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会計処理 2021/06/08

その領収書、本当に証憑になる?経費計上における領収書のQ&A!

経費計上する際は、その取引を証明するための証憑が必要になります。特に領収書は経費計上に最もよく使われる証憑です。では、領収書はどんな内容であっても証憑として認められるのでしょうか。実は領収書も、もらい方によってはトラブルの原因になることがあります。
今回は経費処理に使う領収書に関する注意点をQ&A形式で紹介します。

証憑として認められる領収書の内容とは

経費計上の際は、その取引が「実際に行われたのか」、「事業に必要なものだったのか」を証明する必要があります。そのためによく利用されている証憑が領収書です。言い換えれば、取引の正当性を証明できなければ領収書が証憑として通用しないケースもあるということです。では、領収書に必要な記載事項はどのようなものでしょうか。重要なのは以下の要素です。
  • 取引が行われた日付
  • 宛名
  • 金額
  • 取引の内容(但し書き)
  • 発行者の住所と氏名

上記の項目は必ずしもすべて記載されていなければ証憑として認められないということではありません。例えば日付、金額、取引先の情報しか記載がなかったとしても、税務署から指摘を受けた際にどのような内容の取引だったのかを説明できれば問題ないのです。ただし、最初から領収書に必要事項が網羅されていれば説得力は高くなり、税務署から指摘を受けること自体が少なくなります。

インボイスや電子保存法における対策

消費税増税に伴う適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されると、領収書に記載する項目はさらに増えます。追加される項目は以下の通りです。
  • 適格請求書発行事業者の登録番号
  • 軽減税率の対象品目かどうか(「※」印等をつけることにより明記)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び適用税率
  • 税率ごとに区分して合計した消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額)

上記は証憑として必要な情報になります。タクシー、小売といった交通費や雑費として処理する経費の領収書も、「簡易インボイス」に該当するケースが多いので注意しなければなりません。

また、領収書を電子帳簿保存法に従って保存したいという場合は、以下のような対応が必要です。
  • 領収書は解像度が200dpi以上、及び24ビットカラー以上のカラー画像での読み取りで保存する
  • 領収書の画像データのタイムスタンプ付与は3営業日以内に行う
  • タイムスタンプ付与後、第三者の定期検査が終了したタイミングで領収書の原本を破棄する

上記を満たしていない場合、経費計上できる領収書として認められない可能性があるので気を付けましょう。

※関連記事:懸念だらけのインボイス制度。今からできる対策とは?
以下からは、領収書にまつわる疑問点をQ&A形式でご紹介します。

領収書にまつわるQ&A

Q:経費計上するためにはどのような領収書が望ましいですか?
先述した通り、領収書をもらう目的は取引の正当性の証明です。そのためには日付や宛名などの項目が漏れなく記載されている必要があります。他にも業種などによって必要な記載事項がある場合は、取引先に追記をお願いするよう、営業担当者などに周知しておくことが大事です。また、5万円以上の領収書には収入印紙が貼られている必要があるので注意しましょう。
Q:時間が経って領収書の印字が掠れてきてしまっても、証憑として認められますか?
青色申告の場合、領収書の保存期間は7年間と決められています。また、決算が赤字となり欠損金の繰越控除を利用する際は、領収書は10年間の保管が必要となります。この長さを現物保存していると、印刷の文字が掠れてくるなどの劣化が起こることがあります。特に感熱紙タイプの領収書は強い光に当たると印字が消えてしまうため、日光に当たらないようにするなどの注意が必要です。
万が一完全に文字が読めなくなってしまった場合、その領収書だけでは証憑とすることはできません。このようなケースに備えて、領収書とともに以下のような詳細のわかるものを保存しておけば問題ありません。
  • 出金伝票に記載された取引の詳細内容
  • クレジットカードの請求明細
Q:レシートも証憑として認められますか?

結論から言えば、レシートも経費計上の際の証憑に認められます。レシートは取引内容の細かい項目まで書かれていることが多いので、場合によっては領収書よりも証憑としてふさわしいことがあります。
なお、レシートの他にも代引きの受領書や、銀行振込時の振込依頼書、払込受領書は証憑として認められる場合があります。ただし納品書の場合は一般的に支払い金額が記載されないので、領収書の代わりにはなりません。
Q:インボイスの対応時は、領収書とレシートのどちらが証憑に適していますか?
原則としては領収書もレシートも証憑として認められます。ただし、間違いが少ないと思われるのは、実は領収書ではなくレシートです。手書きで発行されることが多い領収書の場合、インボイス対応により記載事項が増えることで、記入漏れや記載ミスが増える可能性が懸念されています。特に2026年10月のインボイス制度の導入直後の時期は、不手際が増加することも予想されています。
レシートであれば機械が印字するため、ヒューマンエラーが起こりにくいほか、記載内容が充実しているのでインボイス対応には適しているとされています。
Q:領収書に押印は必要ないのですか?
手書きの領収書にこだわる人は「押印」が必要だと誤解していることが多いですが、実は発行者の印鑑を領収書に押印しなければならないという規定はありません。
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経費計上における領収書をめぐる注意点についてQ&A形式で紹介しました。領収書は取引の証明となるものです。誰が見ても、いつ誰とどんな取引が行われたかがわかるような内容であるのが理想ですが、そこまで記載内容が充実していなくても、他の資料や口頭での補足で詳細を説明できるようにしておきましょう。
また、保存方法や各制度への対応など、記載内容以外にも注意するべき点があることもおわかりいただけたかと思います。領収書は正しく取得、保管して、適切に経費計上を行うようにしてください。

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