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消費税 2020/08/18

中間申告が延長できる!消費税の対策を知って2020年を乗り切る

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「消費税が払えず倒産してしまった」と聞くと、「そんなことありえないだろう」と思いがちですが、実際のところ、このケースはそれほど珍しくありません。特にスタートアップの企業においては、消費税が資金繰りに大きく影響します。こういった企業の負担を減らすため、消費税は分納できる仕組みになっています。さらに2020年は新型コロナウイルスの影響で消費税の中間申告の延長が認められることになりました。
今回は消費税の分納と、2020年の中間申告の状況について解説します。

消費税の中間申告とは

消費税の課税期間は原則1年です。ただし、一度に納める税額が大きくなってしまうと、資金がショートしてしまう企業も少なくありません。このリスクを減らすため、消費税は年に1~3回に分割して納付できる仕組みになっています。これを「中間申告」といいます。
また、中間申告で納税した税額を「中間納付税額」、確定申告で算出した年間の税額を「年税額」、消費税の確定申告書を提出することよって確定した税額を「確定税額」といいます。

年間で中間申告が可能な回数は、年税額を基準にして各企業ごとに決まっています。

■全事業年度納税額(国税)と申告回数
年税額(国税) 中間申告回数 納付期間(3月期末) 一回の納税額
48万円以下 0回
48万円超~4000万円以下 1回 10月1~11月30日 1/2
4000万円超~4800万円以下 3回 7月1日~8月31日
10月1日~11月30日
1月1日~2月28日
1/4
4800万円超 11回 毎月 1/12

なお、消費税には「国税」と「地方税」の2種類がありますが、申告回数の対象となるのは国税のみです。

※出典:国税庁「中間申告の方法」

2020年は消費税の中間申告が延長

企業のリスクを減らすために設定されている中間申告ですが、2020年は新型コロナウイルスの影響により、手続きが間に合わない企業が増えると懸念されています。そのため、国税庁は2020年に限り、企業の都合による個別の中間申告の延長を以下の通り認めています。

■中間申告の延長が認められる条件
  • 在宅勤務を要請している自治体に住む社員・役員がいる
  • 感染拡大防止のために外出を控え、在宅勤務を推奨している
  • 事業活動を縮小している

社内に感染者や体調不良者が発生した場合だけでなく、取引先を含む幅広い範囲で通常の業務体制を維持できない場合も含めて認められているのがポイントです。

■延長期限
延長期限は申告・納付ができない原因が解消した日から2カ月以内です。国税庁は通常の業務に支障がなくなった時点で申告するよう推奨しています。

■中間申告を延長するための手続き
申請書などの特別な書類は必要ありません。消費税の申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延⻑申請」と付記して、納付時に送付するだけで延長が認められます。これは本来の提出期限後であっても可能で、提出できる時点で対応すれば問題ありません。

※出典:国税庁「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限と源泉所得税の納付期限の個別指定による期限延⻑⼿続に関するFAQ」

消費税を含む国税の猶予制度

中間申告の延長をしても、事業が成り立たないという場合、消費税を含む国税の猶予制度を活用することもできます。猶予制度は、事業の継続や生活が困難になった際、税務署に申請することで最大1年間、国税の納付が猶予される制度です。2020年2月1日~2021年3月1日が納期限の国税については、下記が要件となります。

■猶予制度の要件
  • 新型コロナウイルスの影響で、2020年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等の収入が、前年同期と比較して約20%以上減少していること。

上記の要件を満たしている場合、所轄の税務署に申請することで、期限から1年間、納税の猶予(特例猶予)が認められます(新型コロナ税特法第3条)。猶予期間中の延滞税は全額免除されます。

※出典:国税庁「新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ」

消費税の申告方式

ここからは消費税の申告について知るためのポイントとして、2つの申告方式について解説します。消費税の申告方式には「予定申告方式」と「仮決算方式」があり、それぞれ、計算方法と還付金発生の有無、事務負担の大きさが異なります。

■予定申告方式
確定申告で明らかになった消費税額をもとに税務署から申請書が届き、その申請書に沿って期限内に納付する方法が予定申告方式です。税額の算出が税務署側で実施されることや、払い過ぎても確定申告時に還付金が返ってくることから、一般的には予定申告方式を採用する企業が多いとされています。

■仮決算方式
先述した中間申告の1期間(1回なら半年ごと、3回なら4半期ごと)を事業年度と見なして、消費税額を計算する方法です。時期ごとに適した消費税を納付できるため、前年度から大幅に業績が悪化した企業などは、キャッシュを確保するために仮決算方式を採用するケースがあります。ただし、企業自らが消費税額を計算して納付する必要があり、申告の際は、本決算と同様に「消費税及び地方諸費税の確定申告書」を作成しなければなりません。そのほか、万が一、仮決算方式による申告で消費税を払いすぎてしまったとしても、還付を受けられないというデメリットもあります。

経営が安定しているのであれば、予定申告方式を採用していれば間違いありませんが、資金繰りに暗雲が立ち込めて来た場合は、仮決算方式に切り替えるという選択も必要です。状況を見極めて判断するようにしてください。

※関連記事:法人税・消費税の中間申告。会社経営への活用ポイントは?
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消費税に頭を悩ませている経理担当者にとって、新型コロナウイルスの影響はさらに大きな打撃となったかと思います。このような状況だからこそ、延長措置や猶予制度を正しく活用し、資金不足への対策を整えてください。
この先も、新型コロナウイルス関連で、様々な制度に特例が出たり、制度自体が新設されたりと、納税関連の状況も例年と大きく変わっていくことが予想されます。情報収集をうまく行い、場合によっては納税方式の変更も検討したりと、臨機応変に対応するのがこの時期を乗り越えるポイントとなるでしょう。

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