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ITDX 2017/11/28

経理部のIT化を促進する7つの手順

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企業の各部門の中で最もIT化が遅れていると言われる経理部門。インターネット調査では、中小企業の約8割が経費精算を未だに紙やエクセルで行っているそうです。なぜ、経理部門のIT化は遅れているのでしょうか。IT化を阻む原因は何なのでしょうか。今回の記事では、IT化を阻む原因から解決策を導き、IT化を促進するための手順を提案します。

経理部のIT化を阻むもの

経費精算、伝票起票、売掛金回収チェック、請求書発行など、月末や月初めの作業が集中しているときに、アナログ作業の効率の悪さは多くの経理担当者が実感していることでしょう。にもかかわらず、改善があまり進まないのはなぜなのか。まず、IT化を阻む原因から考えて見ましょう。

古い習慣を変えられない
例えば多くの会社の経理部門では、会計ソフトとエクセルなどの表計算ソフトを併用するケースが見られます。その場合、会計ソフト上の月次決算データや部門別の数字を会社管理のエクセルに転記したり、その反対にエクセルで作成した小口現金の履歴を見ながら、もう一度会計データに同じものを入力したりしています。こうした二度手間は認識してはいるものの、「わかっていながら変えられない」風土が経理部門にはあるようです。

ルーティンワークに安住している
月末や月初めに作業が集中するなど、非効率な業務も慣れてしまうと楽です。忙しい時期が前もってわかるし、業務の流れが決まっているので安心感があります。経理部門は、保守的な人が多いこともあり、この「決まった流れを変えたくない」という風潮が強いと言えるでしょう。

会社の設備投資が後回しになる
直接的に売上を生まない、バックオフィス業務の典型である経理部門は、どうしても設備投資が後手に回る傾向があるようです。さらに、日々のルーティン業務や各部門の数字の算出、決算業務などに追われ、「自分たちの部門の改善提案まで意識が及ばない」というケースも多いようです。

改善策を考える

IT化を阻む主な要因をもとに改善策を考えていきます。まず、古い習慣を変えるための改善策を導きます。人間は新しいものを獲得する喜びより、今保持しているものを失う不安や恐怖の方が数倍強いと言われています。保守的な方々に古い習慣を捨ててまで変える必要性を訴求するのは容易なことではないでしょう。そのためにはIT化のメリットをリアルな数字、事例を交えて印象的にアピールしたいところです。

次のルーティンワークに安住しているという阻害要因も同様です。同じことの繰り返し業務はとても楽ですから、ここに安住している人を説得するのは困難を極めます。一人で事を起こそうとせず、仲間を募ることから始めるべきでしょう。IT化によって業務効率を図り、経理部を変えたいという社員を集めてチームをつくりましょう。

3番目の阻害要因である投資が後回しになる点についてはどうでしょうか。これは最終的に経営層に改善提案を行うのを前提に、まず経理部門内の誰にプレゼンするか、ターゲットを明確にしましょう。ターゲットが決まったら、情報収集を綿密に行い資料作成に移行しましょう。場合によっては、会計ソフトなどのメーカーを巻き込むのもありです。

明日からやるべき7つの手順

  • 1.仲間を募りチームを結成する

    経理部門のIT化を促進して業務効率を図りたい経理部員を募り、プロジェクトチームを結成します。

  • 2.部門内のターゲットを決める

    経理部長か課長か、最初にプレゼンするターゲットを決めます。

  • 3.情報を収集する

    IT化がもたらすメリットの数値化と事例収集、会計ソフトメーカーの調査を行います。

  • 4.IT化の方針を決める

    IT化を進める範囲、規模、スタイルなど、自社に合ったIT化の方針を決めます。

  • 5.プレゼン資料を作成する

    収集した情報、資料、データなどをもとにターゲットに向けたプレゼン資料を作成します。

  • 6.IT化促進計画の提案

    ターゲットに向けてIT化促進計画を提案。フィードバックを受け、改善を繰り返します。

  • 7.経営層へのプレゼンテーション

    経営層に向けてIT化促進計画を提案。フィードバックを受け、改善を繰り返します。

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本文にあげた経理部のIT化を阻む要因は、企業の経理部で働く経理マンや企業と契約している税理士の方々に直接聞いたものです。その壁は、想像以上に強固でIT化を推進するのは簡単なことではないようです。そこで、まずはチームを作り、綿密な情報収集のもと、ターゲットを決めて経理部内の賛同者を増やしていく。そしてフィードバックをもらいながら資料の精度を上げていき、最終的には経営層にアピールする。そんな長期的なビジョンで計画を推進していくことが大切なのではないでしょうか。まずは明日から、あなたが始めてみてください。
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