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経営上場(IPO) 2017/03/28

上場準備を機に会計システムを刷新

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株式市場への上場をめざすには、内部統制の要件に対応できる財務会計システムを導入する必要があります。

上場準備を機に会計システムを刷新

株式市場に上場するためには、厳しい審査基準をクリアする必要があります。

株式数、株主数、時価総額、事業年数、利益額、成長性などのほかに、財務報告の信頼性などを保証する内部統制がきちんと整備され有効に機能しているかどうかも、審査の対象となります。

特に経理部門では、財務状況の健全性や内部統制の有効性について、上場後も定期的に報告し、一般に公開しなければなりません。

このような基準をクリアしていくためには、会計システムもまた、内部統制の要件に対応できる必要があります。

今回ご紹介するH社は、Webコンテンツを軸としたプラットフォーム事業やマーケティング事業で堅実に業績を伸ばしているITベンチャーです。

上場準備を機会として内部管理体制を強化するために、新しい財務会計システムを導入したH社が、どのような課題をクリアし、どのような導入メリットを得たのか、また、製品選定のポイントは何だったのか、経理部 部長の堀内氏にお聞きしました。

株式市場に上場するためには対応した機能を持つ財務会計システムが必要

上場準備を始めるまで、H社では、税理士事務所が使っている会計システムと同じものを利用していました。

「けっこう古いシステムでしたから、上場企業レベルの内部管理体制を構築していくためには、承認や原価計算といった機能が備わっていないなどの問題がありました。
そこでこの機会に、新しい財務会計システムを導入することになったのです」
と、堀内氏は振り返ります。

内部統制以外に、経理の日常業務でも不便を感じることは多かったそうです。

「例えば、以前の会計システムでは、勘定科目ごとに1つずつしか補助科目を設定できなかったので、売上を得意先ごとや種別ごとに複数で見ようとすると、その都度、データ形式で抽出して必要なデータを作るという手間がかかっていました」

「入金消込も手作業で行っていたので、漏れや間違いなどのリスクがありました。上場するなら、財務報告の信頼性を確保するためにも、経理業務でのミスや不正の発生は極小化しなければなりません」

H社の経理部門では、そのような課題をひとつひとつリストアップして整理し、必要な要件を満たす製品を探すことになりました。

株式上場に向けて財務会計システムを選ぶための3つのチェックポイント

「中堅企業向けで株式上場にも対応できる財務会計システムとなると、選択肢はかなり限られてきます」
と、堀内氏は指摘します。

H社では、製品選定にあたり、3つのチェックポイントを設定しました。

  • 中堅企業向けの価格帯で必要な機能が揃っていること
  • 1つのシステムで業務全体を管理できること
  • 事業規模が大きくなっても柔軟に対応できること

見積比較とデモンストレーションを経て、導入製品は比較的あっさり決定したと、堀内氏は回想します。

「他社の提案は、必要な要件のどれかが欠けていました。
コストパフォーマンスの良さとサポートの手厚さも決め手になりましたね」

「デフォルトで利用できる機能が豊富で、オプション機能が多いことも魅力です。
今回は財務管理と給与管理のモジュールを導入しましたが、今後の規模拡大に合わせて、販売管理、資産管理、ワークフローまで、1つのシステムで揃えることができます。
必要なら、もう1ランク上の財務会計システムに移行することも可能です」

それでは、新しいシステムはH社にどのようなメリットをもたらしたのか、続いてその一部をご紹介します。

内部管理体制を強化しながら経理部門の業務効率を大幅に向上

最も大きなメリットは、内部管理体制を強化していくにあたって、機能の不足などが解消されたことだと、堀内氏は指摘します。

「管理者が承認しなければ伝票が帳簿に反映されない承認機能は、特に重要です。
監査法人の方も、システム統制上の信頼性が高いと評価していました」

経理部門の業務効率も、大幅に向上したとのこと。

「補助科目のほかに共通補助科目を設定して、その科目の残高内訳をすぐに確認できるようになりました」

「入金の消し込みも自動的に行えるようになったので、そこに人材と時間を割く必要がなくなり、ほかの業務に充てることができます」

ユーザビリティについても、経理スタッフの評判は上々だとか。

「会計システムの使い勝手といえば、たいてい不満の声が漏れてくるものですが、今回導入したシステムについては、毎日サクサク使っているという感じです。
ボタンの配置などが直感的でわかりやすいので、あまりマニュアルに頼らなくて済む、というわけです」

そのほか、予実対比分析を効率的に行ったり、顧客の売掛金情報などを営業にフィードバックする頻度を上げたりなど、経営企画や営業活動に役立つ情報を迅速に提供することにも貢献しています。

手厚いサポートを活かしてスムーズなカットオーバーと安定稼働を実現

新しい財務会計システムを導入するにあたって、堀内氏が「個人的に驚いた」と高く評価しているのが、サポートの手厚さです。

「株式上場や財務会計システムの入れ替えのようなことは、そうそう経験できるものではありません。
つまり、どうしても個人での経験値というものがあまりないのです」

「その点、今回の導入では、会計ソフトベンダーによる訪問サポートが非常に熱心で助かりました。
ここまできめ細やかな支援や指導はほかに経験がありませんし、知識が豊富であることにも感心しました。おかげさまで、無事、財務会計システムのカットオーバーと安定稼働を実現できました」

導入支援の成否は「人」によるところが大きいと、堀内氏は指摘します。

「導入時には、とても丁寧かつ効率的に操作の指導をしてもらいました。
導入後も、コールセンターの対応が良いので、まれに疑問点が発生しても、たいていは電話で解決できています」

「もうひとつ、セミナーが充実しているのも嬉しいですね。
特に『税制改正大綱セミナー』は、非常にスピーディーに情報をキャッチできるので、経理部の定例イベントとして毎年出席しています。
テキストもボリュームたっぷりで、社内の据え置き資料として非常に役立っています」

新しい財務会計システムの機能とサービスを活用して業務を効率化しながら、スピードの要求にもクオリティの要求にも応えられる「強い経理部」をめざしたいと、堀内氏は締めくくってくださいました。
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