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経理/財務決算 最終更新日:2026/10/20

決算報告書、いつまでに何を作る?種類・手順・提出先・期限をまとめて解説!

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アイコンこの記事のポイント
  • 決算報告書とは、企業が1事業年度の経営成績や期末時点の財政状態、事業の状況などをまとめた書類の総称であり、計算書類や事業報告、附属明細書などで構成される。
  • 中小企業が押さえておきたい計算書類は、貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表の4点であり、日々の記帳や決算整理、試算表の確認を経て作成する。
  • 法人税の確定申告期限は原則として事業年度終了日の翌日から2カ月以内であり、決算業務を円滑に進めるには、日々の正確な記帳と月次確認、期限から逆算したスケジュール管理が重要である。

決算は、企業が1年間の経営成績や財政状態を確定する重要な業務です。
その内容をまとめる決算報告書には、貸借対照表や損益計算書など複数の書類があります。
決算実務では、「どの書類を作ればいいのか」、「いつまでに、どこへ提出するのか」など、迷う場面も少なくありません。
特に12月決算では、年末年始の休暇によって作業日数が限られるため、計画的に進める必要があります。
今回の記事では、決算報告書の種類や作成の流れ、中小企業が押さえておきたい実務のポイント、株主総会や税務署への申告までのスケジュールを解説します。

決算報告書とは

決算報告書とは、企業が1事業年度の経営成績や期末時点の財政状態、事業の状況などをまとめた書類の総称です。
法律上の正式な名称ではありませんが、会社法では、株式会社に対して、計算書類や事業報告、これらの附属明細書の作成を義務づけています。
具体的には、会社法第435条第2項で次のように定められています。

会社法 第435条2項
株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるもの)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

決算報告書を作成する目的
決算報告書を作成する目的は、大きく2つあります。

外部への報告
株主への経営成績の報告や税務署への申告、金融機関の融資審査など、様々な場面で客観的な数値による説明資料として活用されます。

内部の経営判断材料
自社の利益率や資産の状況を正しく把握することで、翌期の事業計画や設備投資の判断材料になります。
義務として作るだけでなく、自社の現状を数字で確かめられる書類ともいえます。
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決算報告書の種類

決算報告書は複数の書類から構成されており、それぞれ異なる視点から企業の経営状況を示します。
ここでは、会社法に基づいて作成が求められる主な書類を種類ごとに解説します。


計算書類(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)
計算書類は、決算報告書の中核となる4つの書類です。
貸借対照表や損益計算書などは、一般に「決算書」と呼ばれることもあります。
それぞれの内容は次の通りです。

書類名 内容
貸借対照表(B/S) 決算日時点の資産・負債・純資産の残高を一覧にしたもの。資金をどう調達し、どう運用しているかという財政状態を示す。
損益計算書(P/L) 1事業年度の収益から費用を差し引き、最終的にいくらの利益または損失が出たかを表す書類。
株主資本等変動計算書 純資産が1年間でどのように増減したか(利益の蓄積や配当の支払いなど)を示す書類。
個別注記表 会計方針や重要な会計上の情報など、数字だけではわかりにくい事項を文章で補足する書類。
中でも貸借対照表と損益計算書は、決算報告書を見る際にまず確認される中心的な書類です。
なお、連結財務諸表では、当期純利益にその他の包括利益を加えた「包括利益」も表示します。
この場合、損益計算書と包括利益計算書を分ける2計算書方式と、両者を1つにまとめる1計算書方式のいずれかを選択します。
包括利益の表示に関する会計基準は、当面の間、個別財務諸表には適用されません。


事業報告
事業報告は、計算書類だけではわからない事業の状況などを説明する書類です。
計算書類が「数字」で会社を表すのに対し、事業報告は「文章」で会社の現状や課題を株主に伝える役割を持ちます。
主な記載内容は次の通りです。

  • 事業の経過や成果
  • 設備投資や資金調達の状況
  • 対処すべき課題
  • 役員の状況
こうした情報を補うことで、株主が経営の全体像を把握しやすくなります。


附属明細書
附属明細書は、計算書類や事業報告の内容を補足するため、重要な事項について詳細を記載する書類です。
例えば、計算書類の附属明細書では、有形固定資産の増減など、本表だけでは把握しきれない情報を詳しく記載します。


連結計算書類
連結計算書類は、親会社と子会社などからなる企業集団の財産や損益の状況をまとめた書類です。
会社法上、一定の会社には作成が求められますが、一般的な中小企業の多くは対象外です。
子会社がない中小企業であれば、通常は連結計算書類を作成する必要はありません。
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決算報告書の作成手順と作成後の手続き・期限

決算報告書は、日々の記帳を土台に作成し、その後、監査や株主総会など、会社法に基づく手続きを進めます。
また、決算後には法人税の確定申告などの税務手続きも必要です。
書類を「作る」段階と、作った書類を「承認・提出する」段階に分けて捉えると、全体像がつかみやすくなります。


作成の4ステップ
決算報告書は、日々の取引記録を基に、次の手順で作成します。

1. 日々の取引を記帳し、決算整理を行う
会計期間中の売上・仕入・経費などを、取引日・金額・勘定科目とともに仕訳帳へ漏れなく記帳します。
期末には、減価償却費の計上や在庫の棚卸しといった決算整理仕訳を行い、当期の損益を正しく確定させます。

2. 総勘定元帳へ転記する
仕訳帳のデータを勘定科目ごとに総勘定元帳へ転記し、各科目の残高を集計します。
会計ソフトでは仕訳を入力すると自動的に転記されるため、手作業による転記ミスを減らすことができます。

3. 試算表を作成する
全科目の残高を試算表にまとめ、借方と貸方の合計や各勘定科目の残高を確認し、記帳漏れや誤りがないかをチェックします。
借方と貸方の合計が一致しない場合は、記帳や転記の誤りがないかを確認し、必要に応じて修正します。

4. 決算報告書を作成する
確定した残高を基に、貸借対照表や損益計算書などを所定の様式で作成します。
多くの会計ソフトでは、仕訳データから各書類を自動で作成できます。

日々の記帳が正確であるほど、決算時の作業は大幅に軽くなります。


決算後の主な手続き・提出先・期限
決算報告書を作成した後は、会社法に基づく手続きや税務申告を進めます。
主な手続きと期限は以下の通りです。

主な書類 提出先・手続き 期限・時期の目安
計算書類 定時株主総会で承認または報告 一般的に事業年度終了後3カ月以内を目安に開催
法人税の確定申告書・
添付書類
税務署へ申告 原則、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内

監査役・会計監査人による監査と株主総会での承認
作成した計算書類は、会社の機関設計によって、監査から株主総会までの手続きが異なります。
会計監査人を置く大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)では、会計監査人などによる監査や取締役会の承認を経て、定時株主総会で計算書類の内容を報告します。

一方、会計監査人を置かない中小企業では、監査役を設置していれば監査役による監査を受けたうえで、定時株主総会で計算書類の承認を得るのが原則です。
この定時株主総会は、事業年度終了後3カ月以内を目安に開催するのが一般的です。
手続きは機関設計によって変わるため、自社ではどの手続きが必要かを事前に確認しておきましょう。


税務署への申告期限は決算日の翌日から2カ月以内
決算後は、税法と会社法に基づくそれぞれの手続きを進めます。
法人税の確定申告は、原則として事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に行う必要があります。

一方、計算書類については、会社法に基づいて監査や定時株主総会などの手続きを進めます。
例えば12月決算の会社であれば、法人税の申告・納税は原則として翌年2月末日が期限です。
この期限を過ぎると無申告加算税や延滞税といったペナルティが生じる可能性があるため、逆算してスケジュールを組むことが欠かせません。
特に年末年始を挟む12月決算は実働日数が少なくなりがちなので、早めの着手が重要です。

中小企業が押さえておきたい決算実務

中小企業の決算実務では、必要な書類を漏れなく作成するとともに、日々の記帳やスケジュール管理を適切に行うことが重要です。
ここでは、中小企業が押さえておきたい基本的な書類と、決算業務をスムーズに進めるポイントを解説します。


中小企業が押さえておきたい4つの計算書類
中小企業がまず押さえておきたいのは、計算書類の4点(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)です。
事業規模を問わず、会社の決算手続きを進めるうえで基本となる書類です。
また、貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書は、法人税の確定申告でも申告書に添付します。
これらの書類を正確に作成しておくことで、その後の決算・申告手続きもスムーズに進めやすくなります。

なお、貸借対照表や損益計算書に比べて見落とされやすいのが個別注記表です。
会計方針などを文章で補足する書類で、中小企業でも原則として作成が必要なため、忘れずに用意しておきましょう。

決算業務をスムーズに進めるポイント
決算業務をスムーズに進めるポイントは、決算期に特別なことをするより、日ごろの積み重ねと段取りを整えておくことです。
次の3点を意識しておくと、決算期の負担を大きく減らせます。

日々の記帳を正確に行う
取引をその都度記帳しておけば、決算期にまとめて処理する負担を減らせます。
会計ソフトで銀行口座やクレジットカードを連携すれば明細が自動で取り込まれますが、自動で提案・登録された勘定科目が適切とは限らないため、定期的に科目の割り当てを確認しておくと安心です。

月次で試算表を確認する
毎月、試算表で各科目の残高を確認しておくと、記帳漏れや科目誤りに早く気づけます。
特に前月や前年同月と大きく動いた科目に目を通すと、異常を見つけやすくなります。
決算期にまとめて確認するより、修正の負担を小さく抑えられます。

期限から逆算してスケジュールを組む
法人税の申告期限は原則として決算日の翌日から2カ月以内です。
株主総会の準備や、必要に応じて税理士へのデータ提出などもあるため、期限から逆算し、いつまでに記帳を締めるかを先に決めておくと慌てずに済みます。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
会計業務の効率化に、柔軟性と迅速性を発揮
財務・会計システム

MJSの財務・会計システムなら、仕訳入力とチェックをAIで自動化!他システムともシームレスに連携することでリアルタイムな経営判断が可能に。幅広い業種・業務や環境変化にも柔軟に対応します。

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決算報告書は、企業の経営成績や財政状態などをまとめ、株主への報告や経営判断などに活用される重要な書類です。
計算書類の種類や作成手順、株主総会・税務申告までのスケジュールをあらかじめ把握し、日々の記帳や月次での確認を積み重ねておくことで、決算業務をスムーズに進めやすくなります。
会計ソフトも活用しながら計画的に準備を進め、個別注記表の記載や必要な手続きなど判断に迷う点は、早めに税理士などの専門家へ確認しておきましょう。

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