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業務全般制度改正 最終更新日:2026/06/30

青色申告特別控除が最大75万円に!2027年からの変更点とe-Tax必須化への備え【令和8年度税制改正対応】

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  • 青色申告特別控除とは、青色申告者が一定の要件を満たした場合に所得から一定額を控除できる制度であり、令和8年度税制改正で最高控除額75万円が新設された。
  • 65万円控除と75万円控除はe-Taxによる電子申告が必須となり、紙申告では適用を受けられないため、個人事業主やフリーランスは電子申告への対応が重要である。
  • 75万円控除を受けるには、e-Taxによる電子申告に加え、優良な電子帳簿保存または電子取引データ保存の要件を満たす必要があり、2027年分からの適用に向けた事前準備が求められる。

令和8年度税制改正により、青色申告特別控除の制度が見直されました。
最高控除額75万円の新設に加え、65万円控除におけるe-Taxでの電子申告の必須化や、10万円控除の対象者の見直しなど、大きな変更が行われています。
これまで紙申告を行っていた個人事業主やフリーランスの方は、控除額に影響が生じる可能性があるため注意が必要です。
本記事では、青色申告特別控除の概要を確認したうえで、令和8年度税制改正による変更点や適用要件、75万円控除を受けるために必要な準備について解説します。

青色申告特別控除とは

青色申告特別控除とは、事業所得・不動産所得・山林所得がある個人事業主やフリーランスなどが、一定の要件を満たして青色申告を行った場合に、所得から一定額を控除できる制度です。
控除を受けるためには、複式簿記による記帳を行い、貸借対照表や損益計算書などを確定申告書に添付したうえで、期限内に申告する必要があります。
控除額は、帳簿の記帳方法や申告方法などに応じて段階的に設定されており、控除額が大きいほど課税所得が減少し、所得税や住民税の負担軽減につながります。

※関連記事:青色申告で所得税の負担を軽減!個人事業主が活用できる税制と所得税額のシミュレーション


青色申告特別控除の改正内容(令和8年度税制改正)
令和8年度税制改正により、青色申告特別控除に関する租税特別措置法の規定が改正されました。
青色申告特別控除には、10万円・65万円・75万円の3つの控除額があります。
控除額は、記帳方法や申告方法、電子帳簿保存への対応状況などによって異なり、要件を多く満たすほど控除額が大きくなります。
令和8年度税制改正では、これらの控除額や適用要件が見直されました。

改正後の適用要件の整理
改正後の控除額ごとの適用要件を整理すると、以下の通りです。
控除額 複式簿記
(正規の簿記)
貸借対照表と損益計算書等を添付 e-Taxでの電子申告 優良電子帳簿保存または電子取引データ保存
75万円
65万円
10万円 −(簡易な記帳でも可)
※10万円控除は、前々年の不動産所得または事業所得に係る総収入金額が1,000万円以下である場合に適用されます。
※参考資料:国税庁「65万円の青色申告特別控除の適用要件
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令和8年度税制改正による変更点

ここからは、令和8年度税制改正によって青色申告特別控除がどのように変わるのか、租税特別措置法の条文項目に従って主な変更点を確認していきます。


青色申告特別控除10万円の対象者縮小
10万円控除については、新設された第2項により適用対象者が見直されました。
前々年の不動産所得または事業所得に係る総収入金額が1,000万円を超える場合は、原則として10万円控除の適用対象から除外されます。
不動産所得と事業所得の両方がある場合は、それぞれの所得ごとに判定します。

第2項(新設)のポイント
改正前
規定なし。収入規模にかかわらず、青色申告者であれば10万円控除の適用対象。

改正後
前々年の不動産所得または事業所得に係る総収入金額が1,000万円を超える場合は、原則として10万円控除の適用対象外。


青色申告特別控除65万円におけるe-Taxの義務化
これまでは電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告のいずれかを満たせば65万円控除の適用を受けられましたが、改正後は、第4項により65万円控除を受けるためにe-Taxによる電子申告が必須要件となりました。
そのため、紙申告のままでは65万円控除や後述の75万円控除を受けることができず、控除額が大きく減少する可能性があります。
現在紙申告を行っている場合は、e-Taxへの対応を検討する必要があります。
また、旧第3項で認められていた55万円控除は廃止されています。

第4項のポイント
改正前(旧第3項)
複式簿記で記帳することで、55万円控除の適用対象。

改正後(第4項)
複式簿記で記帳、さらにe-Taxで電子申告することで、65万円控除の適用対象。


青色申告特別控除75万円の新設
新設された第5項により、65万円控除の適用を受ける者がさらに電子帳簿保存要件を満たす場合は、控除額を75万円まで引き上げることができるようになりました。
控除額が10万円増えると、所得税率10%・住民税率10%の場合は約2万円の税負担軽減効果があります。
この規定は、次のいずれかの要件を満たした場合に適用できます。

優良な電子帳簿保存
帳簿書類の電磁的記録の保存が、電子帳簿保存法第8条第4項の財務省令で定める要件を満たしている場合に適用できます。
主な要件として、仕訳帳・総勘定元帳について以下の要件を満たす必要があります。

  • 修正・削除履歴の保持
  • 相互関連付け
  • 検索機能
電子取引データ保存
以下の要件を満たす場合に適用できます。

  • 電子取引の取引情報に係る特定電磁的記録の保存に必要な措置を講じていること
  • 当該特定電磁的記録を保存していること
第5項のポイント
改正前
規定なし(電子帳簿保存またはe-Taxでの電子申告のいずれかを満たせば65万円控除の適用対象)。

改正後
65万円控除の適用対象、さらに優良な電子帳簿保存または電子取引データ保存のいずれかの要件を満たすことで、75万円控除の適用対象。


e-Taxでの電子申告の必須化
改正前は、e-Taxによる電子申告は65万円控除を受けるための要件のひとつとして位置付けられていました。
しかし、改正後は独立した第7項として規定され、第4項による65万円控除や第5項による75万円控除を受けるための必須要件となっています。
そのため、電子帳簿保存要件を満たしていても、e-Taxによる電子申告を行わなければ65万円控除や75万円控除の適用を受けることはできません。

第7項のポイント
改正前(旧第4項第2号)
e-Taxによる電子申告は、電子帳簿保存との選択要件のひとつであり、いずれかを満たせば65万円控除の適用対象となる。

改正後(第7項)
65万円控除および75万円控除は、e-Taxによる電子申告を行った場合に限り適用対象となる。
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2027年から75万円控除を受けるために準備すべきこと

今回の改正は、令和9年分(2027年分)以後の所得から適用されます。
そのため、2027年分から75万円控除の適用を受けるには、2027年1月以降の取引について、要件を満たした保存体制を整備しておく必要があります。
2026年中には、特に以下の点について準備を進めておくことが重要です。


e-Taxでの電子申告への対応状況を確認する
改正後は、65万円控除・75万円控除のいずれについても、e-Taxによる電子申告が必須となります。
既にe-Taxで申告している場合は大きな問題はありませんが、紙で申告している場合は、今回の改正を機にe-Taxへの切り替えを検討しましょう。
なお、e-Taxの利用開始には、マイナンバーカードや利用者識別番号の取得などが必要になる場合があります。申告期限の直前に慌てないよう、余裕をもって対応することが大切です。


優良な電子帳簿の要件を正確に把握する
75万円控除の適用を受けるためには、仕訳帳・総勘定元帳の電磁的記録が「電子帳簿保存法第8条第4項の財務省令で定める要件」を満たしている必要があります。
これらの要件は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則で定められています。

※関連記事:「優良な電子帳簿」とは?電子帳簿保存法で過少申告加算税や青色申告特別控除額が優遇される要件を解説!


使用している会計ソフトが要件を満たしているか確認する
使用している会計ソフトが訂正・削除履歴の確保、帳簿間の相互関連性、検索機能などの要件を満たしているかの確認も重要です。
会計ソフトのカタログや、ベンダーの問い合わせ窓口などを使って確認しておきましょう。
設定変更などが必要な場合、2027年1月から対象となる帳簿データの保存を開始できるよう、遅くとも2026年末までに完了させておくのが理想です。
システム導入には、設定や運用テストの期間が必要になるケースもあるため、早めに対応しましょう。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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2022年1月から施行された電子帳簿保存法の改正により、電子取引データの保存が義務化となりました。保存ルールや企業が対処すべき範囲とは?スケジュール概要や取り組むべきポイントを解説します。

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令和8年度税制改正により、青色申告特別控除は75万円控除の新設、65万円控除におけるe-Taxでの電子申告の必須化、10万円控除の対象者見直しなど、大きく見直されました。
特に75万円控除を受けるためには、e-Taxへの対応に加え、優良な電子帳簿保存または電子取引データ保存の要件を満たす必要があります。
2027年分から適用を受けたい場合は、2027年1月以降の取引について要件を満たした保存体制を整えられるよう、早めに準備を進めておきましょう。

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