経理が起こす経営改革ストーリー 第2回「経理業務を大幅に効率化させた勘定科目テスト」

会社の客観的なデータである数字をまとめ、説得力のある資料をつくれるのは経理しかいません。それにも関わらず、会社内での存在は今ひとつ希薄です。そこで、実際に経理の力で業績を改善させた事例を紹介し、会社の土台としての経理の存在の大きさをクローズアップしていく新シリーズ。第2回目は、飲食店チェーンを展開する会社のユニークな取り組みを紹介します。
急成長ゆえ、経理が煩雑さを極める
これだけの成長を続けると、管理セクションの人員採用が追い付かず、基礎的な数字面での管理体制の課題が散見されるようになってきました。経理部門と各店舗の連携も悪く、数字の報告や確認事項の対応が後手に回るケースも多くなっていきます。そうなると、経理部門は月次決算も遅れ、大きな痛手となります。
また、近年の会計ソフトの主流は、現場でデータを入力してそれを経理部門でチェックし、そのまま財務データへ流し込むスタイルです。同社もそうした会計ソフトを活用していますが、店舗のスタッフが勘定科目を知らないと入力もままならない状況が起こります。その都度、経理が指導を行ったり、間違いを差し戻したり、訂正作業を行なったりする手間は、想像以上に煩雑。しかも、店舗スタッフの入れ替わりも激しい状況です。
勘定科目のテストを敢行
テストは2種類。1回目は、電車代、打ち合わせ時のコーヒー代など、使用用途を題材とし、それぞれ該当する勘定科目を答えてもらいます。2回目は反対に、旅費交通費、会議費などの勘定科目を示し、それぞれ該当する内容を答えてもらうもの。それを全問正解するまで、何度も繰り返すというテストを実施したのです。
何よりもスピードが求められる時代。会計ソフトの主流を鑑みても、経理以外の社員が勘定科目を覚えるというのは、スムーズな経理処理に大きなアドバンテージとなることでしょう。簿記を覚えるというわけではなく、自分が使う経費や店舗運営に関する費用についてです。一般の社員もそれほど抵抗なく、受け入れてくれたようです。
月次決算の早期化が実現

さらに、管理職や店長への昇格時にも同様のテストが行われるようになりました。こちらは、勘定科目などの単純な問題ではなく、経営や試算表に関わるレベルアップしたテストです。
このテストが行われるようになったことで、店長会議や管理職会議においても、原価計算や営業利益について活発な議論が行われるようになりました。また、赤字店舗の店長が、まずどこを改善すべきか自ら考え実践できるようになり、大きな赤字を出す店舗が大幅に減少。会社全体の数字もさらに上振れするようになりました。
※「経営を強くする戦略経理」よりアレンジを加えて作成しました。























