そもそも年末調整はどんな目的で行われるのでしょうか。
会社に勤めている方は、毎月の給与を受け取る際、あらかじめ所得税が差し引かれています。これを源泉徴収と言い、源泉徴収された税額のことを源泉徴収税額と言います。
差し引かれる所得税は、「月の給与額」、「その月の社会保険料」、「扶養している人の有無や人数」の3項目をもとに源泉徴収税額表に当てはめて求めますが、これはその人がその年はこれくらいの税額になるという想定のもとで算出された概算です。
つまり源泉徴収とは、会社が窓口となって社員全員の所得税の概算を前もって給与から天引きし、まとめて納税するシステムなのです。
※参考資料:給与所得の源泉徴収税額表
このように、会社が納税を代行することでスムーズな納税が可能となった一方、実際の年税額とはどうしてもズレが生じます。所得税の年税額は、1月から12月までの給与と賞与の合計から、給与所得控除額を差し引き、さらに社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除などを差し引いた金額に対して算出されます。この年税額と、前もって毎月の給与から天引きしてある源泉徴収税額の合計を比較して、差額を調整するのが年末調整となります。年税額が多い場合は社員に還付され、少ない場合は追加徴収してズレを調整するのです。
人事/労務年末調整 2021/08/10
年末調整とは?確定申告との違いは?給与所得者が行う確定申告についても簡単解説
ほとんどの会社員が関わる年末調整。そもそも年末調整はなぜ行うのでしょうか?今回は年末調整を行う理由や控除額の計算方法、申請の流れなどを解説いたします。この記事が多忙な年末に年末調整申告がスムーズに進むきかっけになれば幸いです。
- 投稿日:2018/11/13
- 更新日:2021/08/10
年末調整とは
確定申告との違い
その年の所得税の年税額を算出し、所得税を納めるという点で年末調整と確定申告は同じ目的と言えます。両者の違いはどこにあるのでしょうか。先述したように、年末調整は会社員、契約社員、アルバイトなどの給与取得者の納税を会社が代行するものです。一方、確定申告は個人事業主が自ら行うものとなります。
二カ所以上の勤務先から給与収入がある場合はメインの会社で年末調整を行いますが、従たる給与収入を合算して20万円を超えている場合は給与取得者であっても確定申告が必要となります。なお、一つの会社のみで給与を取得している場合でも、その年の年収が2,000万円を超える人は、年末調整は受けられず、確定申告を行う必要があります。
また、次のような控除は、年末調整では受けられないので、控除を受けたい方は確定申告が必要となります。
※関連記事:確定申告が必要な人、必要のない人
二カ所以上の勤務先から給与収入がある場合はメインの会社で年末調整を行いますが、従たる給与収入を合算して20万円を超えている場合は給与取得者であっても確定申告が必要となります。なお、一つの会社のみで給与を取得している場合でも、その年の年収が2,000万円を超える人は、年末調整は受けられず、確定申告を行う必要があります。
また、次のような控除は、年末調整では受けられないので、控除を受けたい方は確定申告が必要となります。
- 医療費控除
- 寄附金控除
- 雑損控除
- 住宅取得等の減税控除
※適用初年度のみ。適用2年目以降は年末調整でも控除を受けられます。
※関連記事:確定申告が必要な人、必要のない人
社員の協力が重要
年末の忙しい時期に行う年末調整。いかにスムーズに処理するかは経理担当にとって大きなテーマです。年末調整は、会社が社員の税額を計算して納税を代行すると先述しましたが、その元となる書類に社員が記入する形で申告してもらう必要があります。
例えば、所得控除、住宅ローン控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、寡婦控除、生命保険料控除、地震保険料控除に対しては、申請書や領収書での申請が必要です。住宅ローン控除は、住宅を取得した初年度は確定申告を行う必要がありますが、2年目からは年末調整で処理できます。年末調整で控除を受けるためには、社員による申告書類の提出が不可欠です。
このように、年末調整に必要な多くの書類は社員からの申告・提出が必要となります。スムーズな進行のためには、社員の協力が欠かせません。しかし、それぞれ自分の業務がある中、慣れない申告書類を記入して提出するのは、どうしても遅くなりがちです。記入もれや間違いも多くなります。
例えば、所得控除、住宅ローン控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、寡婦控除、生命保険料控除、地震保険料控除に対しては、申請書や領収書での申請が必要です。住宅ローン控除は、住宅を取得した初年度は確定申告を行う必要がありますが、2年目からは年末調整で処理できます。年末調整で控除を受けるためには、社員による申告書類の提出が不可欠です。
このように、年末調整に必要な多くの書類は社員からの申告・提出が必要となります。スムーズな進行のためには、社員の協力が欠かせません。しかし、それぞれ自分の業務がある中、慣れない申告書類を記入して提出するのは、どうしても遅くなりがちです。記入もれや間違いも多くなります。
スムーズな年末調整のポイント
社員からの提出書類の不備は、年末調整の進行を妨げる大きな要因となってしまいます。しかし逆に言えば、この要因を払拭することで進行をスムーズにすることもできるのです。最後にそのポイントをご紹介しましょう。
※関連記事:年末調整をスムーズに乗り越えるスゴ技!
ポイント1 初動を早く
とにかく初動を早くすること。遅くても11月中旬には必要書類を配布して周知を図るのが得策です。調整額を12月、もしくは1月の給与に反映させるためには必須の対応と言えます。ポイント2 告知を徹底
会社の掲示板や広報誌など、社内メディアを駆使しての大々的な告知を行います。同時にメールで全社員に「年末調整のお知らせと資料提供のお願い」と連絡しましょう。この時、提出期限を明確に設定することが大切です。ポイント3 未提出者には督促
期限内に資料を提出してくれない社員には督促を行います。メールでの督促だけでなく、直接会ってお願いすると効果的です。提出が遅れる社員は、毎年同じ顔ぶれが並ぶもの。要注意人物には早めのお願いを心がけてください。ポイント4 マニュアルなどを配布
必要書類や申告書の書き方、注意点などを記した簡単なマニュアルを配布するのも良いでしょう。不明点や質問などにも積極的に対応すると、協力的な社員が増えます。※関連記事:年末調整をスムーズに乗り越えるスゴ技!
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