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経理/財務税務(税金・節税) 2019/11/12

中間申告に使える!法人税等における国税と地方税

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中間申告の時期になると、多くの企業は税務署や役所、都道府県税事務所などに申告書を提出する必要があります。国税と地方税では納付先のほか、税率や控除率なども異なります。それぞれの違いは経理担当者には必須の知識です。今回は、法人税における国税と地方税についてまとめました。

国税と地方税の違い

国に納める税金を「国税」、都道府県や市区町村などの地方公共団体に納める税金を「地方税」といいます。

■国税と地方税
税種別 分類
消費税 国/都道府県
酒税
所得税
法人税
住民税 都道府県/市町村
固定資産税 主に市町村
自動車税 都道府県
軽自動車税 市町村
相続税

なお、消費税は国に納める金額と地方公共団体に納める「地方消費税」の合算です。例えば、2019年10月から始まった軽減税率(8%)の内訳は、消費税率(国税)が6.24%、地方消費税率が1.76%です。この内訳は、経過措置の税率(8%)と標準税率(10%)でもそれぞれ異なります。会計ソフトなどを導入していれば混乱することはありませんが、税率それぞれの内訳が違うことは理解しておいてください。

「法人税等」とは

中間申告では、法人税や住民税、事業税などを処理するために、費用勘定として「法人税等」を使うことがあります。法人税等は大きく「法人税」、「地方法人税」、「法人住民税」、「法人事業税」、「特別法人事業税」に分けられており、納付先が異なります。それぞれの違いについて、表にまとめました。
  納税先 税金の対象
法人税 会社の事業所得
地方法人税 会社の事業所得
法人住民税 地方自治体 会社の所在
法人事業税 地方自治体 会社の事業所得
特別法人事業税 法人税事業税のち所得額割合もしくは収入割額の標準税率相当

続いて、それぞれの税金の詳細を説明します。

「法人税等」の種類

■法人税
会社の事業所得に対して、国に納める税金です。
法人税の税率は会社の資本金や所得総額によって異なります。なお、消費税率が引き上げられる一方で法人税率は引き下げられており、2015年3月末までは25.5%だった税率が、2019年現在23.2%となっています。また、資本金や所得金額が少なくなるほど税率も優遇されます。

資本金・所得金額別の法人税率
資本金 所得金額 税率
1億円超 23.2%
1億円以下 800万円超 23.2%
800万円以下 15.0%
※赤字の場合は税率0%

法人税は該当の事業年度の所得に上記の法人税率をかけることで算出します。この場合の所得とは企業会計における利益ではなく、税務上の所得金額のことを指します。

×企業会計における利益(収益―費用)
○税務における所得(益金―損金)

法人税の算出方法
所得×法人税率=法人税

■地方法人税
2014年に創設された「地方法人税法」によって課税が定められているのが地方法人税です。各地方団体の財源が均等になるよう、国が分配する地方交付税の財源として活用されています。

なお、地方法人税の税率は2019年10月1日に変更されています。

地方法人税の税率
課税事業年度 地方法人税の税率
2019年10月1日前に開始した課税事業年度 4.4%
2019年10月1日以後に開始した課税事業年度 10.3%
※出典:国税庁「地方法人税の税率の改正のお知らせ」

地方法人税の計算方法
法人税×地方法人税率=地方法人税

■法人住民税
個人に課される住民税と同じように、法人が籍を置く自治体に収める税金を法人住民税と言います。個人も住民も自治体から同じように公的なサービスを受けていることが課税の理由です。法人住民税の算出方法を確認していきましょう。

法人住民税の算出方法
住民税割(法人税×住民税率)+均等割=法人住民税

住民税割と均等割という2種類の税金の合算が法人住民税です。住民税率は自治体によって異なるほか、納付方法も東京23区とそれ以外で違いがあるので注意してください。算出は複雑な作業になるため、税理士などの専門家に任せることが一般的です。

■法人事業税
法人が、事業活動をするうえで必要な公共サービス(道路・港湾・警察・公共施設など)の運営経費を一部負担するための税金です。地方自治体に納付する必要がありますが、法人税と同じように赤字の場合は発生しません。

法人事業税の計算方法
所得×法人事業税率=法人事業税

法人事業税率は各自治体によって異なります。また、所得や事業開始年度などに区分けされており、こちらもそれぞれ税率が違うので確認しておきましょう。
なお、法人事業税は、支払った税額を翌年度の損金に算入することも可能です。

※出典:東京都主税局「法人事業税・法人都民税」

■特別法人事業税
地方法人特別税の廃止に伴って、2019年10月からスタートしたのが特別法人事業税です。特別法人事業税は、地方自治体が法人事業税と一緒に法人から徴収して国に納め、その後地方に再分配されることから国税という立ち位置になります。

特別法人事業税の算出方法
法人事業税(所得割・収入割)×税率=特別法人事業税

※税率
課税標準 法人の種類 税率
基準法人所得割額 外形標準課税法人
特別法人以外の法人
37%
外形標準課税法人 260%
特別法人 34.5%
基準法人収入割額 30%

※出典:東京都主税局「特別法人事業税の創設について」
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国税と地方税の違いについて、法人税に焦点を当てて解説しました。税金の処理は複雑なので税理士に任せることが推奨されています。ただし、ポイントを押さえておけば中間申告や本決算もスムーズに行えますので、基礎は身につけておきましょう。また、「法人事業税は損金算入できる」などの知識も管理会計を行う上で重要なので、ある程度把握しておく必要があります。

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