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経理/財務会計処理 2019/04/18

賢く使って負担軽減! マイル・ポイントの会計処理を仕訳例付きで解説

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新幹線、タクシー、航空チケットの割引や、レストランの優待価格利用など、うれしい特典が満載の「法人用クレジットカード(以下法人カード)」。賢く使えば、経費削減だけでなく、「給料の仮払い処理がなくなる」、「帳簿作成を簡易化できる」など、経理担当者にとっては心強い味方です。しかし、法人カードのマイルやポイントに関する会計処理への理解が曖昧な経理担当者も多いのではないでしょうか。今回は、具体的な仕訳を例に挙げながらその方法を解説していきます。日々の業務の再確認に活用してください。

マイルやポイントの会計処理を定めたルールはない

航空機の利用などで貯まる「マイル(マイレージ)」と、法人カードの決済で付与される「ポイント」は、会計処理上では同じものとされています。実はこういったマイルやポイントを使用した際の会計処理方法は厳密な規定が存在せず、各企業がそれぞれのルールで処理しているのが現状です。多くの場合、「値引処理」と「収入処理」のどちらかの方法を取るのが一般的です。

処理方法1:仕入値引で処理する

マイル・ポイントの処理方法としてまず挙げられるのが「仕入値引」です。仕入値引とは商品購入後に仕入価格から値引があった際に行う会計処理のことで、商品が不良品だったり、商品点数に不足があったり、大量購入によるボリュームディスカウントがあったりといった際に使用されます。例えば、100万円の備品を掛けで購入したときに10万円のボリュームディスカウントを受けたときは以下のように仕訳します。

■掛けで購入後、ボリュームディスカウントを受けたときの仕訳
借方 貸方
仕入高     ¥1,000,000 買掛金     ¥900,000
仕入値引    ¥100,000

これを「実際に使ったポイント=値引された価格」と捉えることで、法人カードのポイントを使った際も上記と同じような仕訳ができます。 例えば、6万円の商品を現金5万円とポイント1万円分を使って購入した場合、次のようになります。

■現金とポイントで物品を購入したときの仕訳
借方 貸方
消耗品費     ¥60,000 現金       ¥50,000
仕入値引     ¥10,000

この方法が一番わかりやすく、丁寧な仕訳になります。
また、あらかじめポイントの使用分の金額を差し引くことで、仕入値引の勘定科目を使わずに処理することも可能です。

■使用ポイントを購入額から差し引いたときの仕訳
借方 貸方
消耗品費     ¥50,000 現金       ¥50,000

なお、全額をポイントで支払った場合は、会計処理しないことが一般的です。

処理方法2:雑収入で処理する

ポイントで支払えるのは、形がある商品だけとは限りません。飲食代や交通費として使用した場合は雑収入として処理することが一般的です。続いては使用ポイントを「雑収入」として処理する仕訳をご紹介します。
仕訳方法は以下の通りです。

■法人カードで決済した交通費の一部をポイントで支払い、雑収入で処理する仕訳
借方 貸方
旅費交通費     ¥60,000 未払金       ¥50,000
雑収入       ¥10,000

こちらは仕入値引とは異なり、全額をポイントで購入したケースでも、雑収入として処理する必要があります。

■交通費の全額をポイントで支払い、雑収入として処理する仕訳
借方 貸方
旅費交通費     ¥50,000 雑収入       ¥50,000

ケースバイケースですが、基本的には仕入値引と雑収入のどちらでも処理は可能となります。 ただし、もともとの購入金額が10万円を超える場合は、値引とするか収入とするかによって「10万円未満=消耗品費」、「10万円以上=減価償却費」と借方の勘定科目が変わる場合もあります。また、露骨に売上を多く見せるため収入扱いにしようとすると、外部監査で指摘を受ける可能性もあるので注意が必要です。

マイル・ポイントを付与されたときの会計処理は必要?

ここまでポイントを利用した際の会計処理についてご説明しましたが、「ポイントを付与された際」にも会計処理は必要なのでしょうか。 厳密に言えば、ポイントを付与された際も「雑収入」などでの会計処理が必要です。しかし、現実的にはほとんど行われていません。ポイントは法人カードを利用する度に付与され、また有効期限が過ぎれば失効してしまいます。そのすべての経過を会計処理するとなると、作業量が膨大となる恐れがあるからです。 また、国税庁に提出しなければならない支払調書(=法定調書)にポイントやマイルに関する規定はありません。そのため税務調査時にチェックされる可能性も低く、帳簿を作成する必要がないと考えられています。
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マイル・ポイントについては、特に中小企業の経理担当者や経営陣が見落としがちなものでもあります。これを機に自社の対応を再確認し、ルールが整備されていなかったり曖昧だったりした場合は、しっかりとした指針を作成してください。それに則って処理することで、法人カード利用で得られる「経費精算の負担軽減」というメリットを十分に活かせるようになります。

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