を算定し、減価償却費を計上します。

固定資産台帳の作成
それぞれの固定資産についての詳細を記載した台帳を作成します。台帳には、固定資産番号、取得年月、使用部門、管理部署、固定資産の種別・名称・数量、取得価格などの詳細を記載することで、当該固定資産を「いつ、どこで、どれだけ、いくらで」購入したのか一目で把握できるようになります。

固定資産台帳と資産状況のすり合わせ
資産の現物を実地調査し、固定資産台帳と実際の資産状況とのすり合わせを行う業務のことを現物実査と言います。工場などの現場は必ずしも正しい資産状況を報告してくれているとは限らず、不要になった資産を独断で処分したり、了承なしに新しい備品を購入したりすることもあります。そのため定期的に現物実査を行い、実際の資産状況を把握する必要があります。

使わなくなった場合の会計処理
耐用年数や寿命が来た場合、固定資産は「廃棄」または「除去」と言う処理が行われます。廃棄は廃品処理業者に引き取ってもらうなど、社内から完全に消えることを意味し、除去は社内に保管されている状態を指します。いくらかでも価値があれば「貯蔵品」という資産に名を変えて会計処理されることもあります。

資産の移動を把握する
固定資産にかかる償却資産税は、各資産の所在する市町村に対して支払います。そのため、経理部門は資産の移動についても把握しておかなければなりません。固定資産台帳への反映など、迅速な対応が大きな過失を防ぎます。

注意すべきポイント

固定資産管理は先述の内容で行うものの、そもそも現場で日常的に使用されている固定資産は、現場からの申請や報告がなければ経理などの管理部門が正確に把握することができません。もし、現場が勝手に機器や備品を新規購入したり廃棄処分したりした場合、固定資産台帳と実態との差異が生じてしまいます。

これを防ぐためには、まず管理ルールを明確に設けることが大切です。固定資産の取得や処分については、どのような申請が不可欠で、どういったケースで稟議が必要かなど、ルールを明確にして各部署で共有しておくことが大切です。

現物実査を定期的に行うことも、固定資産台帳と実態との差異を防ぐ大事なポイントとなります。少なくとも年に2回は実施し、固定資産台帳と実際の資産状況をすり合わせることで、双方のずれをなくすことができます。また、現物実査では経理担当が現場に足を運ぶことで、現場のスタッフとコミュニケーションを図ることも大きなメリットです。お互いの信頼関係が報告・申請の徹底につながります。
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固定資産は金額的に大きくなることが多い上、使用期間も長期にわたります。そのため、取得・処分の時期や状態の管理をしっかり行わないと、会計処理上の過失が継続的に発生し、思わぬ損失につながるケースもあります。また、固定資産税の償却資産に関する申告は、各資産の所在する市町村に対して行いますので、支社や工場が全国にまたがる会社はとくに煩雑となります。管理ルールの徹底など、経理担当が率先して各部署をまとめていきましょう。

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