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業務全般制度改正 2022/11/15

電子帳簿保存法とインボイス制度は併せて対応するのが正解!

令和5年12月31日までの猶予期間が設けられた電子取引の電子データ保存(電子帳簿保存法)、そして令和5年10月にスタートするインボイス制度。今回は、それらにスムーズに対応するための注意点やお勧めのシステムなどをご紹介します。

電子帳簿保存法とインボイス制度

令和3年に改正された電子帳簿保存法により、電子取引で発行される国税関連書類は電子データで保存することが義務づけられましたが、令和4年の税制改正で令和5年12月31日までの猶予期間が設けられ、安堵している経理担当者も多いでしょう。

とはいえ、油断は禁物です。この宥恕措置はあくまでも「やむを得ない事情がある」と認められる場合に限られるもので、延期ではないからです。
また、令和5年10月にはインボイス制度がスタートするため、結果として2つの制度にほぼ同時期に対応していくことになりそうです。

かえって準備が大変になったと感じられるかもしれませんが、経理業務をデジタル化・ペーパーレス化する絶好の機会と、ここは前向きに捉えて取り組みたいところです。

国税関係書類の保存方法の違いに注意

電子帳簿保存法とインボイス制度への対応を行う際、注意しなければならないのが「書類の保存方法の違い」です。

ご存じの通り、改正電子帳簿保存法では、電子取引によって発生した請求書・領収書などは「電子データとして保存」することが義務づけられています。

一方で、インボイス制度を定めた消費税法では、電子データとして受領した請求書・領収書などを「紙文書として保存」することが認められています。
この違いを把握することなく、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応を別々に進めてしまうと、国税関係書類について複数の保存ルールが社内に存在してしまい、業務の混乱や煩雑化を招きかねません。対応はひとつのプロジェクトとして実施し、業務フローや保存ルールの統一を図るのが正解と言えるでしょう。

幸いなことに、インボイス制度では、電子帳簿保存法の要件を満たせば国税関係書類を電子データとして保存できると定められているため、2つの制度への同時対応は決して難しくはないと言えます。

同時対応に向けて導入したいシステムとは

電子帳簿保存法とインボイス制度への対応をスムーズにするためには、電子帳簿保存法の要件を満たしながら、国税関係書類を電子データとして効率的に作成・保管できる環境を整えておきたいところです。

またインボイス制度では、3万円未満の少額取引についても請求書や領収書を保管しなければならないため、経理部門で処理すべき証憑が大幅に増えることも視野に入れておく必要があります。
そこでお勧めしておきたいサービスのひとつが「証憑書類のクラウド保管サービス」です。
スキャナ保存された証憑類や電子取引データを効率的かつ安全に保管管理できるシステムは、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応をスムーズにするために欠かせないIT基盤と言えるでしょう。電子帳簿保存法が定める保存要件を満たすことのできる機能は必須なので、サービス選定の際には必ずチェックしておきましょう。

インボイス制度に関して言えば「電子インボイスの発行・受領サービス」も見逃せません。
電子データとして発行される適格請求書(インボイス)を電子インボイスと呼びますが、その利点を最大限に活かすため、日本でも規格の標準化が進んでいます。このサービスは、電子インボイスの発行・送受信・保管を効率化するものです。電子帳簿保存法やインボイス制度、日本の標準規格に準拠していることが選定のポイントとなります。

また、財務会計、販売、請求、経費精算といった各種システムと連携できることも、選定においては重要なポイントとなるでしょう。
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電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は、経理部門のみならず、社内のさまざまな部署や社外取引先との調整が必要となる大きなプロジェクトです。電子化すべき書類の洗い出し、取引先の対応状況、業務フローの見直し、国税関係書類の保存ルールの策定、導入すべきシステムやサービスの選定など、長期的視点から計画的に取り組んでいく必要があります。令和5年10月のインボイス制度スタートまでに確実な対応を実現するために、まずは税務・税制やデジタル化に詳しいベンダーに相談することをお勧めします。

マンガで解説!2022年1月スタート「電子帳簿保存法の改正」
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