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会計処理 2017/09/19

そのケース、経費で落とせるの?教育研修費編

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様々なシーンを題材に「経費で落とせるの」という問題を出題する新シリーズ、第5弾は教育研修費編です。
経理担当者要チェック!社内の他部署やクライアント先から質問されたと思って気軽にチャレンジしてみてください。

教育研修費とは?

国税庁による教育研修費の定義は「法人がその使用人(役員の親族など役員と特殊の関係のある使用人及び使用人兼務役員を除きます。)の職務に必要な技術や知識を習得させる、又は向上させるために支出する費用」としています。
ここで言う技術や知識は、必ずしも専門的なものばかりではなく、職務を全うする上で必要となる一般的な知識や技術も含まれます。
「職務を全うする上で必要か否か」という点が一つのポイントとなります。

ケース1
業務に必要な研修、会場までの交通費を負担しました。
これは、教育研修費になるの?

業務に必要な研修に従業員を参加させることになりました。
会場が遠方にあるため、交通費を支給するのは会社として当然です。
この場合の交通費や宿泊費は、教育研修費として計上できるのでしょうか。
気になる答えは…
× 教育研修費になりません!
たとえ業務に必要な技術や知識を取得するための研修であっても、直接技能取得に結びつかない項目に関しては教育研修費になりません。
交通費や宿泊費は旅費交通費とするのが無難でしょう。
研修の後に懇親会を開催する場合、その費用は接待交際費となります。

POINT!
直接技能取得に結びつかない場合は仕訳が変わる

ケース2
個人に帰属する資格である運転免許の取得費用。
これは、教育研修費になるの?

営業部は車を使って外回りをします。
免許を持っていない人が入社したので、教習所の費用を会社で負担することにしました。
しかし、運転免許は個人に帰属する資格。会社を辞めた後も有効で、プライベートでも使うことができます。
これを教育研修費として計上できるのでしょうか。
気になる答えは…
○ 教育研修費になります!
営業の外回りで車を使用する場合や配送業務を行うなど、実際の業務で使用するのであれば個人に帰属する資格でも教育研修費として認められます。
実際の業務でどれくらい使うのかが問題となり、たまにしか車を使わないのであれば、費用の一部を社員に負担してもらう方が良いでしょう。

POINT!
個人に帰属する資格でも業務に必要であれば経費

ケース3
社員それぞれの課題に取り組める自由研修制度。
これは、教育研修費になるの?

社員の課題や強みはそれぞれ違います。
そこで、各自の目標に応じて取り組める自由研修制度を設けました。強みを伸ばしたい、課題を克服したい、そんな各社員の向上心を無料でサポートする制度です。
これは、教育研修費として計上できますか。
気になる答えは…
× 教育研修費になりません!
好きな研修を自由に選べるのであれば、会社の業務との関連性が薄くなる可能性があります。
従って、好きな研修を無料で受けさせる行為は、お金を渡すのと同じと見なされ、給与として源泉徴収が必要になると考えられます。
ポイントは、その研修で業務改善につながるかどうか。
レポートなどを提出させて、どう業務改善に結びつくか明確にすれば一部経費計上が可能となります。

POINT!
選べる自由研修制度は経費計上ができない

ケース4
自社開催の研修に取引先を無料招待。
これは、教育研修費になるの?

自社で開催する研修に取引先の社員を無料招待することにしました。
この取引先は業務パートナーなので、業務改善につながる研修を提供することは、自社にもメリットがあると考えています。
この場合、教育研修費として計上できるのでしょうか。
気になる答えは…
× 教育研修費になりません!
たとえ業務パートナーであっても、自社開催の研修に取引先を無料招待した場合は、接待交際費となります。
有料であっても、大幅に値引きした場合は、通常の研修費との差額が接待交際費に該当します。

POINT!
取引先を無料で招待した場合は接待交際費
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教育研修費として経費計上できるか否か、大きなポイントとなるのが業務との関連性です。
仕事と全く関係のない研修を会社で負担して、それを経費にするのは難しいと言えます。
しかし、一見業務とは無関係ながら、業務の拡大につながる普遍的なスキルというものもあります。
例えば、英会話。英会話を習得することで外国人へのPRが可能となり、市場拡大につながるケースもあるでしょう。この場合は、英会話教室の授業料が教育研修費になる可能性が高くなります。
カギとなるのは、必要性の有無を証明できるかという点。
そのあたりのアドバイスが経理担当の大切な役割と言えます。
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