新米経理の会計奮闘記 登場人物
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山本理子
ようやく経理担当になったものの、分からないことだらけ。毎回様々な経理問題に頭を悩ます。曲がったことが大嫌い。
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吉田経男
毎回経理問題を引き起こす営業部員。おっちょこちょいでずる賢い一面もあるが、本当はやさしい男。
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会計仙人
突如現れて、会計問題をわかりやすく解説してくれる謎の仙人。仏陀の会計担当だったらしい。
新米経理の山本理子が社内で巻き起こる様々な経理問題に挑む会計奮闘記。
毎回、突如現れる会計仙人が経理問題を分かりやすく解説してくれるお悩み解決ストーリーの第6回目です。
今回は、会社の利益を増やす方法について、会計仙人のご託宣が炸裂!さて、理子と吉田の反応はいかに?
コスト削減が利益の近道?
と、その時、どこからともなく重厚な太鼓が鳴り響き、鬱蒼とした霧に包まれた仙人が舞い降りてきた。
会計仙人、現わる!
利益を増やす4つの方法
- 固定費を削減する
- 商品の販売量を増やす
- 商品の単価を上げる
- 商品の原価を減らす
- 売上高100万円(1個100円×1万個)
- 原価75万円(1個75円×1万個)
- 粗利25万円
- 固定費25万円
売上高100万円−原価75万円
=粗利25万円−固定費25万円
=利益0円
固定費25万円→20万円 20%削減!
売上高:1個100円×1万個=100万円
原価:1個75円×1万個=75万円
粗利:売上高100万円−原価75万円=25万円
利益:粗利25万円−固定費25万円=0円
売上高:1個100円×1万2000個=120万円
原価:1個75円×1万2000個=90万円
粗利:売上高120万円−原価90万円=30万円
利益:粗利30万円ー固定費25万円=5万円
販売数量1万個→1万2000個 20%アップ!
売上高:1個100円×1万個=100万円
原価:1個75円×1万個=75万円
粗利:売上高100万円−原価75万円=25万円
利益:粗利25万円−固定費25万円=0円
売上高:1個105円×1万個=105万円
原価:1個75円×1万個=75万円
粗利:売上高105万円−原価75万円=30万円
利益:粗利30万円−固定費25万円=5万円
単価100円→105円 5%アップ!
売上高:1個100円×1万個=100万円
原価:1個75円×1万個=75万円
粗利:売上高100万円−原価75万円=25万円
利益:粗利25万円−固定費25万円=0円
売上高:1個100円×1万個=100万円
原価:1個70円×1万個=70万円
粗利:売上高100万円−原価70万円=30万円
利益:粗利30万円−固定費25万円=5万円
原価75万円→70万円 6.7%削減!
- 固定費25万円→20万円 20%削減!
- 販売数量1万個→1万2000個 20%アップ!
- 単価100円→105円 5%アップ!
- 原価を75万円→70万円 6.7%削減!
値引は愚策?
売上高:1個100円×1万個=100万円
原価:1個75円×1万個=75万円
粗利:売上高100万円−原価75万円=25万円
利益:粗利25万円−固定費25万円=0円
売上高:1個90円×1万個=90万円
原価:1個75円×1万個=75万円
粗利:売上高90万円−原価75万円=15万円
利益:粗利15万円−固定費25万円=−10万円
※パチョーリ:近代会計学の父と言われるルカ・パチョーリ
※例題は「合わせて学ぶ会計&ファイナンス入門」を参考に作成しました。
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久しぶりの会計仙人のレクチャー、いかがでしたか。利益を上げるための最も効果的な策は、商品単価を上げること。そのためには、自社の商品価値を高めなくてはなりません。競合他社商品との比較分析によって、自社商品の強みと弱み、市場優位性についてしっかり把握する必要があります。そのための数字的な資料を作成するなど、各部署の中心的な役割を担うのがこれからの経理です。まずは、自社の商品・サービスについて分析してみて下さい。
例によって理子が営業の吉田経男に食ってかかっている。