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経理/財務会計処理 2021/07/27

【仕訳の問題例つき】受注・出張など、よくあるケースの仕訳で使う勘定科目をおさらい!

個人事業主の方などは、経理の知識がなくても会計ソフトで仕訳をするケースがあるかと思います。そのため、「実は仕訳の基礎をきちんと学んだことがない…」なんてことはありませんか?
今回は、実際の取引をイメージしながら、クイズ形式で仕訳例を紹介します。仕訳作業をしたことがあっても、難しい例もあるかもしれません。この機会に仕訳への理解度をチェックしてみましょう!

※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

売掛金

■問題1-1:売掛金の発生
デザイン会社A社では、B社のロゴデザインを80,000円で受注し、契約が完了しました。代金は来月に請求することとなっています。この場合の仕訳を行ってください。
仕訳例はこちら
仕訳例
借方 金額 貸方 金額
売掛金 80,000円 売上 80,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

解説
売掛金とは発生した取引代金のうち入金されていないものを指す勘定科目です。記帳の基本は「発生主義」なので、お金をもらっていなくても計上しなくてはなりません。そのため勘定科目は現金の代わりに売掛金を使います。
後日、代金を回収したときには、「消込作業」を行います。この流れは経理の「基本のキ」と言ってもよいでしょう。


■問題1-2:売掛金の消込
先月A社が売り上げたB社のロゴ制作代金80,000円が、普通預金口座に振り込まれました。このときの売掛金に対する仕訳を行ってください。
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仕訳例
借方 金額 貸方 金額
普通預金 80,000円 売掛金 80,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

解説
今回の支払いは普通預金の銀行口座への振り込みであったため、借方の勘定科目は「普通預金」となりました。この部分の勘定科目は、支払い方によって「当座預金」や「現金」になることもあります。
売掛金の消込作業は、売掛金発生時の仕訳を確認しながら、しっかりと行いましょう。

買掛金

■問題2-1:買掛金の発生
飲食店C店では、ネット上に広告を出すため、ライターに15,000円で広告文の執筆を依頼し、契約が完了しました。支払いは翌月を予定しています。この場合の仕訳を行ってください。
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仕訳例
借方 金額 貸方 金額
外注費 15,000円 買掛金 15,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

解説
買掛金とは、発生した取引代金のうち支払っていないものを指す勘定科目です。売掛金とは逆の考え方のもので、売掛金は資産ですが、買掛金は負債になり、仕訳方法も逆転します。
また、買掛金と同様、支払いが完了した際は消込作業を行います。


■問題2-2:買掛金の消込
C店は、先月依頼した広告文の代金15,000円を担当ライターに現金で手渡しました。このときの買掛金に対する仕訳を行ってください。
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仕訳例
借方 金額 貸方 金額
買掛金 15,000円 現金 15,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

解説
今回は現金での支払いを行ったため、借方の勘定科目は「現金」となりました。
また、売掛金とは資産と負債の考え方も逆になる点について、ここでも忘れないようにしておきましょう。

旅費交通費

■問題3-1:旅費交通費(後払い)
東京に本社があるD社では、出張の際にかかった代金は社員が立て替えておき、後日、社員の銀行口座への振り込みにて精算するルールとしています。ある社員が大阪支社に出張に行った際、以下のような申請がありました。
  • 東京~大阪間の往復新幹線代:30,000円
  • 大阪で利用した在来線代:5,000円
  • 1泊2日の宿泊費:8,000円
これを精算する際の仕訳を行ってください。
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仕訳例
借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 43,000円 普通預金 43,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

解説
旅費交通費とは、社員もしくは役員の出張に必要な費用(交通費、宿泊費、その他旅費)を合わせた勘定科目です。本来は発生主義に則り、電車のチケットを購入した日、ホテルに宿代を支払った日にそれぞれ仕訳を行い、精算時に消込の仕訳をする必要がありますが、実際の現場では、例のようにまとめて仕訳を行う場合もあります。
また、今回のように出張期間が短い場合は、社員が費用を立て替えて後から精算する「実費精算」を行うことが多いですが、出張期間が長い場合などは事前に概算額を「仮払金」として手渡すケースもあります。


■問題3-2:旅費交通費(前払い)
IT企業であるE社では、スタッフが遠方に泊まり込みでシステム開発を行うことになったため、1週間分の出張旅費として100,000円を現金で支給しました。開発が無事に完了し、スタッフから出張旅費の差額分である10,000円を返されました。このときの仕訳を行ってください。
仕訳例はこちら
仕訳例
・費用支給時
借方 金額 貸方 金額
仮払金 100,000円 現金 100,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

・費用精算時
借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 90,000円 仮払金 100,000円
現金 10,000円
※税務的な観点の違いなどによって、解説とは別の仕訳をする場合があります。

解説
今回のように、実際にかかる金額が不明瞭な場合の費用支給は仮払金で処理し、金額が確定後した精算時に差額を含めて処理します。
こちらも、本来は交通費や宿泊費を支払ったタイミングで仕訳をする必要があります。実務では例のようにまとめて処理するケースもありますが、その際は出張者が支払った費用の明細を把握できるようにしておきましょう。
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仕訳の基本となる、売掛金、買掛金、出張旅費の仕訳方法について解説しました。回答に登場した勘定科目についても、企業規模や業種を問わず頻繁に使われるものですので、本記事の仕訳を参考にお役立てください。

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