経理のスピードをアップさせるためには、まず3つのステップがあると著者は言います。スピード経理を社内に定着させるための下準備と言えるでしょう。
まず、ステップ1は経理内部の改善。「業務分担が社員によって偏っている」「業務マニュアルがなく特定の人しかできない作業がある」など、非効率な部分を洗い出し、改善していくことで作業効率を高めます。
ステップ2は、現場・役員との関係性の改善。経理のスピードアップとは無関係に感じますが、重要なポイントと著者は断言します。
と言うのも、いくら経理で努力しても、手本を示すべき役員の経費精算が遅かったり、現場からの申請書に不備があったりするとスピードアップはままなりません。
まず現場や役員が「正しい数字」を「決められた期限内」に「一人も漏らさず」申請をするよう徹底します。
ステップ3は、仕事との向き合い方の改善。いくらスピードアップの仕組みを導入しても、運用するのは社員です。
一人ひとりが能動的にスピードアップを推進するよう働きかけることが大切。社員の仕事との向き合い方を改善していきます。
以上の3ステップを踏まえたら、具体的な方法論に入りましょう。
業務全般業務効率化 2017/10/24
スピード経理で会社が儲かる6つの秘訣
一般的に経理業務は、売上を上げることはできないとされています。
確かに、直接的に販売促進や顧客獲得を行う業務ではありません。しかし、経理のスピードを向上させることで、会社の「生産性」と「利益」を上げる方法はあります。
そのノウハウをまとめた書籍『スピード経理で会社が儲かる』(前田康二郎著・ダイヤモンド社)が注目を浴びています。たった1年で営業利益を1億円アップさせた著者の経験をもとに書かれた名著。
一つ上の経理を目指すためのエッセンスが凝縮されていますので、ここでご紹介します。
経理のスピードを上げる3ステップ
秘訣1 過去と決別する
会社には負の遺産がたくさんあり、これらがスピードアップを阻害していると著者は言います。
例えば、「損失処理すべき資産をそのまま計上することが常習化している」など、先送りをやめること。
経理はお金を生まないと言う先入観も負の遺産です。
経理こそ、未来を予測するクリエイティブな素養が必要と著者は提言します。考え方も新しくする必要があるということです。
《過去と決別するためのコツ》
例えば、「損失処理すべき資産をそのまま計上することが常習化している」など、先送りをやめること。
経理はお金を生まないと言う先入観も負の遺産です。
経理こそ、未来を予測するクリエイティブな素養が必要と著者は提言します。考え方も新しくする必要があるということです。
《過去と決別するためのコツ》
- ・過去の債権債務はすぐに処理する
- ・期間を決めて損失計上し過去の残高をなくす
- ・滞留債権を増やさない
・管理表に現場担当者の名前を入れる。
・退職者手続きフローに「滞留債権の有無の確認」という項目を入れる
秘訣2 資料を減らす
資料が多すぎることの弊害に著者は警鐘を鳴らします。
すべての資料に目を通し、内容を理解するのに時間がかかる上、意思の疎通も図れません。
利益が出ている会社の共通点は「全員が理解している共通言語、共通数字を使って意思の疎通を図っている」と言います。
資料作成の基本は、「増やす」ではなく「絞る」。会議の目的、議論すべき数字、問題を明確化して必要最低限の資料を作成しましょう。
《資料を減らすためのコツ》
すべての資料に目を通し、内容を理解するのに時間がかかる上、意思の疎通も図れません。
利益が出ている会社の共通点は「全員が理解している共通言語、共通数字を使って意思の疎通を図っている」と言います。
資料作成の基本は、「増やす」ではなく「絞る」。会議の目的、議論すべき数字、問題を明確化して必要最低限の資料を作成しましょう。
《資料を減らすためのコツ》
- ・資料の上限枚数をあらかじめ決めておく
- ・A3資料は作成も閲覧も大変なので厳禁
- ・「取引先別の売上・利益率」「プロジェクト別の売上・利益率」を優先
- ・議論すべき内容に沿った資料を作成(思いつきで増やさない)
秘訣3 ルーティンワークを改善
経理資料作成にはムダなルーティンワークが多く存在します。
これらを改善できれば大幅なスピードアップにつながります。
例えば、資料を作成する際、優先順位を明確にすることが大切だと著者は説きます。経理資料で一番大切なのは数字の正確さです。デザインや書体に時間と労力をかけるのはやめましょう。
また、経理と現場でのコミュニケーションを密にし「これくらいの売上だと黒字になる」など、数字の肌感覚を合わせるのも大切です。
《ルーティンワークを改善するコツ》
これらを改善できれば大幅なスピードアップにつながります。
例えば、資料を作成する際、優先順位を明確にすることが大切だと著者は説きます。経理資料で一番大切なのは数字の正確さです。デザインや書体に時間と労力をかけるのはやめましょう。
また、経理と現場でのコミュニケーションを密にし「これくらいの売上だと黒字になる」など、数字の肌感覚を合わせるのも大切です。
《ルーティンワークを改善するコツ》
- ・資料作成時間を制限する
- ・資料作成は数字の正確さを最優先し他の要素は極力排除
- ・会議資料は事前配布する
- ・会議資料の読み上げを廃止し、議論に時間を割く
秘訣4 経理作業をスピードアップ
多くの会社で見られるのが会計ソフトと会社管理のエクセルシートの二重入力。
これらを連動させることで時間短縮と転記ミスのリスクを軽減できます。
また、会計ソフトの入力だけを事務員に教えるなど、作業を分業化させるのも効果的。
作業効率アップのコツとしては、現預金の入力・出金の実績入力を随時行い、売上計上、経費精算の計上、支払請求書の計上、減価償却費、前払費用の振替処理などはある程度まとまってから作業することを推奨しています。
《経理作業をスピードアップするコツ》
これらを連動させることで時間短縮と転記ミスのリスクを軽減できます。
また、会計ソフトの入力だけを事務員に教えるなど、作業を分業化させるのも効果的。
作業効率アップのコツとしては、現預金の入力・出金の実績入力を随時行い、売上計上、経費精算の計上、支払請求書の計上、減価償却費、前払費用の振替処理などはある程度まとまってから作業することを推奨しています。
《経理作業をスピードアップするコツ》
- ・業務マニュアルを作成して操作方法や作業方法を均一化
- ・マニュアルは本編と補足に分けて更新しやすくする
- ・作業を分業化して初心者も戦力に
- ・管理シートと会計ソフトを連動させる
秘訣5 会社のスピードは経理が決める
会社のスピードを決めるのは経理だと著者は力説します。
社長が方針を発表し、現場が動いた結果が数字・利益。
その取りまとめをするのが経理であり、そこでスムーズに処理できればスピード感を維持できます。そこで処理をもたつくと一気に減速してしまいます。
そうした減速を食い止めるために、経理は日々のルーティンワークだけでなく、経営判断を「数字面」でサポートする自覚をもつべきだと言います。
最後は経営者から悩みを共有してもらえる一つ上の経理になるコツを紹介します。
《経営者に信頼される一つ上の経理になるコツ》
社長が方針を発表し、現場が動いた結果が数字・利益。
その取りまとめをするのが経理であり、そこでスムーズに処理できればスピード感を維持できます。そこで処理をもたつくと一気に減速してしまいます。
そうした減速を食い止めるために、経理は日々のルーティンワークだけでなく、経営判断を「数字面」でサポートする自覚をもつべきだと言います。
最後は経営者から悩みを共有してもらえる一つ上の経理になるコツを紹介します。
《経営者に信頼される一つ上の経理になるコツ》
- ・日常生活で物の値段当てをして計数感覚を鍛える
- ・日頃から現場社員に数字の大切さをレクチャーする
- ・経理は会社のタイムキーパー、常に「期日」と「数字」を守る
- ・積極的に情報をシェアして社内の連携を深める
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経営はスピードが命と言われます。
それは、往々にして経営者の意思決定の速さを指した言葉です。
しかし、経営者の意思決定を支える判断材料は、経理が取りまとめる数字やデータです。
スピード経理で会社の売上を大幅にアップさせるという本書のコンセプトは、大いにうなずけるのではないでしょうか。同時にそうした目標をもって日々の業務にのぞみたいものです。
書籍は知識を得られるだけでなく、目標やモチベーション、様々な気づきを与えてくれます。今後も経理担当の成長を後押しする有益な書籍を紹介していきます。
それは、往々にして経営者の意思決定の速さを指した言葉です。
しかし、経営者の意思決定を支える判断材料は、経理が取りまとめる数字やデータです。
スピード経理で会社の売上を大幅にアップさせるという本書のコンセプトは、大いにうなずけるのではないでしょうか。同時にそうした目標をもって日々の業務にのぞみたいものです。
書籍は知識を得られるだけでなく、目標やモチベーション、様々な気づきを与えてくれます。今後も経理担当の成長を後押しする有益な書籍を紹介していきます。