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業務全般制度改正 2018/02/06

2018年度税制改正大綱、ここが注目ポイント!

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2017年12月14日に決定された2018年度税制改正大綱では、所得税の見直しや国際観光旅客税など個人を中心に2,800億円の増税となりました。
法人税は既存の税制を見直し、増税と減税がほぼ同額の税収中立となりました。
目玉が少ないと言われる法人税改正ですが、経理担当にとってはしっかり把握しておくべき重要点が多々あります。
今回は、企業に関わる税制改正のポイントを紹介します。

法人税は条件付きで軽減

経理担当なら法人税の改正は必ずチェックしたいポイント。今回の改正によって法人税は、3年間限定で、条件付きの軽減となりました。
大企業と中小企業のそれぞれに対する減税の条件は以下の通りです。

【大企業】

〈減税の条件1〉
  • 一人あたりの平均給与等支給額を前年比3%増やす。
  • 当期の減価償却費の90%以上に相当する設備投資を国内で行う。
上記2つの条件を満たしている場合、給与総額が前年度から増えた分の15%相当を法人税から差し引くことができます。

〈減税の条件2〉
  • 社員の職務に必要な技術、知識向上のための教育、訓練、研修、講習などの教育訓練費を、前期及び前々期の平均額より20%以上増額。
控除率が5%上乗せされ、給与総額が増えた分の20%まで控除を受けることができます。
ただし、所得が増加しているにも関わらず、給与・設備投資をほとんど行っていない大企業については、これまで後押ししてきた租税特別措置(研究開発税制等)の適用が受けられなくなります。

【中小企業】

〈減税の条件1〉
  • 一人あたりの平均給与等支給額を前年比1.5%以上増やす。
給与総額が前年度から増えた分の15%相当を法人税から差し引くことができます。

〈減税の条件2〉
  • 社員の職務に必要な技術、知識向上のための教育、訓練、研修、講習などの教育訓練費を、前期及び前々期の平均額より10%以上増額。
15%の控除に上乗せする形で最大25%の税額控除が受けられます。

また、情報連携投資等の促進にかかる新たな税制(IoT投資税制)が創設されます。これは、サーバやセキュリティ強化などに5,000万円以上を投資するデータ連携計画に対し、一定の条件を満たせば特別償却か税額控除を受けられます。

中小企業の事業継承を促進

政府の試算によると、2025年には中小企業の経営者の60%以上が70歳を超え、現時点で後継者が決まっていない企業は127万社にも上ります。こうした実態を踏まえた事業継承促進税制も目玉のひとつです。
優遇措置のひとつが継承した株式にかかる相続税の負担軽減。現行では、全株式の3分の2を対象に、相続税額の80%を猶予していますが、改正後は全株を対象に100%猶予されます。複数人で相続する場合も、猶予対象は筆頭株主のみから、最大3人までと変わります。

株式の評価方式についても、現行では、事業継承時の株式価値をもとに相続税額を算出しますが、改正後は事業継承後に株価が下がれば差額は免除されるようになります。また、親族以外の企業や経営者がM&A(合併・買収)による事業継承を行う際の税制も見直されます。

固定資産税の企業負担を軽減

中小企業の設備にかかる固定資産税は、2016年度に税率を1.4%から半分の0.7%に軽減する措置が導入されましたが、今回の税制改正では各市町村の裁量でさらに0%まで税負担を軽減できるようになります。固定資産税は3年連続の減税となり、政府はこれを呼び水とした生産性向上の促進を期待しています。

サーバやルーターなど、データセンターにかかる固定資産税も首都圏以外なら減税されます。あらゆるモノがネットにつながるIoTの普及に伴い、データ通信量は激増しています。全国各地へのデータセンター整備を促進し、首都圏に集中するデータ通信量を分散化することで、災害対策を強化するのが狙いです。

なお、地価上昇による負担を抑えるために、商業地での特例措置が3年間延長されることになりました。商業地は特例として税率をかけるもとになる課税標準を土地の評価額の70%としており、都市部の場合は地価上昇の影響がより負担増となるため、さらに抑えられ60%としています。固定資産税は赤字企業も収める地方税なので、急激な負担増は望ましくないとされ、特例措置の維持が決定しました。

※税制改正大綱は今後の国会における法案審議の過程において、一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性があります。
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今回は企業に関わる税制改正のポイントをあげてみました。法人税の軽減措置をとる新しい仕組みについては、3%(中小企業は1.5%)の賃上げ、設備投資の拡充と税額控除を勘案しながらの、複雑なシミュレーションが必要となります。会社としてどのような方針を打ち出すべきか悩む経営者に対して、的確なアドバイスを提供するのがこれからの経理の役割。その存在感を大きくアピールするチャンスです。

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