日々行う経理処理業務を効率化したいとお考えの企業は多いことと思います。定型業務として毎日処理するため、工夫、改善することにより大幅な効率化ができる可能性があります。
その解決策として、マルチモニターを利用した作業効率化と、会計ソフトの便利機能を使った業務効率化をご紹介します。
今回、マルチモニター化するための外部モニターは、画面解像度のバリエーションとして、I-O DAT社製のフルHD、WQHD、4Kの3機種で比較、会計ソフトはミロク情報サービスの「かんたんクラウド会計」を使いました。
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画面解像度の異なるモニター3機種
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会計ソフト
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日々の主な経理処理業務は、帳簿の記入、経費精算や仮払金の処理、銀行明細やクレジットカードの利用明細などの入出金確認、伝票作成などがあり、毎日発生する取引情報は、データもあれば紙もあります。
(イメージ)PDFなどデジタルデータと紙の領収書や請求書
データであれば、メールで送られてくる請求書や発注書データであったり、パソコンや社内共有用のNAS(ネットワーク接続型ストレージ)に保存されていたりします。紙であれば、郵送されてきたり、経費精算の領収書であったりします。
これらをパソコン画面で確認する時間が多くなりますから、モニターで表示できる広さが重要になってきます。経理処理業務では複数のファイルを同時に開いて確認、入力する作業も多いので、まず、はじめに、ノートパソコンの1画面だけで表示するシングルモニターと、ノートパソコンに外部モニターを接続して2画面で表示するマルチモニターの場合で、その作業効率を比較してみました。
— シングルモニターの場合
複数のファイルやソフトを同時に見たりする場合、1画面にすべてを表示しきれないので、どうしてもファイルやソフトを切り替えながらの作業になります。
(写真)タスクバーからファイルやソフトを切り替えなければいけない
切り替えを行う回数は1日に何百回以上となるでしょう。その手間も時間がかかることも当然ですが、ストレスにもなります。これが毎日続くことを考えると、正直つらいものがあります。
このお悩みを解決できるのがマルチモニター化です。外部モニターをケーブルでつなぐだけで画面領域を拡張できる一番かんたんな方法です。
— マルチモニターの場合
オフィスでもテレワークでも、ノートパソコンをマルチモニター化して作業効率をアップする方法は定番になってきました。
マルチモニターでは2画面あるので、片方の画面には常に会計ソフトを表示し、一方の画面では、メールの添付ファイル、フォルダに保存されているデータ、スキャナで紙書類を取り込んだデータなど、同時に表示して確認でき、作業効率が大幅に向上します。
シングルモニターのようにファイルやソフトの切り替え回数も少なくなり、快適なパソコン作業が実現します。
— モバイルモニターを使ったマルチモニター環境
据え置きのモニターのほか、モバイルモニターを使ってマルチモニター環境にすることもでき、省スペースで設置が可能です。
写真は、スタンド一体型の17.3型フルHD対応モバイルモニター「LCD-YC171DX」です。USB Type-C採用なのでケーブル1本でPCと接続でき、デスク周りもスッキリします。
今回、実際にシングルモニターとマルチモニターでの作業時間を比較した結果が下記の通りです。
所定のデータフォーマットに出力、入力、システム反映を行う3項目の作業をシングルモニターとマルチモニター環境のそれぞれで比べて実施してみました。
結果は、マルチモニター環境の場合、約18%の作業時間の短縮につながりました!(I-O DATA社調べ)
【測定環境】
①ノートPC 14型フルHD)のみ
②ノートPC (14型フルHD)+17.3型フルHDモニター(拡張デスクトップ表示)
【作業時間の比較】
①所要時間…17分40秒
②所要時間…14分30秒
※ 3分(約18%)の時間を短縮
【テスト内容】
データフォーマットの出力、入力、システムへの反映と3項目の対応。
・システムよりデータフォーマットを出力。
・別の集計データを確認しながら、フォーマットへ入力。
・更新したフォーマットをプログラムで、システム反映する形式に変更。
・更新したデータフォーマットをシステムへ取り込み。
・登録データを再出力し、反映の確認を行う。
— HDMIとUSB Type-C 接続の違いについて
パソコンと外部モニターをつなぐ場合、HDMI接続とUSB Type-C接続の2通りあります。従来のHDMI接続で映像・音声出力はできますが、長時間モニターを使う場合、ノートPCには電源アダプターをつなぐ必要があります。
一方、USB Type-C接続はパソコンとモニターはUSB Type-Cケーブル1本を接続するだけで、パソコンからの映像や音声はモニターに出力でき、モニターからノートパソコンに給電ができます。後述するアイ・オーのモニターは、USB Type-C接続にも対応しています。
※LCD-CF271EDB-F、LCD-CU271AB-Fの場合。
※ご使用される機器にDisplayPort Alt Mode対応のUSB Type-Cポートが必要です。
※ノートパソコンの給電は65Wまで、USBハブは各ポート900mAまで。
USB Type-Cケーブル1本でスマートに接続でき、ノートパソコンの電源アダプターをつなぐ必要がないので、デスク上もごちゃごちゃせずにスッキリできます。
上の写真は、いずれも27型サイズのモニターで外観はほぼ同じですが、画面解像度に違いがあります。
(図)画面解像度の違い
画面解像度とは、画面が表示できる最小単位のピクセル(またはドット)の情報量を表します。数値が大きくなるほど細かく表現できます。
解像度が高いと、表示される画面の領域を広くできますが、画面上のアイコンや文字は小さく表示されます。一方、解像度が低いと、表示される画面の領域も狭くなるため、文字やアイコンは大きく表示されます。
それでは今回検証に使用するモニターは次の3機種になります。画面サイズは、すべて27型の同サイズですが、画面解像度に違いがあり、フルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4K(3840×2160ピクセル)の3つになります。
それでは会計ソフトの画面を表示してみたいと思います。表示領域の違いが比較しやすいように、画面解像度の違うモニターを2台並べて、同じ内容の画面を表示させてみました。表示した画面、1つは[日常処理]メニュー一覧画面、もう1つは[かんたん入力]画面の2つです。
— 【A】フルHDとWQHDの見え方の違い
横に並んだメニューアイコンの表示数に違いがあり、フルHDよりWQHDのほうが、1行に表示できるアイコンの数が増えているのが分かります。
上部の4分割されている入力画面は、どちらも均等に分割されています。下部の取引一覧には違いがあり、画面の縦方向は、WQHDのほうが表示できる行数が多く、一度に見渡せる取引件数も多くなります。
画面の横方法についてはどちらも自動調整され、すべての項目が表示されています。各項目幅は自由に変えられます。勘定項目や金額の仕訳だけではわからない情報を記入する[摘要]欄は、列幅内で表示されますので、文字数が多くなると途中までの表示となります。
表示幅に余裕のあるWQHDでは、表示文字数を多くすることができるので、見切れることなく確認できます。
— 【B】フルHDと4Kの見え方の違い
4Kの場合、メニューアイコンの数はさきほどのWQHDよりも、1行の表示数が増えています。フルHD→WQHD→4Kと画面解像度が高くなるほど、1つ1つのアイコンが小さくなり表示数が増えます。
4Kでは、下部の取引一覧に表示できる行数がさらに多くなりました。WQHDでは隠れていた行もすべて表示されました。4Kが一番多くの情報を画面内に表示できることが分かりました。また、画面解像度が高いほど表示領域が広くなる分、文字サイズが小さくなることも分かりました。
今回の会計ソフトでは、取引一覧の右上のある[表示]ボタンにより、一覧だけを画面に表示させることもできますので、フルHD解像度でも、このボタンで表示を切り替えることにより、行数を増やして確認することができます。
解像度毎のおすすめポイント
たくさんの情報を表示できるのは最も画面解像度が高い4Kモニターでした。表示領域が広くなった分、文字サイズが小さくなりますが、精細にクッキリ表示できます。文字の大きさの大小については、個人差もありますので、小さいと感じられる方はWQHDやフルHDを選ばれると良いでしょう。
フルHDはよく使われている一般的な画面解像度です。使い慣れた画面がよい方はこれが良いでしょうか。WQHDは、フルHDと4Kの中間の画面解像度です。フルHDに比べ表示領域も広がり、文字サイズも4Kほど小さくなりすぎません。
どの画面解像度を選んだとしても、マルチモニター化による会計ソフトを利用するメリットの優位性はあります。
また、フリースタイルスタンド採用の「LCD-CF271EDB-F」「LCD-CU271AB-F」は、特別に器具を使うことなく、手で簡単に90°回転して縦表示にすることもできます。縦に長い帳票の表示に便利に使えます。
帳簿に手書き、電卓で計算の経理処理業務の日常から、会計ソフトを使った処理のおかげで、手間も時間もかからなくなりました。クラウド化も進んでおり、会計ソフトが金融機関やクレジットカードとのデータ連携も可能にあり、さらに省力化できるようになっています。
今回使った会計ソフトは(株)ミロク情報サービスの「かんたんクラウド会計」で、電子帳簿保存法にも対応しています。会計事務所とも連携ができ、かんたんクラウドへ会計事務所の担当者が直接ログインして監査することもできるので初心者の方も安心です。
「かんたんクラウド会計」には4つの特長があります
会計や簿記の知識がなくても安心 |
法改正にも自動で対応 |
自動仕訳作成機能があるので入力もかんたん 初心者でもわかりやすい入力画面のため安心して使えます。さらに銀行やクレジットカードなどの取引データやレシートの画像データから自動で仕訳を作成することが出来るので入力の手間が大幅に削減できます。
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無料でシステムがバージョンアップしていきます 頻繁に発生する法改正(税制度の変更など)に対応して、適切なタイミングでシステムが自動的にバージョンアップするので、対応漏れなどの心配はありません。機能面でも随時改善が行われています。バージョンアップはもちろん無料です。
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いつでもどこでも利用可能 |
ファイルBOXと一緒に使うと便利! |
クラウドサービスなので自宅からでも使えます パソコンなどへのインストールは不要で、インターネット環境さえあればいつでもどこでも利用できます。もちろん自宅のパソコンからもアクセスできるのでテレワークでも使えます。。
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電子保存した様々な書類と一元管理が可能に! かんたんクラウドファイルBOXとかんたんクラウド会計を合わせて利用することで、仕訳に紐づく証憑のタイムスタンプ付与、検索等の要件を満たしたスキャナ保存に対応しています。※かんたんクラウド会計または給与を利用中の場合、ファイルBOXを100MBまで無料で利用可能。
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これから新たに会計ソフトの導入を検討されている企業も、初めて会計ソフトを使う方も、かんたん操作ですぐにご利用いただけます。中でも、初めてでもわかりやすい「かんたん入力」は便利です。
「かんたん入力」では、取引例が多数登録されているので、日付と金額を入力するだけで自動で仕訳として変換し、関係帳票に転記されます。
簿記に精通した方が入力で使用する「出納帳」や「振替伝票」などと比べ、簿記に自信がない方でも、安心して操作できます。
◎検証に使用したモニター
フルHD対応27型モニター「LCD-CF271EDB-F」
(商品ページ)(購入ページ)
WQHD対応27型モニター「LCD-MQ271XDB-A」
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4K対応27型モニター「LCD-CU271AB-F」
(商品ページ)(購入ページ)