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人事/労務社会保険 2020/02/18

社会保険・労働保険等の電子申請が義務化へ。中小企業も今のうちから体制づくりを!

今年2020年4月から、特定の法人を対象に社会保険・労働保険の電子申請が義務化されます。行政手続きの電子申請を活用して、業務効率化やペーパーレス化を促進しましょう!

2020年4月から社会保険・労働保険の電子申請が義務化されます

ここはとある食品メーカーのカフェテラス。あちこちのテーブルでドリンクや軽食をつまみながら、従業員たちがノートPCを操作したり、打ち合わせをしたりしています。総務部労務課長のNさんがコーヒー片手にキーボードをたたいていると、行政手続きで外出していた労務課のKさんがやってきました。

Kさん「おっと、N課長、休憩ですか」

N課長「休憩する人はノートPCなんか持ち歩かないんだよ。まあ、Kさんもお疲れ。休憩したら?」

Kさん「そのつもりですよぅ」
Kさん「確か、社会保険・労働保険に関する手続きの一部が、って話ですよねぇ」
Kさん「いいじゃないですか、電子申請。手続きで行政窓口回らなくても良いんですよね」

N課長「と言っても、義務化の対象となるのは資本金1億円以上とかの特定の法人だけなんだけどね」

Kさん「あ、そうなんですか。じゃあ、うちの会社は関係ないのかぁ」

N課長「それが、そうでもないんだな~」

Kさん「???」

将来的な全企業義務化に向けて中小企業も電子申請の準備を

2020年4月から始まる社会保険・労働保険の電子申請義務化は、資本金1億円以上などの特定の法人を対象にしたものですが、厚生労働省の『「行政手続コスト」削減のための基本計画』には、「義務化の要件に該当しない事業所についても、あわせて電子申請への移行を促すこととする。」と記されています。


N課長「つまり、時期は未定だけど、」
N課長「とは言え、まだ使うなと言われているわけでもないし」

Kさん「というと?」
Kさん「いえ~い!」

N課長「いえ~いって、Kさん?」

Kさん「良いじゃないですか、電子申請で業務効率化。私はですね、真冬や真夏に行政手続きで外出したくないんですよ。エアコンの効いたオフィスに居たいんです!」

N課長「・・・まあ、分かるけどさ。でも実際の話、パソコンとインターネットさえあれば、いつでもどこからでも申請できるのは便利だよね。今日のKさんみたいに、複数の窓口を回る必要もなくなるし」

Kさん「電子申請ってことは、申請書や届出書を手書きする必要もないんですよね。それってかなりの業務効率化になりますよ」

N課長「それほど難しいシステムじゃないんだから、メリットを考えればもっと普及しても良いと思うんだよね」

行政手続きの電子申請には総務省の運営する「e-Gov」を利用します

社会保険・労働保険の電子申請、と言っても、実際にはどのように利用するのでしょうか? 利用に際してはどんな準備が必要なのでしょうか? 電子申請という言葉だけが一人歩きして、具体的なことはあまり知られていないようです。

Kさん「そもそも、社会保険・労働保険の電子申請って、どんな風に利用するんですか?」

N課長「それはね、」
Kさん「ポータルサイトのサービスっていうことは、Webブラウザから入力して申請できるんですよね。よくある申し込みフォームや問い合わせフォームみたいに」

N課長「使ってみた感じでは、業務ソフトの入力画面に近いかな。見た目は普段使っている申請書の様式になってるし、画面の指示に従って入力すれば完成するし、入力チェック機能もある」

Kさん「入力ミスが減るのは良いですねぇ。怒られずにすみます」

N課長「うん、まずは怒られない努力をしような」

Kさん「努力したら業務効率化にならないじゃないですか」

N課長「ええ〜、そうかなあ。まあ、もっと業務を楽にするなら、API連携に対応したシステムを使うという手もあるけどね」

Kさん「API連携?」

N課長「ソフトウェアから直接必要なデータを連携させる機能だよ」
N課長「そういうこと。手入力や二重入力、入力ミスをいかに減らすかは、業務効率化のキモだからね」

e-Govの電子申請サービスは初心者向けガイダンスが充実しています

e-Govの電子申請サービスは、厚生労働省管轄の社会保険や労働保険はもちろん、経済産業省、金融庁、国土交通省、環境省、警察庁など、幅広い行政手続きに利用できるようになっており、対応する手続きの数は今後さらに充実していく予定です。

Kさん「e-Govの電子申請サービスって、保険関連以外にもいろいろあるんですね」
課長「例えば、動作環境の整備。OSが対応しているかとか、Webブラウザに必要な設定をするとか、アプリケーションをインストールするとか」

Kさん「はい、出ました!私の苦手そうなやつ!」

N課長「いやいや、」
Kさん「ホントかなあ」

N課長「ほら見て、e-Govの電子申請のページ。紙芝居形式の初心者ガイドがあるし、利用準備はチェックリストに従って進めていけばいいし、使い始めてからも、詳しいユーザーガイドやマニュアルが充実してるんだよ」

Kさん「確かに。これなら私でも使いこなせるかも」

電子申請にはAPI連携に対応した社会保険業務システムがおすすめです

社会保険・労働保険の電子申請義務化に伴い、多くの給与システムや社会保険業務システムがe-Govの電子申請サービスに対応し始めています。


Kさん「ウチの会社の給与システムは、社会保険や労働保険の機能ってついてますよね。電子申請には対応してるんですか?」

N課長「残念ながら、対応してないんだよね」

Kさん「じゃあ、対応している給与システムに入れ替えましょうよ。私、楽をすることについては全力ですよ!」

N課長「ちょっと待った、ちょっと待った」

Kさん「なんですか、稟議書だったら、私書きますよ!」
N課長「e-Govに対応した社会保険業務システムがあるから、それを導入して、給与システムと連携させようと企画中なんだ」

Kさんさん「課長も、楽をすることについては全力ってわけですね!」

N課長「それ、イメージ悪いなあ…。でもまあ、ウチの会社は保険関連の手続き業務が結構多いからね、電子申請にトライするなら徹底的にやろうってこと」
Kさん「業務効率化するなら徹底的に、ですね」

N課長「中途半端に業務効率化しても、後々、上手くいかなくなることが多いからね。数年後に状況がアップデートされることを見越してやらなくちゃ」
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