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経営計画 2018/01/30

ざっくりわかる会計用語!簡単解説「連結決算」

新聞や各種メディアをにぎわせている話題の財務会計用語。知っているようで深い意味はわからないという用語もたくさんあることでしょう。
そんな気になる財務会計用語をピックアップして、わかりやすく解説していくシリーズ。
第2弾は、「連結決算」です。完全連結化による子会社化や完全連結化から外すことのメリット。その背後に潜む企業の思惑にも言及していきます。

連結決算とは

連結決算とは、親会社とその子会社も含めた関係グループ会社を単一の企業とみなして行う決算のこと。グループ全体で作成される損益計算書(P/L)や賃借対照表(B/S)などの財務諸表を連結財務諸表と呼びます。

関係会社は、決算への連結方式によって「連結子会社」と「持分法適用会社」に分けられます。連結子会社とは、親会社による出資比率(議決権のある株式の保有比率)が50%超の会社。決算書は親会社と一体化する「完全連結」と言われる方式をとります。

一方、持分法適用会社は親会社の出資比率が20%〜50%の会社。決算書は連結子会社のように一体化せず、親会社の出資率に応じて一項目のみで連結決算に反映する「一行連結」という方式をとります。ただし、これらはあくまで原則で、親会社の実質的な影響力によって出資比率が低くても連結子会社になるケースもあります。

連結決算の目的

かつて日本では単体決算が主流で、連結決算はあまり重要視されませんでした。
しかし、関係会社を使った利益の架空計上や損失の「飛ばし」行為が横行し、決算書の信頼性が揺らいだのを契機に、近年はグループ全体を一つの企業とみなす連結決算が重要視されるようになりました。

また、現在の企業は多数の事業部を持つうえ、子会社化や分社化など多様な企業形態をなしています。こうした企業がそれぞれ個別に決算をした場合、企業間の関係性がわからずグループとしての実態をつかみづらくなります。
そんな状態では市場や株主から評価されることは難しいと言えるでしょう。
企業の実態を見えやすくし、粉飾決算などの不正を食い止めることや、市場からの支持を得やすくすることが連結化の大きな目的です。

例えば、親会社が8億円の製造原価をかけて10億円のシステム機器を開発し、子会社に10億円で販売したとします。この時、親会社の利益は売上高から原価を引いて2億円となります。
しかし、親会社・子会社を合わせた「連結ベース」でみたグループの利益はどうでしょう。子会社に半ば強制的に売っただけでグループ外に売ったわけではありません。これを「連結ベース」として利益に計上するのは問題がありそうです。
売上高と製造原価を相殺して利益を消去するなど、調整が必要です。

つまり、単体ベースでは2億円の利益を出せてしまいますが、連結ベースでは企業の実力を正しく反映するために利益は0となります。新聞などのメディアでは、単体ベースではなくほとんど連結ベースで記載されるようになったのも、そうした理由からです。

デメリットも

連結決算が主流になり、上場企業は作成した決算書について、公認会計士または監査法人による監査証明を受ける必要もあります。 企業の不正を防ぐ目的で導入された連結決算ですが、それでも粉飾決算はなくなりません。
経営形態が複雑になるほど、粉飾の手口も複雑化し、抜け道も作られていきます。最後に粉飾決算の代表的な手口である「連結外し」について解説します。

例えば、連結ベースで赤字になりそうな企業グループがあるとします。大量の在庫を子会社に販売しても利益計上できません。そこで、親会社の社長が全額出資した会社を新たに設立し、その会社に在庫を販売します。親会社の出資は受けていないので連結対象外とし、グループ企業に利益を計上するという手口です。

しかし、現在の連結会計基準では、親会社からの出資がなかったとしても、親会社の社長が全額出資した会社も外部ではなく子会社と見なされるようになりました。ですから、このケースでも連結ベースでの利益計上はできません。しかし、間に投資事業組合やその傘下となる子会社を設立するなど、その手口はますます巧妙化しています。複雑化する抜け道をいかに見つけ対処するか。企業のみならず社会全体の課題となっています。
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経営形態が多様化し、単体では企業価値を正しく精査するのが難しい時代。連結決算や連結ベースでの発表は必然と言えます。
その反面で、粉飾決算の手口も巧妙化し、大きな社会問題となっています。
会社の数値を正しく導ける経理、厳しい監査を全うできる会計士がこれまで以上に求められています。
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