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人事/労務年末調整 2022/07/19

年末調整システムの選定はここがポイント!

リモートワークなど新しい働き方の普及が追い風となって、経費精算や勤怠管理など従業員向けサービスのデジタル化が進んでいます。そんな中で、そろそろ年末調整のデジタル化を考えている企業の皆様も多いでしょう。今回は、ある菓子メーカーの事例をもとに、年末調整システム選定のポイントをご紹介します。

従業員数の増加で年末調整業務が煩雑化

菓子類製造業として東海〜関東エリアで事業を展開しているK社は、オリジナル焼き菓子ブランドがヒットして、この10年あまり着実に売り上げを伸ばしています。そのため工場や営業拠点、ひいては従業員数が増えたことから、総務部門で対処すべき課題も山積するようになってきました。

「そうした課題のひとつが、年末調整業務の肥大化・煩雑化でした」

と、K社で人事課長を務めるM崎氏は指摘します。

「単純に、従業員数の増加で労務担当者の業務量が増えたということもありますが、年末調整業務に関して言えば、ここ数年目立って増えてきたのが書類の紛失ですね。申告書から控除証明書、源泉徴収票まで、とにかく紛失には手を焼きました。とくに申告書は、提出期限が迫ってから紛失が判明することが多くて、年末の忙しい時期に担当者は再発行や問題解決のために奔走する羽目になるわけです」
このような状況を何とかしたいと考えて、K社総務部門では年末調整のデジタル化を検討することになったとのこと。

しかし、年末調整システムの製品は数多く、どの製品が自社に合っているのか、選定には苦労したそうです。

ペーパーレス化と進捗管理の効率化をめざす

K社では、製品選定のポイントについてSIerと相談し、年末調整システムに必須で求める機能を「ペーパーレス」「進捗管理」「データ連携」の3つに絞り込んだといいます。

「第一に、ペーパーレスですね。書類の紛失に手を焼いていたので、とにかく年末調整に関わる紙文書をできるだけ少なくしたいという要望がありました」

と、M崎氏は振り返ります。

「とくに申告書については、スマートフォンから簡単に入力・作成できるようにしたいと考えていました。人員の多い製造部門や販売部門では、パートやアルバイトなどパソコンを使い慣れていない人が多いのですが、スマートフォンならほとんどの従業員が持っていますし、すき間時間に入力することも可能になります」
二番目に重視した選定ポイントが「進捗管理」でした。

「デジタル化するまでは表計算ソフトで管理台帳を作って提出状況を把握しようとしていたのですが、それ自体がけっこう大変な作業でしたし、結局のところ、提出されるまで状況がわからないんですよね」

「デジタル化することで、入力中か、未着手か、提出済みか、リアルタイムで把握して、効率的に催促したいと考えたのです」

給与システムとのデータ連携も重要

最後に、製品選定のポイントとして一番の決め手になったのは「給与システムとのデータ連携」だったと、M崎氏は述べています。

「年末調整情報を給与システムに再入力するのはひどい二度手間ですし、入力ミスや入力モレの原因にもなります。そこで、従業員が入力した申告データはもちろん、社員情報などのマスタデータも、年末調整システムと給与システムの間でスムーズに連携させたかったのです」

K社の総務部門では、既存の給与システムとスムーズに連携できるか、SIerやシステムベンダーと一緒にしっかり確認したとのこと。
「製品選定のポイントではありませんが、SIerやシステムベンダーがこちらの悩みをきちんと受け止めて提案してくれることの重要性を改めて感じましたね。今回はSIerが親身になってくれたので、適切なシステムを導入できたと思います」

年末調整システムを導入したことにより、K社総務部門の年末調整業務は大幅に省力化され、申告書等の紛失も無くなったとのこと。

「申告書の作成をスマートフォンでできるようにしたのは、やはり良かったですね。ガイドに従って必要なデータを入力するだけなので、計算ミスもほとんどなくなって、従業員からも非常に好評です」

と、M崎氏は評価してくださいました。
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近年の年末調整システムはクラウド化されているため、導入自体はとても簡単です。しかし導入に当たっては、システムだけではなく実務や準備のことも考慮しなければなりません。業務フローの変更、従業員へのアナウンスとガイダンス、税務署への申請など、システム導入にともなう準備は少なくありません。今年こそ年末調整をデジタル化したい!と言う皆様は、夏の早い時期からの取り組みをオススメします。

今年こそ!年末調整の電子化で業務の時短化!
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