伝票とは取引が発生したタイミングで記入するメモ書きのようなもので、最終的には決算書につながる重要な要素です。伝票には1伝票制、3伝票制、5伝票制の3種類があり、どれを使うかは業種や取引内容などによって企業ごとに異なります。
5伝票制は掛け取引に適しているため採用する企業が多いのですが、状況によって5種類の伝票を使い分ける必要があります。5伝票制の処理方法例は下記の通りです。
■商品を仕入れたときの流れ
条件:商品を4万円で仕入れて代金5万円を支払った。
1.仕入伝票に買掛金取引の内容を起票する。
2.「1」の後に出金伝票に買掛金による出金と起票する。
なお、商品を販売した際は、上記と同じような流れで「売上伝票」と「入金伝票」への記入を行います。現金での取引はそのまま「入金伝票・出金伝票」に記入、それ以外の取引については「振替伝票」に起票します。
作業自体は慣れてしまえばそれほど難しくはないものの、複数の伝票を使い分けたり、2つの伝票へ同時に起票する必要があるので、取引が多い職場では処理方法を効率化しないと、他の業務を圧迫する要因になってしまいます。
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■手書きで伝票処理をする場合
PCが普及していなかった時代は、当然、伝票も手書きで起票されるものでした。しかし作業スピードが遅いほか、記載ミスが起こりやすい、保管場所の確保が必要などの問題もありました。こうした事態を解消すべく、現在はほとんどの企業がPCでの処理を行っていますが、現金取引が中心の飲食店や町工場などでは、未だに紙の伝票が使われていることもあります。
■エクセル(Microsoft Excel)で伝票処理をする場合
会計ソフトを利用せずに伝票を管理している企業では、エクセルを利用していることがほとんどではないでしょうか。エクセルはパソコン上で管理するため、紙と比べるとかさばらず、作業スピードも迅速です。しかし記載ミスのリスクは減らないうえ、複数の伝票を管理する大変さも変わりません。
手書きやエクセルでの伝票処理が抱えるリスクを解消し、効率化を図りたいのであればクラウド会計ソフトの導入がおすすめです。
■クラウド会計ソフトのメリット
- 作業が簡略化される
- 自動でバックアップされる
- 自動で仕訳される
- 総勘定元帳など、転記が必要な帳簿に自動で反映される
- 複数の経理担当者で、簡単に伝票の管理ができる
また、会計ソフトでは取引を入力するための方法が複数あり、入力の際はどの伝票を使っても問題はありません。適切な伝票がわからなければ、取引内容に従って入力するだけで自動で仕訳される機能が備わっている場合もあります。
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伝票処理が簡略化され、自動で仕訳、転記されれば、入力するデータの数自体が減るため、稼働時間が削減され、記載ミスも減らすことができます。また、バックアップがあるので、データの上書きミスや伝票の紛失の心配もなくなります。では、会計ソフトではどのように伝票処理を行うのでしょうか。ミロク情報サービスが提供している「
かんたんクラウド会計」を例に紹介します。
今回は、現金取引のうち、商品を販売した際に利用する入金伝票の作成例を紹介します。
条件:10万円の商品を得意先の片平商店に販売し、現金で取引した。
■ステップ1:ホーム画面から「入金伝票」をクリック。
■ステップ2:科目、伝票日付、貸方科目、期日、金額を入力。(消費税・資金繰は自動入力されます。)
■摘要欄に取引先を入力。(事前登録すればワンクリックで入力可能です。)
■他の帳簿にも自動的に反映されます。(例:出納帳)
クラウド会計ソフトを使えば、たったこれだけの操作で伝票処理をすることができます。データはインターネット上にデータが保存されるため、複数人が自分のPCで作業チェックを行うことも可能です。「かんたんクラウド」では、データ改ざんや不正防止のために作業者に権限を持たせることもできるなど、セキュリティ面でも安心です。
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