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税金/節税 2020/11/24

赤字でも税金は発生する?利益がない場合の税金事情とは

事業が赤字になってしまった場合、利益がないので税金も払う必要がない……と考えてしまいそうになりますが、実際はそうではありません。会社が支払う税金には、赤字になっても支払わなければならないものもあるのです。中には節税目的で赤字にする経営者もいるかと思いますが、赤字にすると逆に損をしてしまうパターンもあるので注意してください。今回は赤字状態でも支払うべき税金について解説します。

赤字と税金の大分類

収入と支出を計算した結果の儲けを、会計上は「利益」、税務上は「所得」と呼びます。赤字とは、年度末の決算で儲けが出なかった状態のことで、つまり利益も所得もない状況です。これに対して、企業が納めるべき税金には「当該年度の所得によって課税される」ものと、「所得とは関係なく課税される」ものがあり、後者に該当する課税はたとえ所得がなくても支払わなければなりません。残念ながら、「赤字であれば、その年の課税額はゼロ」というケースはあり得ません。

赤字だと課税されない税金

先述の通り、会社の所得に対して課せられる税金は、赤字の場合は課税されることはありません。その理由は、税額の算出方法にあります。

1.法人税
会社が納めるべき代表的な税金である「法人税」は、会社の「所得」に一定の税率(事業税率)を掛ける、「所得割」という算出方法を用いて計算します。そのため、所得がゼロの場合は納めるべき税金もゼロになります。

2.地方法人税
地方法人税は、先述した法人税額にさらに10.3%を乗じて税額を割り出します。当然、赤字で法人税がゼロの場合は、地方法人税もゼロになります。

3.法人事業税
法人事業税は、企業が事業活動を行うために設置している事務所・営業所のある都道府県に納める税金です。法人事業税は法人税と同じく、企業の所得金額に税率を掛けて算出します。そのため、赤字の場合、税額はゼロになります。

赤字でも課税される税金

赤字でも課税される税金は「均等割」によるものが一般的です。均等割とは、「所得に関係なく一定の税金を納める」ものです。つまり、所得が発生していなくても支払う義務があります。
また、消費税のように、所得とは関係なく課税されるものもあります。赤字でも課税される税金として、以下は注意しておく必要があります。

1.法人住民税
法人住民税は、「法人税割」と「均等割」という2つの計算方法で算出します。赤字の場合、法人税割による課税額は発生しませんが、先述の均等割分は支払う必要があります。
法人住民税における「均等割」は、法人の資本金と従業員の数によって課税額が変わります。また、課税の条件は自治体によって異なっており、例えば、東京都で最も課税額が少ない企業の条件は「資本金1,000万円以下」で「従業員50人以下」の法人です。この場合、赤字・黒字に関係なく年間7万円課税されることになります。

※出典:東京都主税局「均等割額の計算に関する明細書」

2.消費税
もともと、消費税の課税対象は法人ではなく、サービスや商品を購入した消費者です。販売元の法人は消費者から消費税を預かり、納付を代行するという仕組みのため、会社は売上がある限り消費者から預かった消費税を納めなければなりません。つまり、売上よりも経費が多いという赤字の場合でも、消費税を支払う義務があるのです。
消費税は提供したサービスの「売上×10%(軽減税率対象の場合は8%)」なので、年間の課税額は意外と大きくなりがちです。そのため、赤字企業は消費税が払えずに倒産することもあり得るのです。経営者や経理担当者はこの点に注視しなければなりません。

ただし、経費として外注先に支払った消費税が多い場合は、消費税の還付を受けることができます。販売者として預かっている消費税よりも、消費者として外注先に預けた消費税の方が多いというパターンです。この状況になった際は、確定申告期間中に税務署長へ消費税還付の申告書を提出することで、消費税が還付されます。
また、年間の売上が1,000万円未満の事業者や、事業開始から2年以内の事業者は免税されるので、赤字・黒字問わず、消費税を支払う必要はありません。

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赤字の場合に支払う税金について解説しました。本文で紹介した「消費税」と「法人住民税」については、月次決算時に試算表などを確認する際にも、毎回チェックしておくと安心です。税金は通常の出費とは性質が違うため、つい忘れがちになってしまいますが、キャッシュフローを検討する際にも忘れずに考慮しておいてください。

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